1 ひといきつく
ステルスモード状態で航行すること5日の後、無事に大銀河帝国空域を抜けて星間航路に合流となった。
「疲っれたぁ。ボク休む」
ステルスモードではオート操舵が使えないため、操舵席での仮眠が続き、ユージンは星間ワープにすると船員室に引っ込んだ。
安全そうな場所で停泊しつつの運転ではあるが、密入国船であり、気が休まるものではない。
星間航路の星間ワープは全ての宇宙船が安全装置付きで自動操縦運転となる仕様だ。
長距離移動が前提となる宇宙空間のため、操舵手が離れられるようになっている。
「お疲れ〜。シオくんもお疲れ」
「流石に疲れたな」
ぐったりと、椅子にもたれたシオをルイは労う。
「ステルス機能の通常航行ができないからしょうがないけど、前より密室で長かった」
変形して離脱までは良かったのだが、戻すとステルスの機能が使えなくなるので、シオはそのまま5日間砲手室もとい特別艦長室に閉じ込められていたのである。
前回は開閉ハッチは手動で館内移動ができたが、改修後はシステムチェンジまでほぼ独房であった。
最低限生活できるスペースで、水と味のバリエーションはあるが棒状の携行食で5日間はしんどかったようだ。
「1番近くの衛星どこ?」
「惑星国家のアールの衛星アルツの宇宙港だね。2速で6時間の設定になってるから、あと5時間50分は星間ワープしてる。ワープ終わっても、まだ距離あるからゆっくり休んでていいよ」
「任せた」
「はい、おやすみ」
壁に張り付けた眼鏡ケースを改修して、船員室にシオも消えていった。
ルイは計器を見つつ、入港の手続きと・・・色々やることがあるのだ。