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如来ストリーム  作者: 古屋裕
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如来ストリーム 善女龍王

如来ストリーム。


やあ、皆さん、如来ストリーム始まりましたね。


今回は、善女龍王さんに、お越し頂きました。


さて、善女龍王と言えば、八大龍王の一柱、娑竭羅サーガラ龍王の三女で、わずか八歳と言う年齢でありながら、法華経の中で、ただ一人、悟りを開き、成仏すると言う、龍女成仏のお話で知られております。


今回は、みなさんも、興味があるでしょう、龍について、色々な、お話をお伺いしたいと思います。


それでは、善女龍王さん、よろしくお願いします。


「よろしく、お願い致します。」


さて、早速ですが、善女龍王さん、龍とはどのような、存在であるのか、ご説明して頂いてもよろしいでしょうか?


「精霊としての龍や、神としての龍。更には、龍使いとしての龍。」


「龍にも様々ありますが、今回は、我々、龍族について、語る事に致しましょう。」


はい。

それでは、よろしくお願い致します。


「そもそも、龍とは、修行を意味するものであり、我々龍族は、何千年と言う、長きに渡り、自然界で修行を行うものなのです。」


ほう、それでは、龍は、何の修行を行っているのですか?


「森羅万象に宿る、即ち大宇宙のことわりを感得する為の修行です。」


それは、つまり、大自然、そのものになる為の修行と言う事ですか?


「そうです。」


「ですから、湖や、池、或いは、川や水脈、大海、火山など、そうした場所を、龍は住処とするのです。」


「そして、一切の感情を滅し、自然と共にある修行を龍は行います。」


なるほど、そうなんですね。


「ただ、そうした龍も、人の悪相念に影響を受けてしまう事があります。」


すると、どうなるのですか?


「自然の摂理に、違反する行為を行うようになるのです。」


「干魃や、水害など、そうした災害は、人の相念に影響を受けた龍によって、引き起こされる事があるのです。」


なるほど。


「特に、東西に長く伸びた日本列島は、巨大な龍体である為、龍と関わりのある者は多いのです。」


なるほど。


では、そうした自然界での修行を終えた龍は、その後、どうなるのですか?


「場合にもよりますが、人の肉体に宿る事もあります。」


ふむ、つまり、龍が、人になるのですね?


「そうです。しかし、龍の一生は、人の肉体に宿りながらも、この物理的な次元を極める事に費やされます。


「即ち、修行が目的になるのです。」


はあ。

結局のところ、人になっても、修行するのが龍なんですね?


「龍の目的は、肉体に、宿る事ではなく、人と成る事です。」


それは、つまり、人の肉体に宿っただけでは、人とは呼べないって事なんですか?


「人とは、一から十までの完結した存在を、ひ(一)と(十)と呼びます。

ですから、八や、九では、人とは呼べないのです。」


確かに、そう言われてみれば、 九頭龍や、八大龍王など、龍には、八や九に纏わる名前が、多い気がしますね。


「しかし、龍が、人の肉体に宿ると言う事は、本当に、ただそれだけで、かけがえのない素晴らしい経験となるのです。」


そうなんですか。


「龍が、人に転生すると、その多くが、女性として生を受ける事になるでしょう。


では、龍には、男性は、いないんですか?


「性別的には、男性であっても、龍が肉体に宿るのならば、内面的な要素は、女であるのです。」


「元々、龍とは蛇であり、蛇は、かつての地母神なのですから。「


「その為に、龍からの転生者は、その土地が持つ意識の媒体になる事が多く、その土地の苦しみを引き受けるのです。」


なるほど。


では、龍からの転生者は、どこかしら、外観などに、龍としての特徴が出たりするんですか?


「そうですね。全てがそうとは限りませんが、多少なりとも、影響は出るものです。」


それは、どう言った特長ですか?


「まず、龍の性質として、霊能が非常に高い事が挙げられます。」


ああ、それは何となく分かります。


「龍は、もともと、自然界で、森羅万象の働きとして、存在していたのですから、そうした能力が高いのは、当たり前と言えば、当たり前なのです。」


「ですが、そうした霊能が高いが故に、龍からの転生者は、猜疑心が強い上に、嫉妬深く、狡猾で、自尊心が高いのが特徴です。」


そうなんですか?


「そうした特徴を持っている者は、多いですね。」


「一般的に、龍には、三熱と言う、穢れがあると言われます。」


「この穢れを払う為に、龍は、常に水を欲します。」


その、三熱とは何ですか?


「三熱とは、龍や蛇が受ける、苦しみの事です。」


「一つに、熱砂に身を焼かれる事があり、一つに、悪風が吹きすさんで住居、衣服を奪われる事があり、一つに、金翅鳥 (こんじちょう) に食われる事があります。」


「こうした、障りは、龍からの転生者の波乱に満ちた人生を物語るものです。」


「龍は、そうした高い能力を持つが故に、人に、依存され、嫉妬され、また、高過ぎる自尊心を持つが故に、それを許してしまうので、その身に、穢れを受けてしまうのです。」


「過去世において、大きなトラウマを抱えている者も、少なくはありません。」


ああ、だから、龍は、猜疑心が強く、嫉妬深くなるんですね?


