第2章:光の階段、仲間の声
翌朝、ミライハーバーの空は淡いオレンジに染まっていた。
空中デッキの光がまだ眠る都市を照らす中、ユナはスタジオの扉を押し開けた。
昨日体験した空を駆ける感覚はまだ胸に残っていて、心臓が少しずつ高鳴る。
「おはよう、ユナ!」
元気な声とともに、ミナトが手を振る。
「今日から本格的に練習だよ!」
ユナは軽くうなずき、深呼吸をひとつ。
昨日の恐怖はまだわずかに残っているが、今は楽しみの方が強かった。
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仲間たちとの出会い
スタジオの奥には、開発者の ルイ・カザマ と、チームのサポート役 マルコ が待っていた。
ルイは静かに笑みを浮かべ、ユナを見つめる。
「今日は、君の体にARの動きを馴染ませる練習だ。恐怖を感じたら無理せず止まれ」
マルコは機材を操作しながら、優しくアドバイスする。
「まずは光の階段の踏み方を体に覚えさせるんだ。焦らなくていい」
ユナは少し緊張しながらも、心の奥で小さな期待を感じる。
「昨日よりもうまく飛べるかもしれない……」
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初のチーム練習
光の階段を一歩踏み出すと、昨日よりも鮮やかに光が波紋を描く。
浮遊リングも高く跳べるようになり、残光の尾が長く伸びる。
都市の風が頬をなで、電子音が耳に届き、全身に血が巡る感覚。
「ユナ、ナイス!」
ミナトの声が後ろから響く。
一緒に駆ける仲間がいることで、恐怖が少しずつ溶けていく。
ルイも静かに頷く。
「順調だ。君の感覚は戻りつつある」
ユナは笑みを浮かべ、初めて仲間との協力を実感する。
「――これなら、やれる」
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小さな挑戦と成長
チームは簡単なコースでタイムトライアルを行う。
光の階段を駆け上がり、浮遊リングを跳び越え、影ゾーンを避けながらゴールする。
ユナは一歩一歩、昨日よりも安定して跳ぶことができた。
恐怖心はまだ完全には消えていないが、仲間と一緒なら乗り越えられる――そう感じた瞬間だった。
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章の締め
練習後、スタジオの窓から見える都市は、昼の光に満ちていた。
都市の輝きと空の色が交わり、未来が少しずつ手の届く場所に感じられる。
ミナトが元気に叫ぶ。
「ユナ姉、明日のコースも楽しみだね!」
ユナは空を見上げ、深く息を吸った。
「――うん、私、絶対に諦めない」
光の階段、仲間の声――
少女の未来は、確かに動き始めていた。




