第五話 お隣の蛮族がアップを開始しました。
ごめんなさい遅くなりました。
原因は時間泥棒のせいです。
この小説書くにあたって6をやってなかったことに気づく。
あれ面白いね、時間が飛んで消えてったよ。
それと蛮族強すぎ。
【次のテクノロジーが解放可能です】
・陶器(50万ドス)
・家畜(50万ドス)
・採掘(50万ドス)
【初期社会制度解放】
・法の誕生(初期制度)
【次の社会制度が解放可能です】
・職人制度(100万ドス)
・貿易(100万ドス)
【あなたの幸福度は現在0です】
【宗教はまだ創始されていません】
【傾向は中立です】
なんか立て続けにババッと声が聞こえた。
今宣言された情報は自分の透明なステータス表記から確認が可能になっている。
俺たちはと言うと、さっきまで地上にいたのに今は空中に浮いている。
どうゆう原理なのかは分からないが、俺の目の前にはマップとその手前には王様が座るような椅子が空中に浮いていた。
ここに座って操作しろと言うことなのだろう。
俺の作った村の人々はこの空中に浮かんでいる俺たちに気が付いていない。
認識がされない要素が盛り込まれている、ホリ夫が使った神の力と同様の効果だ。
ホリ夫よりも範囲と空中に作っているだけで力の差が見えてくるが……。
実際に座ると、マップ以外にも360度様々な情報が浮かび上がってきた。
指で軽く触れるとどうやらそのウィンドウごと移動ができるようだ。
全体が大きなパソコンの画面のようになったと言えばわかりやすい。
そして神話時代で当たり前になっていたマップ表示が現在自分の保有している村しか見えなくなっていた。
え? なんで?
そう言えば機械音声がさっき言っていた気がする。
【マップの初期化を行います】
これか。
これのせいで世界地図が見れなくなったのか。
「せっかく大陸作ったらいきなりこれかよ」
「ねぇねぇ、早く村を大きくしましょう!」
「しかも一位とか無理ゲーだろぉ!」
「ねぇねぇ! 早くしないと!」
「どうすればいいんだぁ!」
「聞けよ!!」
隣で凄い美人が話しかけてくるんですよぉ。
な〜にぃ?! やっちまったなぁ!
男は黙って、ガン無視!
男は黙って!
「ねぇ聞いてんの!!」
俺の頬をホリ夫がつねってくる。
やや怒り顔の表情で。
……ご褒美ありがとうございます。
俺の精神が持たない。
オカマだと思っていたら美人だった。
なにを言っていると思うだろうが、俺もなに言ってるか分からない。
もう一度ホリ夫の方へ顔を向ける。
あ、やっぱ無理だわ、動機息切れが激しくなってきた。
「胸が苦しい……」
「救心飲む?」
「あ、飲むありがとう…………なんで持ってんの?」
「えーと、女子力?」
「女子力ぅ!?」
傷バンなら分かるが救心持っている女子は中々いないぞ。
なんとなく女子力の意味を間違えている気がする。
ツッコミはしない、さっきからニヤニヤしているホリ夫の表情から俺をからかっているのが分かる。
ここは一つお前に動揺していない事を教えてやらないといけない。
なんか癪だし。
こうゆう時は相手をさりげなく褒めるのが良いのだ、イケメンの極意は褒めにある。
そう俺はできる男だ。
「……なんか雰囲気変わったよね?」
「さっきまで剣だったからね」
「……その髪綺麗じゃん、染めた?」
「地毛ですが?」
「……めっちゃスタイル良いね、痩せた?」
「元からですが?」
「……今の発言は全世界の女子を敵に回したよね?」
「それ褒めてる?」
「どうせ整形だろ?」
「もうただの悪口だよね?」
あるえ? おっかしいなぁ。
少し美人になったからって調子に乗るなよ。
「ホリ夫がこの惑星の神様じゃないってどうゆうことだよ」
「え、とぉ。 私この惑星の正式な神じゃないのよね」
「それってさぁ、詐欺だよね?」
「……」
「神がそんな最低なことやって良いわけ?」
「……」
そうだ、畳み掛けてやる。
ここで立場を明確にしておかないとな。
「謝罪、足りないんじゃないか?」
「……」
「なぁ! どうなんだ?」
「……ぐすっ」
「おうおうおう! 謝罪をって……泣いてる?」
「……ひっく……ずず……」
「わぁ! ごめんごめん言い過ぎた! ごめんなさい!」
「ほんと?」
「本当本当!何でもするから!許して!」
「ん? 今何でもするって言った?」
「言った言った! ……あれ? お前泣いてなry」
「う☆そ!」
はめられたぁ!
