俺、拾われました。
人の足音や話し声、何かが近くを通る音で目をさます。
(あれ?ここどこだ?....そうだ、異世界に転生したんだっけ)
海斗は辺りをを見渡そうとするが、思うように体が動かない。
(体が動かしにくいなぁ、転生だから今は、赤ん坊ってことか。しかし、赤ん坊なら母親や父親が居るはずだが、ここは、外....だよな?)
ようやく目が見えるようになってきて、自分が今、置かれている状況に気がついたようだ。
(おいおいどうなってんだよ。
俺、捨てられてる?どうなっちまうんだよ)
混乱していると、目の前に一代の馬車が止まって、
一人の女の人が降りてきた。
(なんだ?)
「まったく、こんなところに子供を捨てるなんて
一体どんな親なのかしら」
少し怒った様な口調で俺を抱き抱える。
「ふふっ、可愛い赤ちゃんだこと。
連れて帰っていいかしら?」
女の人が馬車に乗って居る男の人に聞く。
「ふむ、確かに可愛い子だが、家にはもう三人の子供が居るからな~?」
「大丈夫、ちゃんと育てますから。
それに、もう連れて帰るって決めましたから。」
「お前が決めたのなら仕方あるまい。
お前は、一度決めたことは絶対に考え直さないからな」
(やべぇ、何この展開。
でもこれで、とりあえずは助かったのか?なんか安心したら眠くなってきた。Zzz...)
夫婦は、寝ている海斗を見て、微笑んでいた。
海斗が目をさますと数人の人がこちらを見ていた。
「あっ あう~」
(うわっ!なんだ?)
「あっ起きた起きた!」
「ちっちぇ~」
「可愛い~」
「あなた、起きたわ!」
「お前たち、ちょっと落ち着かんか
この子もびっくりするだろ。」
海斗は体を動かせるだけ動かして周りを確認した。
(俺は、この家に拾われたのか?
途中で寝ちまってまったくわからん
そういやステータスがあるんだった、確認すっか)
海斗は頭の中で『ステータス』と念じてみる。
ステータス
名前 リック・アイザック 《天海 海斗》
種族 竜人族 《竜王》
HP 15000/15000
MP 10000/10000
力 25000
俊敏 10000
知力 1000
運 2000
スキル
ステータス補正大
レベルアップ時ステータス上昇大
経験値10倍 消費MP減少 気配察知S
言語理解 隠蔽S 鑑定S
特殊スキル
アイテムボックス 女神の慈愛
転生者 竜の加護 竜化
(は?なんだこのステータスは?てか名前違うしってそうだった転生したから名前は違うよなそゃ。
じゃなくて、知らんスキルあるし、しかも竜王ってなんだよ竜王って!)
※以降主人公の呼び方をリックと書きます
それから、約一ヶ月がたち、父さんや母さんのステータスを、鑑定を使い見てみることにした。
ステータス
名前 グラン・アイザック
種族 人族《聖騎士》
レベル 106
HP 6200/6200
MP 2000/2000
力 1000
俊敏 630
知力 50
運 100
スキル
気配察知S 金剛化 魔力操作 親バカ 威圧
特殊スキル
限界突破
魔法
【炎魔法Lv5】【水魔法Lv4】【風魔法Lv2】
(うわぁ、父さん何者?てか、スキルに親バカって
どんな効果だよ。次は、母さんっと)
ステータス
名前 フィーリ・アイザック
種族 人族《賢者》
レベル 96
HP 3500/3500
MP 6000/6000
力 200
俊敏 250
知力 590
運 100
スキル
魔力操作 MP消費減少&自動回復 隠密 親バカ
特殊スキル
賢者の癒し
魔法
【回復魔法Lv8】【補助魔法Lv5】【神聖魔法Lv6】
(母さんもすげぇ・・・けど、やっぱ親バカってあるのな。今気づいたけど魔法何て覧なかったよな?)
リックはあれこれ考えているうちに、母親に抱かれながら眠ってしまった。赤ちゃんだから仕方ないよな?
「あなた、リックの魔力は高すぎよ?」
フィーリがリックを抱えたまま、グランに不安な顔で聞く。
「ああぁ、確かに高すぎる。もしかするとこの子は人族では無いのかもしれんな。でも、リックを育てると決めたんだ、最後まで面倒を見なくてわな」
「わかっているわ。でもっ!」
「リックが成長して、自分から話してくれるのを待つんだ。僕の勘だが、いつか話してくれるさ」
「わかったわ、あなた。かわいいかわいい私たちの子供ですものね」
二人はリックに優しく頭を撫でて、就寝についた。