第6話 まさかの事態
お札を使ったものが陰陽道で、自分の霊力で呪文を唱え、技を出す。
魔法は、杖にある魔力を引き出してイメージしたいろいろな技を出す。
この作品でそういう定義にします。
出てくる登場人物が陰陽師と魔法使いといるのでややこしくならないように
紹介しました。
「何で俺がリーダーにならなきゃいけないんだよ。」シントは思わず反論した。
「だって、いろいろなことを知っているもの。」フレンシアは感心した。
「皆納得しているからいいでしょ。」「俺がまだ納得して…」「じゃーよろしく。」
今だけならと、何だかんだでリーダーはシントに決まった。
「あそこが入り口。準備は大丈夫?」ミスティルは皆を気遣う。
「ありがとう。さぁ、行きましょう。」フレンシアが号令をかける。
「1F~黄緑色に広がる草原~」と書かれた看板がたっていた。「誰がたてたんだろう。」
カインドは初めての天の塔に感激した。
「うっ…。」アルスがうめき声をあげた。「おい…大丈夫か。」シントは心配して駆け寄った。
「ああ…大丈夫。ただ…。」「ただ?」
思わず聞き返すと「ここに見覚えがあるんだよ。」そう言うとアルスは歩き出した。
意味深な言葉が頭の中に残り、戦闘に集中出来なかった。気がついたら、全部回っていた。
「はー、疲れた。」「だらしない。男のくせに。」フレンシアがアルスに愚痴をこぼした。
「なんでいちいち構うんだよ。」「そういう所にイライラするのよ。」「いい加減にしろ。」カインドが仲裁した。
「悪い。」「もうそろそろ着くよ。所長を問い詰めよう。」「お前…結構執念深いな。」「だって、許せないし。」
シントが指摘すると、ぶつぶつと文句を言っていた。
門に着くと、事の張本人がニコニコ顔でやってきた。「やっぱり君たちなら出来るって信じてたよ。」ミスティルが不満げな顔をしていた。
「所長。なんで私を門の外に放り出したのですか。」
真剣な顔をしているミスティルに対し、所長はまだニコニコして「まぁ後で話すから。」と後回し。
「私が出したミッションをクリアしたので、冒険者カードを授けよう。」鞄からカードを出して渡した。
「塔に立ち入りの許可と同時に君ら5人のギルドを登録しよう。」
所長の口から信じられない言葉が飛び出した。
「ちょっと待って下さい。ギルドできるんですか。」「作れるのか!!ここで。」「登録所に行かなくてもいいのね。」
「俺は1人で行くつもりだ。なんでギルドになんか…。」「5人って…私もですか?私は事務所の一員です。所長、ふざけるのもいい加減にしてください。」
5人同時に声をあげたが、最初からカインド、アルス、フレンシアがギルドができると喜び、シントはギルドに入る気さらさらなく、ミスティルは…分かるだろう。
ニコニコしていた所長は急に真剣な顔になった。その顔つきにミスティルはびくっとした。
「君らにギルドを作って欲しいんだよ。どうしても頼みたいことがあるから。」
固まっている4人の代わりにカインドが聞いた。
「それって…どうしてですか?」
それを聞いた所長は元の顔に戻った。
「とりあえず事務所に戻ろうか。」
所長の後に必死についていく。カインドが何か思いつめていることに気がついた。
「何か心当たりがあるのか。」シントの質問に少々頷いた。
「うーん…もしかしたらと思ってさ。」
「まぁ、聞けば分かるだろう。」
「それもそうだな。」
2人が頷いた後、再び事務所へと歩き出した。
アルス・シェイロット
年齢:13歳 メンバーの中で最年少
趣味:技の改造
一人称:オレ シントは「俺」
武器:お札、魔法、杖
杖をたまに武器にする。
より良く使えるよう、日々技の改良をしている。
なので、アルスしか使えないものがある。