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第六話 秩序こそ人間の礎。

仕事のピークも過ぎて来てまた小説を書く時間が段々と取れるようになりました。


労働時間と給与明細の時間があってない気がするんですが、これってサビry


ん?サビがどうした? また追っかけのアイドルの話か? バカ言ってないで仕事しろ。


あ、はい。

 俺は今最高に狂っているのだろう。

 狂いすぎて最早外見からは菩薩の如き微笑みをたたえている事だろう。


 おい。


 お前の言いなり通りに買った戦士。


 死んだんだが?


 ちょっと校舎裏までツラ貸せや。


「弁明の余地を与えよう」

「誠に遺憾である」

「つまり悪いと思っていないと言う事ですね?」

「どこまでが悪いかと言うのは個人的な主観によるものであって一般的には明確に存在しない」

「完全に政治家の逃げ口上ですよね?」

「そのようなことは記憶にございません」

「殴っていい?」

「やめて?」


 なんで疑問形なんだよ!

 明確にお前が悪だよ!

 ちょっとマネージャーどうなってんの? 監督不行届け出して訴えますよ!?


「真面目に行こうか」

「はい」

「お前嘘ついたな?」

「……記憶に」

「嘘ついたな? ん?」

「想定外の事態が発生したためにございまして」

「想定外ってあれか、槍か?」

「槍です」

「あれどうやって倒すの?」

「そのことなんですが……」

「何?」

「社会制度の欄にあるんですよねぇ」


 社会制度のウィンドウを眺める、そこにはこう書かれていた。


 【現在の社会制度は法の誕生を取得しています】

 【軍事】

 ・規律(蛮族相手に+5の補正)

 ・測量(偵察ユニットに2倍の経験値)

 【経済】

 ・王(首都に信仰+1と換金に+1の補正)

 ・都市(産出力+1の補正)


 【次の取得できる社会制度は以下の制度です】

 ・職人(100万ドス)

 ・貿易(100万ドス)


 うん、規律取っておいた方が良かった。

 でもこれってさっきの戦闘前にも教えてくれても良かったことだよね?

 これギルティじゃね?


「なんで最初に言ってくれなかったの?」

「行けるかなーと」

「そのせいで50万ポンっと消えたんだが」

「そっかそっかぁ、次頑張ろう!」

「うん頑張る!……って謝れや!」

「誠に」

「遺憾だねぇ!?」


 仕方ない、過ぎてしまったものは取り返せない。

 早速、制度を規律セットしておこう。


【軍事に規律がセットされました、蛮族に対して+5の補正がつきました】


 よしこれでいいだろう、それにしても+5の補正ってどれくらいなんだろう。


「ホリ夫、+5ってどれくらいの補正になるんだ?」

「ワンランク上の兵種に勝てるくらいの補正にはなるわ」

「じゃあ、戦士で槍兵に勝てるってこと?」

「そうね、でもついでだし弓兵を買う方がいいわ」

「弓兵?」

「テクノロジーの弓術を取ると生産できるようになるわ」

「あぁ、あれか」


 テクノロジーの欄をチェックする、確かに弓術への選択肢が存在した。


【弓術を取得しますか?】


 テクノロジーの欄に手をかざすとメッセージが表示された。

 そのまま承認しようとしたが次のメッセージで一瞬手が止まる。


【弓術の取得には100万ドスかかります】


 おいこら待て、だから高いんだって。


「100万ドスって……」

「今度は本当、弓兵は本当に強いから信じて!」

「本当に?」

「本当よ!」


 両手を胸あたりまで上げて俺に上目遣いで訴えてくるホリ夫。

 豊満なゲフンゲフン、見事なアルプス山脈だ。


 罠しかないのは理解している、だがな諸君。

 理屈ではないのだよ。


「デュヘヘ、仕方ないなぁ〜弓術取っちゃう!」

「(こいつちょろいな)」


 なんか闇の声を聞いた気がするが気のせいだろう。

 僕のホリ夫は清純派ですからね。


【弓術の解放、次のテクノロジーの選択肢が増えました】

 ・陶器(50万ドス)

 ・採掘(50万ドス)

 ・騎乗(500万ドス)


【弓術解放に伴い、軍隊ウィンドウに弓兵が追加されました】

 ・弓兵(80万ドス)


 よしよし、追加されたか……分かっていたがたけぇ。

 戦士の1.5倍なんですけど!?

 嵌められた感が半端ないんだが。

 もうなるようになるしかない、買ってしまえ。


 俺はその場の勢いでまたしても弓兵を購入した。

 現在のこりドス472万ドスか……。


【お知らせです、順位の変動がありました。7位と8位が入れ替わりました】


 …………最下位になってもうたぁ!

 マネージャーの機械音声で告げられる事実。

 お前最下位な。


 これはきつい、順位が入れ替わると発表されるのか。

 学校で成績をみんなの前で告げられる憤死イベント並みの極悪設定だな。

 まぁ私はオール0点保持者だったので痛くも痒くもなかったですが。

 寧ろあいつやべぇ認定されてましたが何か?


