第二十話 御降臨。
続きです、遅くなり失礼しました。
「本格的に内政をガンガン進めるぞ」
マジで何でこんなに時間がかかるかなぁ。
内政ってもっと時間をかけずにポチポチと出来るものだと思っていたのに。
あれだけまったりと技術を獲得していたのに、俺の村は急激に発展を遂げていた。
自分の中でのまったりと、この世界の住人では時間にズレがある。
分かっていたつもりでいたが、どうやらちゃんと理解していなかったようだ。
陶器の取得、それはその名の通り陶器の作成が可能になったのだ。
大事なのはそれではなく、陶器に含まれていた可能となった技能が優秀だった。
陶器には小麦と米の生産が可能になるというもの。
この二つが生産できるようになった事は、村人の生活基準が大きく変わった。
陶器の取得により狩猟生活から小麦と米の農耕生活にシフトして行ったのだ。
狩猟生活で600人程だった筈の俺の村は、急激な人口の増加をしている。
画面の数値を見るとおよそ三倍の1800人ほどまで膨れ上がった。
これが1日の出来事だ。
技術の革新とは人々の生活模様まで変化させてしまう。
当然陶器の獲得により、人々は土器を製作可能となり。
冬を過ごすための暖かいスープの出現により、安定した冬越えができるようになった。
陶器一つだけにとってもこれだけの変化が起きた。
俺のとったもう一つの技術、採掘において一番の変化は、人々の森林への伐採がより効率よく、木材の取得が可能となった。
打製石器から磨製石器へと移り、黒曜石を使っていた我が村に。
銅がやってきた。
ここで言う銅とは赤銅、つまり赤土から取れるものを指しており、純度は最低のものを指す。
しかし、この粘土のような土には銅が含まれており、通常の土に比べてはるかに頑丈な武器と化す。
村の開拓が一気に加速して行ったのだ。
何気なしに獲得した技術はこうやって村の発展に大いに貢献していた。
「すげぇ、これが技術…………」
たった二つの変化は、みるみるうちに村の人々を変化させて行った。
俺は次の獲得可能な技術を見つめる。
次に獲得可能な技術
・石工(200万ドス)
・車輪(200万ドス)
・青銅(200万ドス)
・灌漑(100万ドス)
・筆記(100万ドス)
・騎乗(500万ドス)
俺の手元にはまだ2672万ドスもある。
全ての技術を獲得することができるのだ。
「取らない訳がないよな」
目の前の変化を見てしまったら人はその欲望に抗えない。
後ろでその姿を母のように見つめているホリ夫の姿など知る由もなく。
【技術を獲得いたしました、獲得した技術の一覧です】
・石工=石材の取得が可能、防壁が新たに作成可能となりました。
・車輪=車輪の発明、水車の建造可能。
・青銅=鉄の発見、銅の抽出および青銅の作成が可能、兵舎の設置が可能になりました。
・灌漑=沼地への開拓が進みます。また今までの米と小麦の収穫率が増加、安定した農作の実現。
・筆記=村人が文字を発明、それにより人々の知識の蓄えとした蔵書の作成が可能。都市の命名が可能に。
・騎乗=騎馬隊の作成が可能、馬舎の設置が可能になりました。
【こちらが獲得可能となった技術です】
・占星(100万ドス)
・漁業(100万ドス)
・通貨(500万ドス)
・建築(800万ドス)
・鉄器(500万ドス)
・歯車(800万ドス)
・鐙(1200万ドス)
………色々解放されたな。
なんか占星と漁業は安いからついでに取るか。
【占星と漁業を獲得しました】
・占星=暦の出現、時間の概念が生まれる。
・漁業=魚が釣れるようになる、簡易的な舟の作成が可能、沖までの航行が可能。
【解放された技術】
・天文航法(500万ドス)
・造船(800万ドス)
【取得により所持ドスが1172万ドスに変化しました】
【あなたは3位から6位に順位を落としました】
………一辺に落ちたか。
1172万ドスで6位と言うことは7位と8位のうち一人は茜さんでほぼ確定だろう。
もう一人はまだ所在の分からない不明ユーザー。
逆に言えばマッテオとフランチェスカさんは1172万よりも所持してるってことか。
俺の順位を知っている人間は警戒をするだろうな。
急激な順位変化をした俺を、どう受け止めるのだろうか?
