第11話 wishesの過去Ⅲ
突然やってきた青年に一同が驚く。
「あなたは一体誰ですか。」カインドが聞いた。
「俺は【ブラッドリバー】のギルド長、リエンダーです。」
「ブラッドリバーと言ったら…悪徳ギルドのうちのひとつ。どうしてこんなところに…。」
フレンシアがひきつった顔をした。
「わざわざ捕まりにきたのですか。冒険者がたくさんいるのに。」
確かにおかしい。指名手配されているのに、こんな場所にいる訳がない。
「俺がここに来た理由は2つ。1つは仲間の勧誘。もう1つは…。」
リエンダーが見たさきに、ナタリアがいた。
「こいつと決着をつけにきました。」リエンダーはそういい、刀を取り出した。
「な…なんでナタリアとなんだ。俺にしろ。」アルスが空気を読めないことを言った。
「戦闘バカは黙れ。」シントによって、アルスは静かになった。
「こいつとの戦いはまだ終わっていません。まだ…。」
相変わらずナタリアは口を開かず、地面を見ていた。5人は妙に丁寧な言葉に違和感を感じている。
自分を無視していることにいらついたのか、とうとう言ってしまった。
「5年前の悲劇をまた繰り返したいのですか。構わないのならいいがな。」
5人だけでなく、今まで聞く耳を持たなかったナタリアまで振り向いた。
「やっと反応した…。今からこいつと会ったときのことを話します。」
5年前は今と違ってもっとメンバーがたくさんいて、勢いがあった。いろんなことで騒いだり、遊んだり
と楽しかった。…だが、冒険者連盟の奴らが襲撃したせいで、ギルドの仲間たちが捕まった。連盟の委員
の1人にナタリアがいた。
俺はそいつに復讐しようと必死に調べた。いつか俺の手で仲間たちの仇をうとうと。ナタリアも俺のことを調べてたらしかった。同じ年に事件があった。それは…
「ラターナルさんの自殺。」ナタリアが話した。
「え!?」「何だって!?」「「まじか!!」」フレンシア、カインド、シント、アルスの順で言った。
「ラターナルさんはこいつのせいで、死んだんだ。」
僕が90階にブラッドリバーの一味がいると聞いて調査をしていたんだ。探していたら衝撃的なものを見た。それは…モンスターを操っていたんだ。僕はすぐに戦いを挑んでは、警察送りにした。
奥に進んでって、リエンダー話した。
「今すぐやめろ。捕まりたくないなら、おとなしくしてろ。」
「せっかく完成したんだ。こいつらで試してみよう。」
リエンダーが指した先に、ラターナルさんたちがいた。
「あの人たちをお前のくだらない実験に付き合わせるか!!」
そういい、僕は魔法を使う準備をした。だが、あいつが強迫をした。
「魔法を出したら、これらのモンスターを放つ。そうなったら…分かっているよな?」
僕はその言葉を聞き、何も考えられなくなった。その一瞬を突いて、あいつはモンスターを放った。
「おい…卑怯だぞ。何をしているか分からないのか!?」必死に声を出した。
「俺らは従順じゃないのでね。やめたらしないとは言ってませんよね。」
「この…。!?貴様、何を仕掛けた。」突然周りから煙が出た。
「時間稼ぎのためにとらせてもらった戦法と言った所かな。では、さようなら。」
リエンダーは予め拠点にすぐ移動するワープ石を持っていたようだ。まるで、ナタリアが来ることを分かっていたかのように。
「ブラッドリバー…絶対に許さない。永遠に…。」ふと、目を閉じ、精神統一した。
その時、音がした。モンスターが木を次々となぎ倒していた。
「!!しまった。あいつらをやっつけないと。」魔法を出す準備をした。
だけど、もう遅かった。彼女は自分の命を武器に込めていて、このまま突っ込んでいった。
その時、辺りは光に包まれた。彼女の剣とモンスターの技がぶつかり合っているのが光の中で見えた。
そして、最後にこっちに気がついたみたいで「彼を頼んだわ。」と言い、魂ごと、剣に入ってしまった。
ラターナルさんの近くに気を失った少年が倒れていた。その少年に容赦なく襲いかかろうとしている。
「あの人の攻撃でも効かないの!?化け物だ。」僕は少し怯んだがすぐに体制をかえた。
「…本当は使いたくなかったけど、仕方ない。炎の暴走!!」
技名をいった瞬間、辺り一面炎が広がりまるで人が突っ込んでいくような感じだ。
あっという間にモンスターを一掃した。流石にヘトヘトになった。
「…最初からこうすれば良かったんだ。僕のせいで…。」
彼が気を失っている間に泣いてしまおう。後では辛い。
しばらくして、僕は倒れている彼を連れていった。正体がばれないように、コッソリ。
休憩施設に彼の仲間?が現れ、いろいろと質問されていた。彼女は話からリーダーだと分かった。
彼らが泣きじゃくっているとき、僕は改めて決心した。
もう誰にもこのような思いをさせない。決して殺させない。絶対に…
僕はもう1つの決心をしていた。
それは…
彼らと会わないようにする。向こうは知らないけど、僕は知っている人になったから。
彼らを見ていると、あの感覚に襲われるかもしれないから。
悲しみと同情と罪悪感に…
すみません、思ったより長くなってしまいました。
この話は主人公たちに影響を与えるので…
いやーそれにしても長かった!!
ベテラン冒険者にも辛い過去があったことを知って欲しかったんです。
さて、この後どうなるでしょう。楽しみにしててください。
登場人物の過去を話すとき、番外編としてこれからはまとめておきます。
本編に関係があるときは、もちろん出します。
長いことありがとうございます。