超鈍感女の子 vs 俺様体育系?2
「ほれ」
あったかいご飯までプラスされて気分は御機嫌MAX
タク先輩様々
大好き
\(#⌒0⌒#)/
「…しっかり餌付けされちゃって」
みうが呆れて私とタク先輩を交互に見た
「先輩動物飼ってます?」
「犬が二匹」
「納得しました」
ん( -_・)??
今のみうの言い方って…微妙にきつくない?
タク先輩もみうに言い返してる感じだったし
…何か妙な雰囲気
まさか喧嘩じゃないよね
今度は私がみうとタク先輩を交互に見た
「まだ食いたいか?」
違うってば
…いや、ち、違わないけど、違うんだってば
「新入生歓迎はどの種目に出るんだ?」
タク先輩は俺様の顔で、当然のように話題を振ってくる
つい
「私はバレーでみうはバスケ、タク先輩は?」
って私も自然に聞き返してた
新入生歓迎球技大会は先輩達との親睦を深めるためにある、らしい?
「俺は総括だから基本出ない」
「…総…括?」
それは何ぞや?
「現場監督みたいなものよ」
キョトンとしてた私にみうが説明してくれた
なのにタク先輩ムッとした顔でみうを睨むし
「司令塔と言って欲しいな」
「能力未分析です」
真顔で言うタク先輩にみうは涼しい顔で言い返してる
気のせいか…2人の間で火花散ってないですか
…はは
この2人相性悪そう
お弁当が終わってからの騒ぎはめっさ大変だった
他のクラスからも出入口がぎゅうぎゅうになるくらいたくさん覗きに来たし
以外とタク先輩人気ある?
まぁ外見よりは優しいみたいだけどおじさんだよ
みんな分かって騒いでるのかな
私がタク先輩と付き合ってる噂は昼休みだけで学校中に知れ渡った、らしい
あちこちから刺さる視線がチクチク
みんな暇なのね
聞こえるように『あんな寸足らずのチンクシャ』とか言われるとマジムカつく
小さくて悪かったな
私が文句を言いに行こうとしたら、タク先輩が先に
「そのチンクシャに惚れたんだ、文句あるか」
待て
チンクシャって何よ
寸足らずも否定しないでチンクシャはないっしょ
てか…
タク先輩には私がチンクシャに見えるのか
何でそんなんに見える私とタク先輩は付き合う気になったんだろ
あんなにモテるんだから私を脅迫しなくてもお婿に行けるよね
何か…さ
何か考えてたら胸がチクンってなった
微妙に傷付いたかんね
放課後、みうと校門を出ようとしたら後ろからでっかい声で名前を呼ばれた
…この声は
うんざりして振り向いたらやっぱりタク先輩で
校舎の窓から体を乗り出してるタク先輩の姿を見たら知らずため息が出た
あにゃろ、絶対私を飼い犬と間違えてるだろ
みうにそう言うと、涙を流して爆笑された
「手、振ってるよ」
「無視」
わざわざ校舎からデカイ声で呼んだと思えば今度は手振りですかぃ
タク先輩は噂をおっきくして何したいんだろ
「そんなの深く考えなくていいんじゃないの
そうだ
くぅが振らないなら代わりに私が振ってやろ」
みうが振り向いて大きく手を振る
「あはは、めちゃ嫌がってるよ」
はしゃいでるみうを呆れて見ていたら、視界の隅に窓枠に寄り掛かってるタク先輩が映った
あれ?
マジ、な顔?
「おはょ~」
翌日
クラスの前でみうと別れて教室へ入れば、みんなは黒板を睨んでいた
「おはょ、どした?」
見れば球技大会のメンバーが書き出されていた
「リレーのメンバーが昨日練習中に怪我したんだ、当日走るのはムリらしい」
「リレーかぁ」
3学年合同のクラス対抗だから1年より上級生の方が俄然と力が入ってる
私も黒板を見てうーん
(´-ω-`)ン
「昼にクラスのタイム計るしかないか」
男子の提案にみんなも仕方ないかって渋々頷いた
お弁当を下げてきたタク先輩にもその話しをしたら
「ビリだけにはなるなよ」
何てニヤニヤ笑いやがる
知らないな
これでも幼稚園からずっとリレーの選手なんだからね
チビと速さは違うんだぃ
みうが可笑しそうにウィンクしてくる
(^_-)-☆
私もウィンク
(^_-)-☆
毎年選手の速さはクラストップのタイムだった
にゃほ
にゃ
「バレーと掛け持ちかな、それとも誰かにバレーを代わって貰う?」
あ
それ考えてなかった
てか選手私
横から
「くぅはちっちゃいからリレーだけにしたら?、その分アタッカー増やせるし」
ムカッ
背がちっちゃくて悪かったな
これでもアタック打てるんだからね
…なのにバレーのメンバーから降ろされちゃった
みうに泣き付いたら私が出ないってホッとしてた
なして?
