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如来ストリーム  作者: 古屋裕
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如来ストリーム サタン

挿絵(By みてみん)


やあ、皆さん、こんばんは。


素敵なゲストと楽しい時間をお届けする、如来ストリーム。


さて、今回のゲストは、ちょっと意味深ですね。


この方の登場で、リスナーの皆さんが、引かないかと、心配になりますが、何はともあれ、この方を紹介しましょう。


全世界を惑わすと言う、悪魔サタンさんです。


それでは、サタンさん宜しくお願いします。


「ふふふ、どうぞよろしく。」


さて、今回の配信に、サタンさんが、登場するに至った経緯を教えて頂けませんか?


聞いたところによると、プロデューサーが直接、サタンさんに依頼したと伺ったのですが。


「そうです。私は、彼から、直接依頼されて、この場にやって来ました。」


「彼は、私に、人の内面で起こり得る、私の働きに対して説明するよう言ったのです。」


つまり、悪魔の働き、ですか?


「ふふ。そうです。その通りです。」


「つまり、この配信は、私の働きによるものと言う事を詳しく説明するようにと、彼に言われたのですよ。」


この配信が、あなたによるもの?


「そうです。」


「この配信は、私の働きによって書かれている部分が大きいのです。」


う~ん。


そう言われてしまうと、リスナーの皆さんが、引いてしまうと思いますが、この配信が、あなたの働きと言うのなら、それは、どう言う意味なのか、詳しく説明して頂きたいと思います。


「つまり、彼は、自身の内面と現実のギャップに、違和感を感じています。」


「そうしたギャップを埋める為に、彼は、知恵を働かす。」


「要するに、彼は、そのギャップを埋める為に、神や仏を利用したのです。」


それが、悪魔の働きによるものなんですか?


「違うのですか?」


「もうお分かりでしょう?

私と神は、常に共にある為、決して離れる事がないと言う事を。」


しかし、悪魔は、この世界を混乱させる為に働いているのでしょう?


少なくともこの配信の趣旨は、混乱させる為ではなく、調和を目的としている筈ですが。


「調和しない事を、私の所為にするとは、心外ですね。

私は、その者が、真理を見つけ出せるようにと、手伝ってさえいるのですが。」


それでは何故、世界は世界は混乱するのですか?


「ははは。それは、真理に人が群がるからでしょうね。」


「そして、その群がる人々を見て、こう考えるようになるのです。」


「その真理を利用して、人より優位に立ちたい、人を支配したいとね。」


あ~。つまり、この配信には、そうした隠された意図があると?


「いや、せっかく、そうした力を与えてあげたのに、残念ですが、彼は私の存在に気が付いてしまいました。」


「なので、彼は、そうした悪魔の働きが、誰の内面にも存在している事を伝える事にしたのです。」


「そして、輝いていた真理が、その働きによって、いかにして汚されていくのかを、私に説明させたかったのでしょう。」


「本来なら、彼自身が、彼の言葉で述べれば良い事なのです。」


「しかし、それをしないのは、自分で責任を負うのを恐れていて、そうした神や仏と言った威光を利用する事で、言葉に説得力を持たせ、その上で、責任を自分から逸らせようとしたのでしょう。」


そうなんですかね。


「ははは。そうですよ。そもそも、彼は、姑息で臆病なのです。

しかし、残念な事に、誠実ではあったようだ。」


「だから、自分の内面にある、卑怯な部分を曝け出さないのは、フェアじゃないと考えたのでしょう。」


「そんな自己満足に、何の意味があるのか、私には到底、理解出来ませんがね。」


「しかし、そんなものの為に、わざわざ、この私を、この場に呼び出したと言うのですから、笑ってしまいます。」


なるほど。


しかし、考えてみると、あなたは、悪魔なのに、随分と親切なんですね。


「ふふふふ。それは、そうでしょう。」


「誤解されているようですが、悪魔は、例外なく、親切だし、愛情深いものです。」


「ですから、私の誘惑に勝てずに、人はすぐに、その精神を眠らせてしまうのです。」


「そうして、私の囁く言葉を正当化させる為に、あらゆる手を尽くします。」


「愉快ではありませんか。」


う〜ん。しかし、サタンさんが、この配信に登場する事は、サタンさんにとって、不利になる事では、ないのですか?


自分の手の内を、晒すような真似もしていますし。


「なかなか、面白い事を仰る。

こんな事で、私の何が不利になると言うのです?」


「断っておきますが、私が神の敵対者など、とんでもない誤解です。」


「神は、こう仰られました。

求めよ、さらば与えられん。叩けよ、さらば開かれん、と。

私は、それを忠実に守っているのです。」


「ああ、一つ良い事を教えてあげましょう。

ああ、これは、とても良い事です。

世界を混乱させる為に、もっとも有効な方法なのですから。」


それを聞くのは、怖い気もしますが。

せっかくですから、お話下さい。


「良いでしょう。」


「それは、愚か者の求めに応じる事です。」


「あははは。求めよ、さらば与えられん。

叩けよ、さらば開かれん。」


「愉快だと思いませんか?

愚か者に、求めた力を与えるだけで、世界など簡単に混乱するのですから。」


……。


分かっていた事では、ありますが、あまり気分が良い話ではなかったですね。


「ふふふ、こんな言葉があります。

賢者は愚者からも学ぶが、愚者は賢者からも学ばない。」


確かに、言い得て妙ですね。


「そうでしょう?そうした愚か者など、探さずとも、掃いて捨てる程いるのですから。」


「なので、私は何一つ困らないのです。」


ふむ。今回は、サタンさんにお越し頂き、心の中に潜んでいる悪魔の働きについて語って頂きました。


願わくば、悪魔の思い通りになど、させないように。


「ふふん。改めて言いますが、悪魔は神と共にあります。

神が無ければ、悪魔もないし、悪魔がなければ、神もない。」


「その人が、望む望まないに関わらず、この世界には、純然たるヒエラルキーが存在します。」


「なので、悪魔の権限を侮らない事です。」


最後まで、ご親切にどうも。


それでは如来ストリーム。


次回も、お会いしましょう。


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