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星間航路の旅人  作者: 水縹
故郷への旅路
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2 かぜひかる

衛星都市アマリリス。


花々を生育し出荷している花の農場衛星だ。


【フラワーワールド】という花の咲き乱れる遊園地も観光ガイドのおすすめスポットに載っている。


「ローズソフトってなんかこう・・・独特」


「ラベンダーソフトも独特。こう、食物なのかと不安になる」


「・・・だから、芳香剤の味だって言っただろ」


宇宙港の売店で、名物の花のソフトクリームをシオが止めたのに食べた2人は微妙な顔で完食した。


ほのかにピンクのソフトクリームに薔薇の花弁の纏ったローズソフトと、まんまラベンダー色のソフトクリーム。


やさしいカモミールティを飲んで呆れたようにふたりを見た。


「名物なんだから、どんなもんか気になるでしょ」


「色は綺麗だし、味も間違ってはないけど・・・美味いかどうかは」


「どこのレストランの、サラダも花がかかってて見た目が綺麗だ。3年前に半年くらい駐屯してた時のイメージだけど」


宇宙港のターミナル前のテラスデッキで軽食を取りながら、開放感のある景色を眺めながら重力調整中だ。


麗らかな春の気温調整が施され、そよ風が吹く。


長閑な空気に癒される。


「あの〜。観光ですかぁ?」


景色を見下ろしていた3人に、制服姿の女性が声をかけた。


誰?な空気を感じ取った女性はわたわた早口で続ける。


「私、観光協会の新人で、お客様に観光のご案内をさせていただいております!宿泊や飲食店のご案内いかがですか?フォトもお撮りします」


パンフレットを差し出す。


制服の胸に研修中バッチを付けている。


「じゃあ、コレで撮ってもらえる?」


「かしこまりました。精一杯頑張ります」


ユージンから端末のカメラモードを受け取るやいなや、彼女はスカート姿も気にせず屈み込んだ。


「眼鏡のあなた、こうフレミングの指で口元に手を当てて、美形のあなたは少し斜めに首痛ポーズで、ぱっちりお目目はそうそんな感じで・・・っ素敵です!最高」


普通に撮ったあと勢いに流されポーズ指定で撮り終えると、満足げに端末を返してきた。


「・・・痛々ピンナップで面白いんだけど」


「はわわスミマセン」


その後、良さそうなホテルをのシングル3室の手配をしてもらい、ホテル近くのレストランを教えてもらった。


サラダはもちろん花まみれ。


フォトを撮りながら、難しい顔でルイが呟いた。


「これただの旅行だよな。なんか仕事作ろう。とりあえず、旅行ブログみたいなことやる?」


「任せる。顔出しは無しで」


「了解」





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