軍備を整えたと思うのか? 技術を推進したと思うのか? 社会制度を革新したと思うのか?
俺だったら聞きに行くと言う選択肢もある。
情報を与えると言うのは危険な行為だが、今はなりふり構っている状況でもないだろう。
何せ中世まで進んでいる1位のオバマさんは所持ドスでいまだに1位を独走している状況だ。
底の知れない、あの人に勝たなくてはいけないのだから。
………その時はまたその時だ。
考えても仕方ない。
仕切り直して、村の様子をまた伺う。
そこには俺がいっぺんに取った影響で劇的な変化を起こした村があった。
「いやこれもう、原始人って呼べないだろ……」
つい昨日まで原始人ヨロシクな生活をしていた彼らは、文明的な生活へと変わっている。
石工の獲得により、家が変化したのだ。
藁や葉っぱで作られていた家は土台に石を、壁は木材を贅沢に使うように変化。
立派な建造物ができるようになった。
簡単な防壁も石工のお陰で作成可能となっている。
石を置くだけの作業だが、今まで壁を作ることの無かった村に自分たちの生存区域を示すようにぐるっと少し小高い石の壁が出現した、これで今ままで野生の獣たちに穀物を食われてしまう被害がグッと減ったのだ。
車輪の発明が実は一番シャレにならなかった。
人の発明で大きく分けると三大発明ってのがある。
それが火と通貨、そして車輪の発明だ。
この車輪のお陰で重くて持ち運べなかった石を運べるようになった。
木材の持ち運びにも車輪が使われ、効率が劇的に変化。
結局のところ防壁を作ろうにもその労力に結果が見合わなかったので村人が作ろうとしなかっただけなのだが。
それがこの車輪の発明によって移動はもちろんのこと。牛に引かせて労働力の確保。
食料の運搬と、多様に活躍してくれた。
車輪のもう一つの解放された水車の設置可能もさらなる農業の安定化に繋がった。
今まで人力で製作していた小麦の分別が水車と石の臼が解決してくれている。
ぶっちゃけこの二つの技術だけで人口の食料は大幅に、過剰な供給になっている。
子供の誕生が間に合わない状況になってしまった。
水車は米の生産にも役立った。
最初の水田に設置してより収穫増加が見込め、新たな場所での水田にも貢献した。
それは獲得した灌漑の技術が原因。
沼地への開拓ができるようになって、農地の拡大に制限がなくなった。
最初の頃には考えられなかったほどの大きな集落となっている。
その一方で取らなきゃ良かったなんて思っている技術もある。
騎乗だ。
勢いでこいつを取ってしまったが、ホリ夫から是非騎馬隊作ってくださいアピールがうざい。
チラッチラ目線をよこしてくる。
俺は仕方ないので軍隊ウィンドウを開いてみる。
【購入可能な軍隊一覧】
・戦士(50万ドス)
・斥候(35万ドス)
・投石兵(40万ドス)
・弓兵(80万ドス)
・new 槍兵(80万ドス)
・new 古代戦車(100万ドス)
・new 破壊槌(80万ドス)
・new ガレー船(80万ドス)
・new 騎馬(160万ドス)
「あれぇ? おかしいなぁ?」
なんか増えてらっしゃいますね?
槍兵、お前いつの間に作れるようになっていたんだ……。
弱いから取らないがな。
古代戦車ってなんだろう? 破壊槌は……破壊するんだな、何かを。
ガレー船って船だよね? 船、え? 作れんの? てかこれ軍隊なんだ。
いやいや、そこじゃねぇよ! なんか色々な情報がありすぎて戸惑ったが俺が言いたいのはそこではない。
一番下を見て欲しい。
そう、騎馬だ。
騎馬とっちゃった………。
「フンフ〜ン!」
なんか後ろでホリ夫がスキップしているが気にするな。
あれはいつもの病気だ。
偉い人が言ってました、力は悪ではない。 力を振りかざす人間が悪なのだと。
そうですね、全くその通り。
この善の塊である俺が悪に染まるなんてことはない。
よってこの力は封印だな。
騎馬、そう英語でライダー。
あれ気付いた? なんで前回いきなり仮面ライダー出て来たとか思ったでしょ?
