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如来ストリーム  作者: 古屋裕
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如来ストリーム ナオミ

やあ、皆さん、素敵なゲストと、素敵な時間を、お送りする如来ストリーム。


今回は、惑星連合から、この方に登場して頂きます。


「皆さん、はじめまして。

惑星連合より、地球人に対しての広報を担当させて頂いております、ナオミと申します。」


「どうぞ、よろしくお願い致します。」


あ、今回は、若い若い女性の方なんですね。

よろしくお願いします。


では、ざっくり、自己紹介をして頂いても宜しいでしょうか。


「私達は、広大な宇宙の三十五の星間文明による連合組織です。」


「現在は、太陽系より、約2万光年離れた、宇宙ステーションを拠点として、地球の防衛や、調査を行っています。」


「今回は、日本神界の依頼によって、この配信にお邪魔する事になりました。」


ほうほう。


リスナーの皆さんに、お見せ出来ないのは残念ですが、ナオミさんは、見た目は華奢で、金髪の見た目麗しい方です。


「ありがとうございます。」


ですが、要するに、あなたは、宇宙人だと、そう仰っるのですか?


「宇宙人が、地球外の生命と言う観念を示すものであるなら、そうなりますね。」


ですが、普通は、宇宙に生命が存在するなんて思いませんよね。


思っても、それを口に出したら、おかしな人だ。


「皆さんは、それは、おかしな事だと考えるように、仕向けられていたのですから、我々の存在を疑ってしまうのは、仕方ない事だと思います。」


「しかし、これだけ広い宇宙の中で、地球にしか生命が存在しないなんて、そんな事は、あり得ないと、そうは思いませんか?」


いやいや。


何か、調子が狂いますね。


では、お聞きしますが、宇宙人が、存在するなら、何で、あなた方は、我々人類の前に、姿を現さないのですか?


その理由を教えて頂きたいのですが。


「そうですね。ですが、もしも我々が、その姿を現したなら、皆さんの文明は、大混乱に陥るのではないでしょうか?」


まあ、そう言う映画もありますからね。


言われてみれば、日本にもかつて、黒船来航なんて出来事がありましたけど、確かに、宇宙人が地球にやって来たら、排除しようと言うグループと、仲良くしようってグループとの間に、摩擦が起きるんでしょうね。


やっぱり、宇宙人は、人類の街に、姿を見せないので正解かも。


「神が示現して、人々を導くと言う手法は、人類が自らの意思で立ち上がらないようにする為に用いられたものです。」


“神は死んだ”と言ったのは、ニーチェでしたっけ?


実は、その神の正体が、あなた方、なんて話ではないですよね。


「我々は、地球人のように、神と呼ばれる概念を持ちませんので、それは違いますが、そのような手段を使い、人類を誘導しようとした存在は、珍しいものではないのです。」


まあ、それはそうでしょうが…。


しかし、神界の依頼でやってきたのですよね?


「エネルギーの質の違いはありますが、我々にとって、神界の方も、地球人類を自立させると言う、共通の目的を持った、広大な宇宙に存在する一つの生命体に過ぎません。」


そうなんですか。


「それどころか、人類だって、元々は、地球に移住して来た宇宙人だったのですよ?」


まあ、そこら辺の話は、眉唾で聞きましょうか。


「あまりにも長く続いた、地球の輪廻のサイクルに取り込まれて、皆さんは、その事を忘れてしまっているのですね。」


ははは、なるほど。


これは、いよいよ異世界転生ものだ。


では、地球の神も、元々は、宇宙人だったと言うのですか?


「外宇宙から、多様な生命の種子が持ち込まれたのが、地球です。」


「日本にも、天から、岩舟に乗って、地上に降り立ったと言う、神々の神話があるじゃないですか。」


では、人類とは一体何なのですか?


「この宇宙で、最高の性能を誇る生命体を創りましょう。

そうした計画があったのです。」


「その計画の主軸を担っていたのが、遺伝子工学の最高峰であった人間の姿にも似た、龍の頭部を持つ宇宙人のグループでした。」


「彼らは、人類の肉体を創るにあたって、様々な文明から持ち寄った、生命体の遺伝子を、人類の肉体の中に、組み込んでいきました。」


ハイブリッド。


「そうです。しかし、それは、ある種の保険のようなものでした。」


「つまり、何れかの文明が、滅亡の危機に瀕した際に、人類の中から、その文明の生命体の遺伝子を、取り出せるようにしたのです。」


「ところで、世界各地で行われている、アブダクションと言う事例を知っていますか?」


ああ、確か、宇宙人に人間が拐われると言う、事件の事ですよね?


「あれは、我々、惑星連合に所属していないグループが、人の身体から、遺伝子を取り出す為に行っています。」


「悪質なのは、科学技術の提供を見返りにする事で、該当国の政府に黙認させている事です。」


「そうした人類に対する、不当な暴力を防ぐ為に、我々惑星連合は、その活動を行なっているのです。」


う〜ん。

まあ、全て納得した訳ではありませんが、話としては面白いですね。


「ありがとうございます。

では、次に、宇宙の目的についてお話したいと思います。」


宇宙の目的ですか?


いや、そもそも、宇宙に何の目的があるんですか?


「宇宙は、自分を知りたいと言う、強い欲求を持っています。」


「つまり、生命とは、自分を知りたいと言う、宇宙の意思を体現する為に生み出された結果なのです。」


はっはー。なるほど。


「その目的を果たす為に、人類には、宇宙が自分自身を理解出来るよう、遺伝子の中に、経験や進化と言ったデータの全てが記録されています。」


「また、その記録を宇宙と結合する事で、提供出来るよう設計されているのです。」


「原初の人類は、まさに、この宇宙で、最高の性能を誇るものでした。」


「寿命は今と比べ物にならない程長く、突出した身体性能や、サイキック能力を備えていたのです。」


「しかし、人類の、その高過ぎる能力を恐れた一部の者が、この地球を独占的に利用する事を画策しました。」


「そうして、その一部の者達が起こしたクーデターは瞬く間に広がり大規模な争いへと発展して行きました。」


「そして、その争いは最終的に、彼らの勝利で終わり、人類の遺伝子は、バラバラに寸断され、今に至るのです。」


「彼らは、人類がその力を取り戻す事がないよう、今の今まで、情報を操作し、捻じ曲げる事によって、意識の進化を阻害して来ました。」


一気に聞きましたが、何と言うか、ちょっと頭が混乱してしまうようなお話でしたね。


「話したい事だけを話しているようで心苦しく思いますが、これが、かつて、この地球上で起こった事なのです。」


ああ、話の続きをめっちゃ聞きたいのですが、申し訳ありません。


時間となりました。


「話が中途半端になってしまったのは、本意ではありませんので、この話の続きは、次回、させて頂いてもよろしいですか?」


もちろんですよ。


しかし、今は社会が、もの凄い勢いで変容してますからね。


実は水面下では、大きな事が起こっているのかも知れませんね。


「そうです。その事については、また次の機会に、お話したいと思います。」


はい。


今回は、遠いところから、スタジオアガルタまでお越し頂き、ありがとうございました。


「こちらこそ、ありがとうございました。」


それでは、次回もお会いしましょう。


如来ストリーム。

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