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~第九話~

前に書いた、俺がメイドってマジか?の文を編集して付け足して投稿します。

「いらっしゃいませ~」

まず……そんな感じで、俺は、姉貴の声を真似て、お客を席に案内する。

今の俺の姿は、姉貴とそっくりで、店内では「ユキ」と呼ばれていた。

しかし、この店……やって来るのほとんど野郎ばっかだな……?

女性客がほとんど見えないんだが……、実際にこのお店に女性客やって来るのか? 凄い疑問だった。

まあ……メイド喫茶だから、しょうがねえのか?って感じかもな……

そう思っていると、客の一人が「ユキちゃ~ん」と言ってきたので

俺は返事をしてから、客がいる席へ向かった。

「お呼びでしょうか? ご主人様」

普段、絶対にこんな事言わねえよな……と、内心思いながら、注文を受ける事にした。

「ユキちゃん、来てくれてありがとう、僕は物凄い嬉しいよ?」

そんな事を言って来たのは、見た目は爽やかなイケメンで、女子にもてるんじゃないか? と思わせるスタイルで、身のこなしもばっちりだった。

こいつ……はっきり言って、リア充じゃないか?

こんな奴が、こんな店に来て、一体何の用なんだ? と思いながら、まあ客なんで、応対する事にした。

「はあ……ありがとうございます、ご主人様、ご注文は何に致しますか?」

俺がそう聞いてやると、イケメンは

「じゃあ、この萌え萌えオムライスを一つ頼むよ」

無駄に思える爽やかな笑顔で言ってきたので、俺はなるべく顔を直視しないように

「かしこまりました、萌え萌えオムライスですね?少々お待ち下さい」

そう言ってから、厨房の方に向かった。

注文を調理人に言った後、数分で萌え萌えオムライスが出てきたので、それをお盆の上に乗せて、さっきのお客の所に持っていく。そして、お客の所に行き

「お待たせしました。萌え萌えオムライスになります、こちらケチャップで文字を書くサービスを行っていて、どういった文字がいいでしょうか?」

ケチャップを持って、そう言うと

「じゃあ、でっかくダイスキってカタカナで、最後にハートマークを付けてね?」

そんな事を言ってきやがった。うわ、こいつ恥ずかしくないのか?って感じだが、お客なので、ご注文どおりに、ケチャップでオムライスの生地の上に、ダイスキとハートマークを描いた。

「これで、いいですか?」

「うんうん、Okだよ? さすがユキちゃん」

すっげ~だらしない笑顔で言っているので、イケメンが台無しだった。

ま、こいつがどんな顔をしようと、俺には関係ないけどな? そう思いながら、席を離れると

「お姉さま……」

話しかけてきたのは、従業員でどうもガチ百合っぽい、黒髪の萌だった。

俺は、姉貴の声で話し掛ける事にした。

「何? 萌」

「お姉さま、あの方の事、好きになったんですか……?」

あの方って、さっき相手したイケメンの事か? 冗談じゃない、誰が好きになるか!って感じなんだが?

何で俺が男を好きにならなくちゃいけねーんだよ? 鳥肌がするんだが?

「別に……好きになっていないわよ? もしかして……萌は、好きになったの?」

「いえ、そんな事はないです!私が好きなのは、お姉さま、ただ一人だけですし」

「そ、そう……」

そんな事を堂々と言われても、困るんだがな……?

これって本気の告白か? 男の姿の俺だったら、ちょっと嬉しいんだが、今の俺、姉貴の姿だしな?

これは姉貴に対して言っているみたいだしな……だから、俺に言われても困ると言う事だな。

萌と話していると、マネージャーの志保さんが、やってきた。

「萌、お客様に呼ばれているわよ」

「あ、ほんと……じゃあ、お姉さま、行ってきます」

そう言って萌が、離れていく。

すると、志保さんが

「貴方も大変ね? 何か辛い事があったら、相談するのよ?」

優しい笑顔で言ってきた。その顔いいな……この人だったらまともそうだし、相談してもOKかもな?とか思ってしまう。子供っぽい店長より、このマネージャーさんの方が、信用できるかもな?

そう考えていると、子供っぽい店長の麻衣がやって来た。

「ユキちゃ~ん、休憩入っていいよ~ん」

そう言ってきたので、俺はお言葉に甘えて

「じゃあ、そうします」

そう言ってから、控え室に入る事にした。

控え室に入ると、先に休憩していたのか、金髪縦ロールのカレンの姿があった。

「あら、由紀、貴方も今から休憩?」

「ええ」

「そう……あ、あの由紀?」

「何?」

「仕事終わったらだけど、ひ、暇かしら?」

仕事終わったら……? この仕事以外に予定は入れてるか?って事か? 別に何も予定は入れてないので

「別に暇だけど……」

「じゃあ、一緒に遊びに行きません?たまにはいいですわよね?」

「でも……」

「私とじゃ、遊びたくないんですか……?」

なんか、すげ~悲しそうな顔で言って来た。

そんな顔するなよ……こっちが悪いみたいじゃないか?

とりあえず……悲しげな顔をされるのは、嫌だったので

「解ったわ、一緒に遊びに行きましょう」

俺がそう言うと

「よかった……い、今のは何でもないですわ!じゃ、じゃあ約束ですわよ!」

なんか……少し照れながらそんな事を言った後、控え室から出て行き、入れ替わりに志保さんが入ってきて

「由紀さん、休憩終わりですから、ホールに出て下さいね?」

言ってきたので、俺は言われたとおりに、ホールに出て、時間まで仕事をする事にしたのであった。

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