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星間航路の旅人  作者: 水縹
故郷への旅路
14/49

8 ちりてのち

昼の時間は自由時間ですごし、仮眠をとる。


23:00。時間である


「シュガーソルト号発進準備完了」


「ルイ。オトホシの外殻防御」


「2時間程度しか持たないけど、起動させてある。制御ロックと鍵もOK」


「ハッチ閉めたら直にロック。ユージン発進」


「了解」


オトホシに別れを告げ、シュガーソルト号は出発する。


シオは眼鏡を外してケースに入れ、磁石でできたそれを後の壁に放り投げた。


「ヘッドセット着用。行ってくる」


そう告げるとシオは、赤いボタンに手を置いた。


スイッチでなく実は指紋認証である。青白い光が切り取るように迸り、艦橋の艦長席が上昇していく。


外では上部前方一部が開口し、砲台が露出。


開いた部分は翼のように変形する。


「・・・へ、変形?メイン動力炉切り替え、ステルス防御装甲スイッチオールオン?取り敢えず許可つけてけばいんだな?!」


戸惑いながら流れるオペレーションに従うルイ。


《ユージン。エホシに前進。欠けに垂直姿勢》


「・・・わかった!」


離れていくエホシを追いかければ、欠けたエホシの中にいつの間にか船が居た。


掘削作業用のロボットアームの付いた船と、運搬船だ。


「・・・居たな」


目視でも確認出来るのをルイは冷たい視線で見つめた。


《10秒相対速度合わせて姿勢維持のち面舵離脱》


艦の上部で集束音の後、衝撃。


閃光がエホシの欠けから中心に入る。


「〜っ揺れるっ!」


武装船など初体験だがユージンは操縦桿を握り、計器を見ながら艦の姿勢抑えた。


「4・3・2・」


閃光がもう1回同じところに向う。


「離脱!」


ルイはカウントして指示を出す。


離脱の瞬間に追い風のような爆風。


エホシは爆散した。


「あ~ぁ。エホシが本当になくなっちゃった」


最大船速で予定通りの空域離脱を図りながら、ユーシンがつぶやくように嘆く。


こんな最後になるとは・・・。


「・・・きっと、違法な採掘の事故だろうな」


「ぇえ〜〜〜」


隣の長身を見上げると、きれいな笑顔だった。


「奇しくも3月18日。本当の命日だな」


「・・・コワイお兄さんたち」


ユージンはドン引きして、まあそうかと納得した。


元砲撃手な軍人と、そのうち捕まると親に言わしめるお兄さん達だ。



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