そしてそんなはにかんだ笑顔されたら惚れてまうやろぉ!
俺のハートを粉々にするつもりですか!
いくらあっても足りません!
鼻血出てまぁす!
「本格的にやばい、ホリ夫がこんな可愛いなんて」
「まぁ一応神ですから」
「マジ可愛い」
「ありがとう」
「俺のどストライク」
「ありがとう」
「美人」
「ありがとう」
「結婚しよう」
「ちょっとなに言ってるか分からない」
「惜しい!」
「私的に暴投ですね」
「評価が厳しい!」
「冗談はこれくらいにして暴投だけに冒頭に戻りましょう」
「…………」
「てへぺろ」
「かわうぃうぃー!」
やばい脳が溶ける。
溶けきる前に本格的に冒頭の色々なメッセージを聞いた方が良さそうだ。
「テクノロジーって何だよ」
「テクノロジーはテクノロジーよ、人類が進化する要素」
「なに俺ってこの村育てるの?」
「そうよ、他の七人をゴッ倒すの」
「そのためにテクノロジー?」
「銃とか剣とか必要でしょ?」
「魔法は?」
「何言ってんの? ないわよ」
「無いの!? 異世界なのに!?」
「異世界に過度な期待しすぎです」
普通あるだろ、魔法がないのか、マジックだわ。
マジックはマジショックの略ね、どうでも良いわ。
他の要素も聞いておくか。
「社会制度は?」
「秩序を保つために必要、後は文明の礎かな」
「難しいな」
「簡単よ、社会制度がないと人は獣と同じ」
「うーん何となくわかった気がする、宗教は?」
「統制と支配」
「怖いな」
「事実だしね」
「幸福度は?」
「あなたは今幸せですか?」
「新手の宗教かな?」
「今皆さんに配ってまして、こちらの本をどうぞ」
「グレーだからやめような?」
「はい」
「傾向は?」
「自由で革新的なら創造、伝統を重んじるなら保守、真ん中は中立ね」
何となくだけど分からないことが分かった。
あれだ、完全に国を作れってお達しだ。
だから、これ勇者の範疇超えてるって!
国王とか帝王がふさわしい職業だよ!
「取り敢えず隼也は家畜とってよ」
「え、分かった」
言われるがままに家畜のテクノロジーを取得する。
自分の所持金額から50万ドスが消えて行った。
【動物に対して育成可能になりました】
【家畜を取得した為次の選択肢が解放しました】
・弓術(100万ドス)
お、なるほどなるほどこうやってテクノロジーを解放していけば俺の国が豊かになるのか。
ちょっと楽しくなってきたじゃないか。
しかし一つ疑問が、どうやって金を稼ぐんだ?
「ホリ夫、お金はどうやって稼げば良い?」
「働け」
「うんそうだね、お前今までのくだり聞いてた?」
「少年よ大金を抱け!」
「偉人に対しても喧嘩を売っていく!」
「換金すれば良いのよ」
「換金?」
「みなさい、ここに伐採された木があります」
「うん」
「こうするとお金になります」
「は?」
今目の前にあった木が一瞬にして消えた。
何があった? マジックか? こっちのマジックはそのままの意味な。
「何をした」
「換金した」
「ホリ夫絶望的に説明下手だな」
「考えるな感じるんだ!」
「だから偉人に喧嘩売んなって!」
「てへぺろ」
「かわうぃうぃ!」
「簡単に説明すると私が換金出来ます」
「それを早く言え」
俺の反応を上回るボケやめてくれないかな。
その後にも説明を聞いてみた曰く、村の人間達が生産したアイテムをホリ夫は換金する事ができるとのこと。
ただし、換金しすぎるとその分物資が無くなる為に村の発展が遅くなる危険があるとの話。
換金してテクノロジーや社会制度を取得するのが基本的な進め方だが、やり過ぎると最悪滅亡するから気をつける様にとホリ夫がいっていた。
程々に徴収して技術や制度に還元する感じか。
説明を聞いた感想としてはめんどくさい、これが俺の感想。
そう思うと一位の奴は相当なアドバンテージを持っていることになるのか。
勝てるのかこれ?