そう言えば、愚痴の龍女と昔から、言いますものね。


「基本的に、龍は、執着が強く、執念深いが故に、孤立し易いものです。」


「ですから、龍が人の肉体に宿る意味とは、そうした偏りを矯正する為でもあるのです。」


「いくら霊能が高かろうが、人格も同じように高いとは限らないのですから。」


なるほど。


「龍が、この物理次元との上手な付き合い方を知らぬと、そうした自分や他人に害を為す悪感情に溺れてしまいます。」


「ですから、龍は、そうした激しすぎる感情の扱い方を、この物理的な次元で学び、内面的な偏りを矯正する。その為の人生となる場合が、多いのです。」


ふむ。


「そもそも、龍は、アップダウンの激しい、苦難の道を歩むのものです。」


では、そうした、龍の苦難を取り除く事は可能なのでしょうか?


「龍に纏わる、宿命的なものは変えられませんが、苦難を和らげる事は可能です。」


それは、どうすれば?


「そうですね。精神と言う、肥沃で広大な畑に、嫉妬、傲慢、執念深さと言った雑草が生えたなら、すぐに引き抜く事です。」


「長く根付かせてしまえば、引き抜く為に非常な労力を要します。」


「雑草が、精神にはびこり、根が深くなればなるほど、畑は痩せて、あらゆる問題が深刻になり、複雑化してしまいます。」


「ですから、そうなる前に、雑草を取り除くのです。間違っても、雑草には、養分などを与えないように。」


「その方法でしか、龍の苦難を取り除く事は出来ません。」


なるほど、分かりやすい説明でした。


他には、特徴はありますか?


「そうですね。龍は、外観としては、こうした特徴があります。」


「まず、顔つきですが、龍は美しさの象徴ですから、人であっても、美人な方が多いものです。」


「目力が強く、頬骨や顎骨が張り出していたり、目が窪んでいるのが、龍女の特長です。」


ほう。


「更に、龍からの転生者は、そのほとんどが、尼や巫女、カウンセラーやセラピスト。そして、教育や介護、或いは医療関係者など、他人に奉仕する事を目的とした職に就きます。」


「好む好まざるに関わらず、宿命的に、それをやらざる得ない状況になる事が多いてしょう。」


それは、何故ですか?


「それは、先程も、簡単に説明しましたが、人としての生き方を学び、自身の男性性と、女性性を統合させる事が、龍の真の目的だからです。」


「人に奉仕する事は、その者の、もっとも許し難い側面を、許す上での手助けとなるでしょう。」


「認める事が出来ず、許す事の出来ない側面とは、自身の内面に潜む、未だ付き合い方を知らぬ、真なる己の姿です。」


「そうした己の姿を、直視し、癒し、理解すればする程、内面の分離した男性性と、女性性の統合は進みます。」


ああ。

そう言えば、龍女成仏の説話で、変性男子と言う考え方が、ありますよね。


龍は、成仏する際に、男性に変化すると言う。


「そうですね。あの説話は、龍に限らず、成仏する為には、己を縛るカルマを解消し、自身の内面の男性性と、女性性を統合させる事が必要となります。」


「それを示唆しているのです。」


そうしなければ、龍は成仏出来ないのですか?


「龍に関わらず、誰でも、自分自身を極めれば、この世は卒業です。」


「しかし、先程も申し上げたように、龍とは修行の身の上です。

ですから、女としての幸せを得られない人も多いのです。」


しかし、龍女は、皆が似たような問題を抱えていますよね。

多分、このお話は、余りにも専門的過ぎると思いますから、当事者以外には、ちんぷんかんぷんだと思います。


しかし、恐らく、この話が心に刺さると言う方もいらっしゃると思うので、その辺り、何故、龍女は、同じような問題を抱えいるのかと言う事を詳しく、説明して頂きたいのですが。


「分かりました。

龍とは、実は、かつてこの世界に存在した、今は海に沈んでしまった、失われた大陸に、深い縁を持つ者達なのです。」


「人の集合意識とは、深くなればなる程、自他共に区別がなくなっていくものです。」


「龍女とは、そうした集合意識の中で、お互いが縁で繋がっており、その失われた大陸が海中に沈んだ時に作られたカルマの解消に、当たっているのです。」


ははあ、だから、同じような問題を抱えているんですね。


「先程、申し上げたように、猜疑心が強く、嫉妬深い上に、計算高い者が多いのが、龍の特徴です。」


「そうした、性質により龍は、孤立に陥り易く、また一人を好むものです。」


「しかし同時に、気位が高く、優しいのも龍の特徴なのです。」


「そして、龍女とは、縁により集合意識下では繋がっていると申し上げましたね。」


はい。


「もしも、その中の一人でも、カルマを断ち切る事が出来たのなら、それは、そうした縁で繋がる他の龍女達にも影響を与えるのです。」


ああ!分かりましたよ。


縁で繋がった、他の人のカルマの解消も楽になるんだ。


違いますか?


「その通りです。」


「ですから、もう一度、自身の望む、本当の幸福とは、何かについて、考えて頂けたらと思います。」


本当の幸せですか。


「龍には龍の幸福があり、人には、それぞれ独自の幸福の形があります。」


「そして、誰の幸福も、己の人生を生き抜く事であり、それが、この世を極めると言う事になるのです。」


「それが、龍女成仏の説話の全てです。」


ありがとうございました。


今回は、素敵な、お話で、時間が過ぎるのが、あっと言う間でした。


「こちらこそ、素晴らしい時間が過ごせました。」


さて、それでは、時間となりました。


如来ストリーム、次回、またお会いしましょう。

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