表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/23

スライム3人娘

ブクマと評価ありがとうございます。

励みになります。

「ここは名もなき森-西です。」

他の魔物(モンスター)を探すため再び森を探索する。

「走るスピードを上げるぞ。無理そうなら言え」

「平気〜」

怪盗少女に擬態した状態の改造スライム「レッド」と共に時速100キロは出てそうなスピードで森の木々の間を抜けるが、レッドは「ピョンピョンピョーン」と口で言いながら余裕で着いて来ている。やはり高性能だ。


少し探索すると……緑色の小人が3匹ほど居るのを見つけた。

「おや、あれも魔物(モンスター)か?」

「ゴブリンだね〜」

木の棒を持ったゴブリン達はこちらを見つけるとキィキィ喚きだした。

「ふむ。捕縛(バインド)転送(ファックス)

俺はちゃちゃっとゴブリンを基地に送る。で、基地内に各部屋の作業員がいる状態だとコンソールで遠隔操作が出来るのでその場で早速ゴブリンの改造をしてみると……


「ゴブリンの改造は普通だな。」

ゴブリンは軽微な改造容量しかないようだ。筋力増加や知能増加などのたむ日本で簡単に捕まえられる野生動物と同様の改造しか出来なかった。

「ゴブリンを強力な改造生物(モンスター)にするには数が要るな。まあ他に単純作業員か雑兵にする方法もあるからそっちのがベターか」

「ふむふむ、ほーん」


俺は出会った魔物を片っ端から捕まえた。ゴブリンの他にもコボルト、オークなどのモンスターを捕まえては改造を試したがゴブリンと同じ感じだった。

だが時たま力の強い魔物もいた。俺はオーガに「捕縛(バインド)」をかけたが「ウガー!」と叫んで捕縛(バインド)を打ち破られてしまった。捕縛(バインド)の原理は物理的なものだからな。

オーガは俺に棍棒を振るうが「自動(オート)障壁(シールド)」が棍棒をガギンと弾く。俺はオーガに対して「睡眠(スリープ)」をかけるとオーガはぐうぐう寝始めた。これは化学的な技の1つだ。言ってしまえば睡眠ガスだが。

俺はその後オーガを捕縛(バインド)すると基地に送り改造を試したが……ゴブリンと同じ感じだった。

「またハズレか。」


俺が欲しいのはレッドのような改造容量の大きい魔物(モンスター)なのだ。レッドを作る時はたった1匹のスライムで万能で強力な改造生物が作れたのに他の魔物は正直雑魚ばかりだ。

「お前は何でそんなに高性能なんだろうな?」

「ん〜? なんでだろ〜?」

そう言えば200匹を超える魔物を捕まえたがスライムには再び出会わなかったな。スライムは希少(レア)魔物(モンスター)なのだろうか。

「お前と同じスライムの魔物はこの森に居るのか?」

「ボクの知ってる友達2人がスライムだよ〜」

「ふむ。何処にいるかわかるか?」

「こっち〜」


レッドに着いて行くと、

「ここは名もなき森-北です。」

と、コンソールに表示された。

そして案内された場所に行くとスライムが居た。名前は「はぐれバブリースライム」だ。レッドのはぐれスライムのようにプニプニした球体では無く、ドロドロとした液状のスライムだ。と、そのスライムは俺を見るとピュイ〜っとすごい速さで逃げ出した。あの溶けたアイスクリームのような形状の物体が素早く動く様はちょっとキモい。

「あの子は逃げると必ず行く場所があるの〜」

「ほう。ではその場所の案内を頼む。」


そこは小さくて浅い洞穴だった。その中にプルプルと震えているスライムがいるのが見える。こちらに気づいていない状態の今なら、

捕縛(バインド)

はぐれバブリースライムの動きが止まった。

「希少魔物ゲットだな。転送(ファックス)

はぐれバブリースライムを基地に送った。


「改造の程は……中々に良いじゃないか!」

レッドと同様に、高性能な改造生物が出来そうだ。俺は改造内容を決めると実作業はレッドの分体に任せてもう1匹の友達スライムの居る場所へ向かった。


「ここは名も無き森-南です。」

もう1匹のスライムは……ちょうど捕食中の場面に遭遇したようだ。そのスライムは体の一部を針のように鋭くして小動物を突き刺し体に取り込んで消化していた。名前は「はぐれニードルスライム」だ。

「はぐれとあるから、やはり希少魔物なのだろうな」

はぐれニードルスライムは俺を見つけると好戦的にも俺にそのニードルを向けて「刺すぞ」とアピール動作をしてきた。

「戦わず逃げた方が良い力量差だと思うがな。捕縛(バインド)

はぐれニードルスライムはニードルを俺に向けた状態でコテンと倒れる。

「まあ、逃げても変わらないか。転送」

で、やはりはぐれニードルスライムも高性能改造が出来た。俺はほくほく気分で改造を進めた。


あとこの森は200を超える数の魔物を捕獲したが支配地域とはならなかった。マップを見ると「名も無き森」と表示はされるがまだ魔物という「敵生体」が随所にいるからか支配地域にはなっていない。全魔物を片付けでもすれば支配地域となるだろうが現状はかなり手間だろうから放置だ。



俺は基地に戻り改造が済んだスライム達に話しかける。

「気分はどうかな? 2人とも。」

(気分は……普通です……ヴァイスクラウド様)

はぐれバブリースライムを改造した青色のスライムがもじもじと言う。

(何これ! この体すっごいね! ヴァイスクラウド様!)

はぐれニードルスライムを改造した黄色のスライムがはしゃぎながら言う。

「それぞれ擬態してみせろ」

(はい……)

(はい!)


はぐれバブリースライムの方からは……黒のボンテージスーツを身につけて青いショートの髪に黒いカチューシャをつけた女の子が現れた。大人しめの感じの子だ。

はぐれニードルスライムの方からは……同じく黒いボンテージスーツを身につけ、黄色い髪をツインテールにしそれを黒のリボンで結んだ女の子が現れた。少々バカっぽい雰囲気の子だ。


「お前達の名前はブルーとイエローだ。これから帝国の為に働け。」

「……頑張ります。」

「オッケー! 頑張る!」

「このレッドと協力して励むように」

レッドに会わせるとキャーキャーいいながら久しぶりの再開だと喜び3人はもみくちゃになりながら抱き合っている。面白そうなのを配下にしたようだ。

で、3人はそれぞれ性格が違うが仕事をさせると中々連携が良かった。ブルーとイエローにも分裂の特性を付与したのでそれぞれ3色の小さいスライムを作り出して仕事をしている。

この基地の作業の手は十分な揃ったようだ。

「このアイテムなーに? ボタンポチポチッと。」

「キャー、まだ起動させちゃダメ!監視用なの!」

「……2人とも。……遊んじゃダメ」


レッド1人の時より3倍やかましいが。



#0001基地(名も無き洞窟) 本拠地

構成員4人

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