 ……真面目にやるか。


「フゥ……所詮お金は天下の回りものよ」

「金と子供は片回りとも言うがな」

「やめて、どマイナーなことわざ使って攻撃しないで」

「怒った?」

「怒ってないよ?」


 う☆そ、もう怒ったぞ! この怒りは蛮族どもを駆逐することで解消するとしよう。


「弓兵よ! 蛮族を滅ぼしてしまえ!」


 ははは! 蹂躙せよ! 聞こえてないけど。

 弓兵たちはマイペースに森奥へと侵攻していく。

 前回戦士が全滅しているので、村の人々からお守りを貰い、総出を挙げての出兵だった。


 蛮族達は負傷した槍兵が居座ったままで変化はない。

 これはチャンスだ。

 弓兵たちが遠距離から奇襲に近い形で攻撃を加えた。

 社会制度の規律を取ったおかげか、散発的だった攻撃が集中して一箇所に攻撃を集めていた。

 複数の弓兵からの一斉掃射は見事な弧を描いて蛮族の槍兵の元に降り注ぐ。


 あっという間に槍兵達は殲滅されて文字通り一方的な蹂躙戦となった。


「弓兵つよ」

「ね? 言ったでしょ?」


 隣で一緒に見ていたホリ夫が得意そうに威張る。

 最初のミスは何だったのかと問い詰めたいが。


 素晴らしいヒマラヤ山脈だ。

 そりにそりまくってて流石神が住まう山なだけはある。


 と言うことで敢えて突っ込まずホリ夫の見事な山脈をガン見していた。

 いやーお父さん、なぜ人は山を登るのか分かったよ。


 そこにエロスを感じるから。


【蛮族の地を制圧しました、ボーナスとして20万ドスを支給いたします】


 蛮族を倒したらお金が貰えた、これは嬉しい。

 しかも20万ドスはかなりの大金だ。


 大金ですねぇ……。


 ……じゅるり。

 あぁイケナイ感情が湧き上がってくる。

 金は天下の回りものだって?


 何を言ってるんだい子猫ちゃん。


 金は蛮族から奪うもの……だろぉ?


「蛮族、蛮族はいないかね〜?」

「敵は〜狩るだけ〜」

「捨てられなくなった蛮族、狩り取ります」

「今なら見積もりも無料で診断しております」

「斥候!」

「アイアイサー!」


 おら、ワクワクして来たぞ!

 もう最下位だから斥候バンバン作っちゃうぞ!


【斥候を生産いたしますか?】


 勿論!


【5体生産で間違いないでしょうか?】


 オフコース!


「まとめて5体生産したぜ!」

「最下位後悔先立たず!」

「「武勇伝武勇伝武勇でんでんででんでん!」」

「レッツゴー!」

「アンちゃんカッコいい!」


 カッキーンッ!

 見ろよ俺の斥候ちゃんが血眼になって蛮族探してるゼ!

 残りのドスも297万ドスだゼ!

 フォーーーーー!!(意味のない昂りと軽い悲鳴)


 バンバン蛮族! 一本蛮族!

 なんか急に蛮族狩りたくなって来た僕ぅーーーーー!

 フォーーーーー!!(これはキチガイ)


 もう怖いものなどない、これフラグです。

 斥候達を野に放った後で斥候たちから送られてくる情報がマップ上にログとして表示される様になった。


 便利だなぁ、それに今迄見えなかったマップが開拓されていくのは新鮮で気持ちがいい。


 蛮族はどこだ?

 ログから齎される情報とにらめっこしていたとき。


 事件は起きる。


【他のプレイヤーと接触しました】


 我ながら思う、フラグの回収早すぎ。

 フラグさんはサビ残中でござったか。


 大丈夫だ、まだ慌てる時間じゃない。

 先ずは状況を確認しよう。


「ホリ夫」

「何?」

「なんか他のプレイヤーと接触したっぽい」

「え? 早すぎ!?」

「どうする?」

「うーん、ボコる?」


 脳筋の神がここにおったわ。

 これダメなパターンだわ、俺も偉人の言葉を借りて言うとしよう。

 右手の人差し指を胸より上に掲げて、全国民に対して言っていた。

 今はこのホリ夫のみが対象だが。


「CHANGE!」

「YES WE CAN!」


 あ、そう来ますよね。

 しかもぐうの音も出ない程の鋭角な切り返しきたわ。

 これホリ夫に口喧嘩で勝てるビジョンが見えないんだが。

 どうしよう、我ながら今のモノマネは結構似ていると思ったのに。


 これではただのピエロですな。


【プレイヤー間での交渉フェイズに移行します】


 こんなアホなやり取りをしている間にも事態は進んでいる。

 あわわ、どうすっぺこれ。


【このやり取りは相互プレイヤーのみの機密性の高い情報交換となります】

【相手の情報を提示。茜&Zulfiqarペアです現在の順位は7位です】


 7位って…………500万ドスの方?

 あっれまぁ、最下位と最初に出会うなんて。

 いや最下位は俺でしたね、すいません。


 この展開どうなるんだろう、てか、どうすればいいの?


【交渉フェイズに入りました、画面に相手の容姿が写ります】


 まぁ、鬼が出るか蛇が出るか運だめしと行こうか。


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