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Lv1の勇者はチートスキルで頂点を目指す!  作者: 青池遊里
1章、Lv1の勇者はチートスキルで頂点を目指す!
8/13

ちょっと良く分かんないだけど

またゆっくりと更新していくつもりです。

すこし文字数減りました。


目を開ければさっき見たような光景であった。

コラスが心配そうに見ている以外は。


「お兄さん大丈夫?」


今度は水をかけられる前に目を覚ましたようだ。


「ああ大丈夫だよ」


優しくコラスの頭を撫でながらさっき起きたことの整理をして行こう。


おそらく、コラスの『ナチュラルドレイン』の発動により、空気中の魔力を吸うはずだったが、空気中には俺が飛ばしてしまって魔力がなかった。だから『ナチュラルドレイン』は体内の魔力を引っ張ったんだと思う。でも俺の魔力はなんか人とは違う物であったから必要分吸うはずだったのにすべて吸い出して魔法を発動。魔法は失敗し、俺は魔力切れで意識を失うっと。

おそらくこんな感じだろう。

俺の魔力が人とは違うあたりがかなりあやふやだが、俺が見た中では魔力に『-』が付いている奴はいなかった。たぶん俺一人のユニーク。

ユニークフィーバー!

こうやって調子に乗っているときにいつもやられるんだよな~。


「もう、いいんだ」


コラスは少し悲しそうににっこりと笑う。

はあ~。


コラスと話をしていると気配察知に生物が入り込んだ。

3人だ。

しかしおかしい。

気配察知の範囲が狭くなっている!

もうすぐそこだ!


「コラス様!おられますか!」


聞こえてくるのは濁るような低い声。


「ちょっと待って!今散らかってるんだ!」


コラスは小さく俺に指示し、俺はクローゼットに隠れた。


「どうぞ」


外にいるのはやはり竜人。

男が三人、それぞれ槍を持っている。


「単刀直入にお伺いします。このあたりに誰か来ませんでしたか?」


コラスは三人の男たちに茶をいれる。


「何かあったのですか?」


「迷子の子供を探してまして」


いやいやいやいや!

探してるのは迷子の青年ですよ!


「まあ、こんなところに誰か来るわけないじゃないですか」


コラスは少々笑いながら答える。


そうなの?


「いやはやごもっとも!」


「…それで、このもう一つのカップは誰のものでしょう?」


あ、俺のだ…。


男たちの目つきが変わり、臨戦態勢に入ろうとしている。


「僕と張り合おうって言うのかい?やめといた方がいいよ」


痛い痛い。

え?なにこれ?

コー君ってもしかして強いの?

体がぴりぴりするんですけど!


竜人の男たちは少し考えたかと思うと臨戦態勢を解き、席を立った。


「はっはっはっ!冗談ではありませんか!では戻ります。ご協力ありがとうございました」


笑顔を振りまきながら家を去った。




「お兄さん出るよ」


コラスは出かける準備をし始めた。


「いいのか?家捨てて」


「捨てるわけないでしょ?また来るよ」


コラスは真剣なまなざしで俺をみて言った。


「お兄さんって人間でしょ?」


………え?

何故……ばれた?


「体内に()がないもの」


意味の分からない言葉を言っている。

そういえば竜人の村でも聞いたな~。

あ!それに変な声も言ってた気がする。


「その感じだと()のこと知らないね」


YES

もしかして常識?

この世界の常識ですか?


「常識じゃないよ」


心が読まれている…だと!

さっきからコラスの雰囲気がさっきと違う気がする。


「いいよ、説明するから。すべての生物は数字でできているんだ。0~5までの数。0は生、1は思考、2は魔法、3は異能、スキル、4は形態、そして5は死。生物が死に近づくにつれて5が増えていくんだ。そしてすべてが5になったとき、死ぬ。お兄さんが人間だと思ったのは竜人の証である鱗が人型のときにも全くない、つまり4がなかったからわかったんだ」


………え?

ちょっと待ってなんの話?

分かんないんだけど?

え?

分かる?

分かるの?

いや待てみんな!俺がわかるまで!


すべての生物は数字でできている?

どうゆうこと?

あれか?あれなのか?

パソコンのデータとかの2進数みたいな感じか?

それが人間にもあると?