「いま7位だけど本当に勝てるのかよ」
「勝てるわ」
「その根拠は?」
「私たちには地形の把握が済んでいるのが大きいわ」
「へ?」
「最初、貴方が地形を作り出したでしょう? そして一番良い場所に村を作った」
「ああ、そうだな」
「他の七人はどこかも分からずに今必死に開拓しているはずよ」
「つまり?」
「私たちは今後開拓する上で失敗は限りなく少ない、そうでしょ?」
「なるほどな、確かにそう思えばお金の有無は吹き飛ぶか」
「まぁ、それだけじゃないんだけどね」
「どうゆうこと?」
「今に分かるわ」
意味深なことを呟きながら、それ以上の話はしてくれなかった。
仕方ないので俺は村人達の生活を観察していた。
ここの世界の住人は恐ろしい速さで行動し、1日が1分の速さ若しくはもっと早いかもしれない。
「俺たちがこうやって話している間にもすごい速度で経過していくな」
「そうゆう風にマネージャーが管理したのね」
「マネージャーすごいな」
「すごいんです」
えっへんと胸を張っているが君の力ではないよね?
でも張った胸が美しい曲線を描いていたので何も言いませんでした。
眼福です。
忙しない村人の様子を眺めていたら何やら村中が騒がしくなり始めた。
なんだ? なんかあったのか?
「なんだか村が慌ててないか?」
「第一の関門ね」
「関門?」
「蛮族よ」
「はい?」
なんて言ったこいつ? 蛮族?
えーと蛮族って、野蛮人ってこと?
俺含めて八人の他にも文明が存在するのか?
「蛮族なんているのか」
「最初はね、勝手に作られちゃうのよ」
「逞しいな」
「雑草レベルね」
「じゃあ処理しないとな」
「そうね、戦士を作りましょう」
「今なんて?」
「戦士を作りましょう」
「どうやんの?」
「そこの軍隊ってウィンドウにあるでしょ?」
「あ、本当だ」
右を見てみると確かに存在した、表示はこんな感じ。
【軍隊ウィンドウ】
【現在保有軍隊は存在しません】
【以下の軍隊を購入可能です】
・戦士(50万ドス)
・斥候(35万ドス)
・投石兵(40万ドス)
戦士たっか!
「戦士高くね?」
「でも一番効果的よ?」
「えぇ……」
「いいから作る!」
「はいはーい」
ホリ夫の言葉を信じて戦士を購入する。
筋肉モリモリマッチョメンがいた。
強そう(小並感)。
「確かに行けそうだ」
「でしょ?」
こっちに満面の笑みで返答するホリ夫。
悔しい、でも可愛い。
困ったな俺ってこんなに女に弱かったっけ?
「行け! 戦士よ!」
俺は戦士に蛮族の討伐を命令した。
実際には声をあげても意味はない。
戦士が勝手に蛮族の方向へと進んで行ったのだ。
気分だけだ。
そこ重要。
戦士は森にズンズンと進んでいく。
ようやく蛮族のいる地へと到達したようだ。
その蛮族なのだが。
・槍兵(蛮族)
槍兵? あっこれやばくね?
相手さんは槍を持った筋肉モリモリマッチョメンだった。
戦士は勇敢にも突撃する。
だが無常かな、槍の突きによって呆気なくやられてしまった。
おぉ……やられてしまうとは情けない。
いやそうじゃない。
俺が言いたいのはそこではない。
言いたいのは。
「蛮族強スギィ!」
最初の関門にしては難易度高すぎませんか?
【佐竹隼也】現在7位
種族:人間
職業:勇者
予算:652万ドス
時代:先史時代
宗教:未開放
状態異常:無し
傾向:中立
社会制度:法の誕生
テクノロジー:家畜
幸福度:0
目標 10ヶ月以内にトップリーグに入る事〈アンドロメダリーグ〉。
10ヶ月後の時点で保有ドスが一位になること。
現在 マゼランリーグ [4部リーグ]
不達成 無事死亡。