「くぅのランニングサーブは反則でしょ、あんなの普通とれないから」
「あれはねぇ、シオジー直伝なんだ、簡単にとられたらショックです」
( ̄m ̄*)V
「バレー部長の塩谷に教わったの?」
「ぅん」
「だからあんなに強力なわけか」
もっと話してたかったけど2人とも球技大会の練習があるから、バタバタ着替えて私はグラウンドへ、みうは体育館へ猛ダッシュ
リレーの顔ぶれを見てたらタク先輩が同じ色のゼッケンして歩いてきた
「くぅが走るのか」
「ぅん、クラスタイム一位だもんに」
あれれ(・。・)
「タク先輩ランカー?、現場監督じゃなかったの?」
「く~ぅ~(怒)」
やっぱ口は災いの元じゃあぁ~
学習能力ないのか私
何回か本番を想定して走ってみたけど
ん~( *^)/☆(+。+*)ン
どうしても次の人とのバトンの受け渡しが上手くいかないょぉ
私のとこでガクンとタイムが落ちてるって、計ってた人に怒られちゃった
タク先輩はタイムの表をざっと見てメンバーをぐるっと見回すと
「くぅと次、順番代われ」
ってあっさり言った
???
そんなんしたら私が渡す相手ランカーのタク先輩になっちゃうよ
私がおたおたしてる間に、タク先輩はランナーの2番目と3番目も当然のように入れ替えた
タク先輩、目が真剣だ
頑張らなきゃ
緊張して固くなってる私に向かって、タク先輩は俺様な動作で屈むと素早く耳打ちしてきた
「くぅ、バトンゾーンでスピード落とすなよ
俺のこの手だけ見てバトンを渡せ」
「…はい」
凹みながらももう一回メンバーで走ってみた
タク先輩上手い
「くぅ」
受け取るタク先輩の手がぶれないから私は迷うことなくバトンを手渡せた
「いいタイム出たよ~」
ストップウォッチで計ってた人が嬉しそうにタク先輩へ駆け寄った
「愛の力だ(笑)」
タク先輩は私に向かって大きくガッツポーズをしてみんなを笑わせる
「タクふざけすぎ、どう見てもタクとあのおちびちゃんじゃ釣り合わないわよ」
グッサー
それでなくても凹んでるのにだめ押ししないで欲しい
周りからも
「そうよねぇ」
なんて言って頷かれちゃうし
…はぁ
「お前なぁ
くぅ泣かせたら女でもしばくぞ(怒)」
…ははは
愛犬撫でるみたいに私の頭撫でるのはナシでしょ
タク先輩は飼い犬と私ごっちゃにしてるのね
何か…凹むな
いけません
充電切れました
気まずい空気のまま解散、何かを言う元気もなかった
制服に着替えてみうを待つ間、ぼんやりしてた
何回も思ったけど、何で私なんだろ
…あれ(・・?)ン
お婿にしろとは言われたけど付き合えとは言われてないような…?
あれれ(;゜∇゜)ン
なぁんだ
それなら周りに言わせとこ
大人になるまでにはタク先輩のインポも治るだろうし、深く考えなくても解決するじゃん
そう思い当たったらスッと気分が軽くなった
みんな中学くらいから急に私の彼氏とか俺の彼女とかなってさ
なのに何でか私には彼氏出来なかったんだよね
高校入ったら絶対作るんだって決めてたけど、ガク先輩奥さんいるとかだし
こんなめんどくさいならもう3年間いなくてもいいや、とか思っちゃう
そんな事ぼんやり考えてたらみうが帰ってきた
「リレー終わるの早かったね、こっちはパスミス続きで全然ダメだった」
私もリレーの話しをしたら
「そんなのこっちから振っちゃいな
彼女も庇えないの男として最低だから」
ってみうも真面目に怒ってた
みうが来るまでに考えてた話しもしてみたら
「残念だけどそれはムリだと思う」
「何で?」
「だってタク先輩みんなの前で彼氏宣言してるじゃん」
「だからそれはぁ」
当の私は言われてないって全力で言っても、みうはうーんと考えてた
( ̄~ ̄;)ン
考えてるみうを引っ張って更衣室のドアを開けた
「どっちにしたってタク先輩には私は彼女じゃなくて犬に見えてるんじゃん、彼氏じゃなくて飼い主?、そんなん彼氏じゃないから」
それが私の本音だった