ん~まあそうゆうことで理解しよう。


「後の話しは出てからゆっくり話そう」


俺はコラスとともに家を出た。


「さっき常識じゃないって言ってたよね?ならなんでコー君は知ってるの?」


「まあ、それは後で分かるよ。僕はもうそろそろだからね」


なんのことだかわからないが、後で分かるならいいか。


「お兄さんがここにどうやって来たかは知らないけどお兄さんは別に悪意があってここに来たわけじゃないんでしょ?」


森の中を軽々と進む。

森の中には、かなりの魔物がいるようだ。


「ああ、転移されてきたからね。ねえ?どうしてここの人等は人間を犯罪者みたいに扱っているの?」


みたい、ではなく犯罪者扱いだったがな!


「ヘェ〜転移ねぇ〜、ま、いいや。ここの人が人間を嫌っているのは君たちの所為なんだけどね」


へ?

What?

もしかして俺、なんかやっちゃた?

そして転移を右から左に華麗に受け流す…グッジョブ!


「さっ!着いた。彼が君にこの世界について教えてくれるよ」


森を抜けた先には祠のようなものがあった。

仏様に聞くのかい?


「ユーシ、我が同胞よ。よく来た」


――――――――――――――――――――――――――――――――


◇昔話の続きをしよう。


狂気に満ちた男は村々をまわり、そして殺した。

彼にはもうどうすることも出来なかった。

彼の体はもう彼のものではなかったのだ。

彼はいつか自分を殺してくれる存在を願うことしか出来なかった。


「少年よ、そこで何をしている?」


老いた爺さんが彼に話しかけた。


「俺は…俺は…何も…」


彼は体の自由がきかず、老人の前で肉を切り裂き、涙を流していた。


「お爺さん早く…逃げ…」


必死の思いで言葉を出す。


「大丈夫。君は悪く無い」


老人は笑顔で彼の方に向かってくる。

彼はナイフと化した腕を必死に抑える。


「今から君に魔法をかけよう。二度と狂気に飲まれぬように」


老人は彼に手をかざしつぶやいた。


「調和の共鳴」


黄金の光とともに男の狂気が薄れていく。

彼は大粒の涙を流しながら感謝を告げる。


この物語はここで終わりである。

あの男が最後にどうなったかはわからない。

しかし、この世界の調和をもたらすこの魔法は同時に調和を乱す、つまりバランスが崩れる、ということからこう呼ばれた。


『アンバランス』


と。


――――――――――――――――――――――――――――――――


◇リンリ王国にて


「大変です国王様!貴人街が!」


「どうした!」


「貴人街の約四割が消滅…」


「何!どうゆうことだ!?」


「推定ランクSの『迷宮』が出現しました!ボスの推定レベルは1900!サイズSSクラス!国潰しの直前です!」


「何!支給勇者を集めよ!何としてもその『迷宮』を潰せ!」


「はっ!」


「ふざけるな!こんな時に…」


目の前にある勝利を掴む寸前でグイッと奥に引っ張られるような気分に胸糞が悪くなった。


――――――――――――――――――――――――――――――――


――――――――――――――――

名;オルカロス・アルベロイ・リンリ・ユーフェリア

種族;亡霊(人族) 賢者

Lv0

攻撃力 0

防御力 0

俊敏力 0

魔力  0 


スキル

亡霊魔法 霊体化


称号


――――――――――――――――


祠の前には70代後半の白い髪が肩まで伸び、神父のような黒い服装をした赤い目の老人がいた。


「ユーシ、我が同胞よ。よく来た」


老人は笑顔で話しかける。

コラスは隣で黙って見ている。

何故このような状況で何も言わない?

だって…


この老人透けてるんですけど!


「どなた…で…?」


なんで名前知っている?同胞?何それ怖い!


「わしが誰かなんてもうわかっているだろう?」


…こう、なんでもわかっているって人怖くない?ね?ね?

ヤバイな…。

非常にヤバイ。


「コラス…これはいったい…」


恐る恐る後ろを振りむく。


「この人は大賢者オルカロス。世界で最初に魔法を使った人間だよ」


世界で最初?

ん?もしかして…もしかしなくても…って言うかステータスでも見たけど…


亡霊…


いやあああああああああああああああああ!


