5 とおめにて
航路に異常はなく、衛星スターカートまではスムーズに進んだが、トラブル発生である。。
「入港出来ない?」
『申し訳ありせん。は本日、スターカートは、星間レース【マリアン杯】の影響で宇宙港が埋まってまして、出港待ちか他の衛星へお願いします』
「了解しました。他へ向かいます。では、衛星カクテルへ紹介願います・・・だそうだ」
通信を終えると、シオは顔を上げ振り返って様子を見てる2人にデータを飛ばした。
「了解」
ユージンは操舵を手動に切り替える。
「進路変更。進路衛星カクテル方向」
「サーチ。周囲機影なし。進路2時方向」
「2時方向に空域離脱」
混雑しやすい宇宙港付近では手動の操縦で、周辺レーダーと目視を頼りに宇宙船を動かす。
「あー・・・軍港が溢れてるアレのせいだな」
レーダーを見ていたルイが原因を見つけた。
「民間港も軍の船が使っているからとばっちりだ」
「あー【マリアン杯】なるほど」
シオは、納得したようだ。
「有名?」
「徴兵された星間レーサーの操縦で助かった護衛艦があったんだ。それから、星間レースが軍で人気になった。マリアンはその護衛艦の艦長。今は確か大佐?」
「知ってる人?」
「まぁ、乗ってたから」
「・・・乗ってたって」
「主砲してた」
モニターに衛星カクテルへの紹介が届き、シオは手続きをしながら大したことなく思い出を話す。
いまいちピンと来てないルイとユージンは「そーなんだー」くらいの感想だ。
「あ、下」
艦の下の映像をモニターで出すと、光を纏った小型艇が超速で走り抜け、ターンして戻って来る。
「うっわ。航路の端なんて命懸けてるぅ」
ユージンは艦の下からスタートした艇が、ターンして横の端を通り過ぎるのに唖然としていた。
「ま、アレだけ軍関係者居そうなら、入港は出来なくて正解だろ」
「あー、シオくん逃亡軍人だった」
「むしろ亡霊?」