ここに繋がるんだなぁ。
伏線って大変だね。
…………嘘です、偶然です。
いや偶然ではないかも知れない。
人間にはサブリミナル効果というものがある。
これは無意識に相手に特定の情報を流し続けると、それを欲するようになってしまう洗脳効果だ。
マネージャーはもしかして。
はっは! そんなことねぇわw
…………。
………………。
「うわ、こっわ!」
どちらかというと北社長のインパクトの方がずっと印象に残りましたけど!?
マジで!? 俺洗脳されてたの!?
「謀ったな!! マネージャーぁあああ!!」
「何言ってんの? 頭大丈夫?」
これは孔明の罠に違いない。
孔明「暇です」
ほら、孔明の某ゲームで有名なセリフ「今です!」って言ってるし……あれ言ってねぇな?
孔明「暇です」
あれ? 暇ですって言ってる?
孔明「暇です」
言ってるなぁ!? てかいつから孔明が居た?
マネージャー「私です」
「お前かよ!!」
「大丈夫? お薬飲む?」
「ホリ夫! お前優しいなぁ!?」
「救心だけど?」
「救心かよ!!」
「心を救うと書いて」
「救心だなぁ!?」
女子力勉強してこようか?
あとついでにマネージャーは、暇ならこの星管理しろよ!
【嫌です】
わざわざ全体メッセで言ってきたよ!!
他のプレイヤー意味不明だよ!
いきなり上空から「嫌です」の一言聞いても理解不能だよ!
そんなに嫌か! 嫌なのか! マネージャー辞めちまえよ!
「うわぁ、パワハラきた」
「パワハラ!?」
「マネージャー違います、隼也はセクハラです」
「どこにセクハラ要素あった?!」
「視線……ですかねぇ」
「おい! お前の姿見えねぇよ!」
「はい、今の発言セクハラ」
「どこが!?」
なに? 姿を見るだけでセクハラなの? そんなにハレンチな格好してるの?
………それなら見たいわ。
「おい! 姿を見せろ!」
「すごい!マネージャーにこうもセクハラを強要するとは!」
「どうせ貧乳だろ?」
「酷い決めつけ!」
「おうおうおう! ビビってんのか?」
「ちょっと! いい加減にしないとマネージャーさんが怒るよ?」
「怒ってないですよ?(ビキビキ)」
「あーうそだー! ガチギレしてんじゃん」
「あまり私を怒らせない方が良い」
「はいはい、嘘つくなって」
【ちょっと佐竹隼也に制裁をしてきます】
は? 今全体メッセで何言ったこいつ?
全体メッセの悪用多すぎない?
「あーあ、怒っちゃったじゃない」
「は?え? なに? どうなるの?」
「制裁が下るわ」
「へ? 何が起こる訳?」
「私知らないからね」
「えっちょっと!」
やれやれという感じでホリ夫が透明になっていく、これってまさか……。
「お前逃げるつもりだな!」
「だって私関係ないし」
【ついでにHolySwordにも制裁します】
「何で!!? 私関係ないでしょ!!」
そう言うと、俺たちの前に現れたんだ。
この星とそのほかに複数の星を管理する神の神たる存在。
マネージャーの御降臨である。
【佐竹隼也】
種族:人間
職業:勇者
予算:1172万ドス
時代:先史時代
宗教:無し
状態異常:やや好戦的
傾向:革新的
社会制度:法の誕生
【軍事】規律 【経済】 都市
テクノロジー:陶器 家畜 new採掘 new占星 new漁業 new灌漑 new筆記 弓術 new石工 new青銅 new車輪 new騎乗
幸福度:+3(概ね良好、ニーチェが死んだ為−2)
目標 10ヶ月以内にトップリーグに入る事〈アンドロメダリーグ〉。 現在 マゼランリーグ [4部リーグ]
世界人口 約78万人
不達成 無事死亡。
キングオブコントを第一回から2018年まで見続けると言う意味の分からない苦行を実行。
だがそれは全く役に立たなかった。