滅っ!


「お、落ち着いてお兄さん!ただの死者だよ」


いやあああああああああああああああああ!

ただのじゃないよ~!

死者だよ!

いやあああああああああああああああああ!



※このテンションが続きます。しばらくお待ちください。



「はあ!はあ!」


状況を整理しよう。

死んだものは生き返らない。

OK?

つまり前にいる者は死者じゃない。

OK?


「違うよ。彼は死者だよ」


いやあああああああああああああああああ!



※30分後※


「落ち着いたかい?」


老人はこちらに話かける。


「え?落ち着いた?何言っているんですか?私は最初から落ち着いていますよ」


え!?みんななに言っているの?私最初から落ち着いてたよ。


「む?少し不安だが進めるか…」


老人はこちらに顔を向けながら不安そうな表情をする。


「…まず君をここにコラスを通じて呼んだ理由だが…まずワシの話を聞いてほしい。…君は3つの国について知っているかい?」


3つの国?

なんじゃそれ?


「アルベロイ、リンリ、ユーフェリアの三国。このうちアルベロイとユーフェリアは滅びた」


なんの話?

この世界は俺が知っているだけで2国、リンリとクロリナ…いや、あと魔族国か…。


「その昔、この3国はワシの息子たちが作った国々だ。ワシの名をそれぞれがワシの魔法とともに受け継ぎ、王となった」


昔話を語る老人は過去を思い出し笑う。


「アルベロイには植物魔法、災害魔法。ユーフェリアには業火魔法、天火魔法。リンリには転移魔法、転生魔法を受け継ぎ、それぞれが助け合いながら暮らしていた。

 ワシが受け継がせた魔法は絶大で滅ぶことはないと思われた。

 ある時だ。白い眼のした少年が現れた。その少年の名はアルゼド。アルゼドは対抗魔法を用いて一夜にしてアルベロイを滅ぼし、魔王を名乗った」


それって俺の…

じゃあ俺は?


「アルベロイはその他に迷宮のマスターでもあった。この少年の迷宮はグランド全域。すべての国で魔族が現れたのだ。世界中で戦いが起こり、そして多くが殺された。

 それに不安を覚えたリンリがユーフェリアの国と協力しあい、ともにアルゼドを倒すために立ち上がった。

そして、アルゼドは倒され世界に平和が戻ったように思えた…」


老人は口籠り、少ししゃべることを躊躇ってた。


「…リンリが…リンリは平和と戦争という狂気に飲まれ、不安と恐怖でユーフェリアの国を滅ぼした。そしてリンリ王国には数一〇〇年平和が続いた」


結構な歴史を積んでいるんだな…。


「数一〇〇年後、今から二十年前、アルベロイとユーフェリアの子孫らは他の種族と協力し合い、ローサル国とクロリナ帝国を作り上げた」


んで、これを俺に聞かせて何をさせたいの?

俺は簡単には顔を縦にふらぬぞ!


「クロリナはすぐにリンリと戦争となった。結果はまだついていないがどちらもかなりの痛手を負った。その頃ローサルでは兵強化の為に『迷宮』を深く探索していた。しかし必要以上に探索した結果大きくなりすぎた『迷宮』によって滅んだ。これがこの世界の歴史の一部だ」


うん、それで?


「この話と俺に何の関係もないですよね?俺になにを?なぜ俺なのです?」


「む…そうだな…結論から言えば君にはアルゼドを止めて欲しい」


「…はい?」


そいつってさっきの話で死んだよね?


「アルゼドはいわば君の従兄弟みたいな関係にある。いや兄弟だな」


…ん?俺に兄弟なんて

…まさか!

生き別れの弟…兄?


黙って見ていたコラスが口を開く。


「お兄さんは『賢者と悪魔』って童話を知ってる?」


「知らない」


む?突然なんだ?


「その物語に出てくる悪魔、ゼアドの息子がアルゼドなんだ」


へ、ヘェ〜…で?


「オルカロスとゼアドは友人。友人の息子の国を滅ぼしちゃったからゼアドは急いで息子のアルゼドを止めに行ったんだよ」


ふむふむ…この話長いな…。

やめて!私の記憶メモリーはもうゼロよ!


「でもアルゼドは結構強くなってて唯一左目だけ奪って逃げたんだよ…まあその所為でゼアド君死んじゃったんだけどね」


ん?なんか違和感感じてきたな…。


「わかったかい?君の左目はゼアドが最後の力を振り絞って君に取り付けたアルゼドの左目なんだよ」


…はい?

いや、全然予想できてなかったけど…。


「え?でも俺、異世界人だよ?」


「その方が都合が良かったんだよ。異世界ならアルゼドに見つからないしね」


え?じゃあ何?俺って結構前からこんなとんでもない目持ってたの?


「ん?ちょっと待て…見つからない?アルゼドってやつはこの目が必要なの?どして?」


つーか俺の目白くないし…。


「アルゼドの両目が揃えば生き返れるんだよだからもう片方を求めるんだ」


え!?それってつまり…


「俺ってそのアルゼドってやつに狙われてんの?」


ヒェ〜


「そう、だからお兄さんは死ぬまで逃げるかアルゼドを倒すしかないんだよ」


うっわなにそれクソだな…クソゲーだわ。

まあ、俺に“逃げる”なんて選択肢はないんだがな!


「ねぇ?ここまで聞いて何か違和感を感じない?」


ん?違和感なんじゃろ?


「アルゼドに都合が良すぎると思わない?」


…確かに。

俺がこの世界に来さえしなけば絶対に復活できないんだし…。


「ねぇ?お兄さんは誰に召喚された?」


…誰だっけ?

変なおっちゃんだっけ?


「転移魔法が使えるのは大賢者オルカロスとオルカロスの杖の最終後継者のみなんだよ。まあお兄さんの話だともう一人転移魔法を完成させた人がいるみたいだけど…」


ヘルナでは無いな、ならば誰だ?

杖の所持者って事か?

つまり!


「今現在の杖の後継者の名は『ユリア・リンリ』という」


つまり、リンリ王国の姫さまがアルゼドに協力している、ということか!


――――――――――――――――――――――――――――――――


突然左側が見えなくなった。

暗い。

目からは涙が伝い、口に入ってきた。

その涙は鉄の味がした。


〜数時間前〜


「ユリア・リンリです」


俺の部屋に姫さまがやってきた。

金色の髪に白い肌、宝石のような青い目で顔は丸い。

いかにも姫さまといったドレスを着て俺の部屋の前にいた。

何の用だろうか?


「突然で申し訳ないのですが…私と…私とこの国を出てくれませんか?」


姫さまは俺の両手を掴み、潤んだ目で見てくる。


「な、何があったのでしょうか?」


一国の姫さまが国を離れると言っているのだ、何があったか知りたくなるだろう。

強く聞かれる声に少し緊張する。


「…言いたくありません。できるなら何も聞かずに私と出てくれませんか?もう、頼れるのは貴方だけなのです!」


握った手が強くなる。

よっぽどの理由があるのだろう。

しかし、理由を聞かずに出ることは出来ない。


「…わかりました。しかし、理由を聞かずに、というわけにはいきません。出ることは協力しますが理由を教えてください」


姫さまは少し悩んだかと末に口を開いた。


「実は…勇者様方がお相手なさっているのは魔王では無く、クロリナという人間の住む国なのです。…私は父の命で貴方方を召喚し、父は貴方方を使って憎きクロリナを潰そうとしているのです。わたしはそれが嫌だったのです。だからクロリナに行ってちゃんと分かってもらいたいのです!」


嘘を言ってる様には見えなかった。

ならば俺たちがやってきたことは全部無駄だったということか!?


「じゃあ…俺たちは帰れないのでしょうか?」


唇が震えていた。

目的が無くなってしまっていた。

恐怖が残る感覚がする。


「いえ、実はわたしの魔法を使えば勇者様方を返すことができます」


絶望が突如にして希望に変わった。

しかし…


「ならばすぐに俺たちを返してくれ!俺たちはこんな物騒な世界では生きられない。みんな心は高校生なんだよ!」


思わず姫さまの方を持って大きな声を出していた。


「痛いです…」


「す、すみません」


すぐに腕を離す。


「すぐに返したいのですが、それにはまだ準備が整っておりません。それにクロリナの件もあります。どうか今だけは協力してください!」


俺は折り合えず頷いて姫さまと国を出ることにした。

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