東京ジャングル
二十年前 9月6日(日) PM5:18
――八手楓は、日曜日が嫌いだ。
「…楓さん、何か手伝いましょうか?」
「いいえ、休んでいてください、お義母さん」
収納が多く、二十一世紀的で広いシステムキッチン。
どんなに小さな家でも、主婦がひとりで清潔を保つには限度があるが、ここはそのせいだろうか、部屋の片隅にはゴミ袋が積み上げられ、野菜のカスや茶色い調味料が粘っこく床や壁に張り付いている。
そこで八手楓は、五人家族の分の夕食を作っていた。メニューはミートソーススパゲッティと肉じゃが。
食べ合わせも良くない上、材料がダブっておらず、やたらに手間が掛かるメニュー選択。肉じゃがは夫の好物、ミートソースは二人いる息子の好物。
「ぶぅーん、ぎいいいーんっ」
息子が楽しそうに、去年放送百周年を迎えた変身ヒーローの、光って鳴って回る変身ベルトで遊んでいるのが聞こえる。
かなり前に買い与えたオモチャだが、壊しもせず、大事に遊んでいる。
「ねえ、楓さん、ご飯、あたしがやろうか?」
「いいえ、本当に大丈夫ですから。お義母さんは…大秋の相手をしていてあげてください」
いつもと同じ、優しい姑との会話だった。毎日のようにしている会話。手の掛からない長男に比べて、手の掛かる次男の遊び相手をしてくれればそれで助かる。
姑は七十歳間近とは思えない、キレイな曲がりも短くもなっていない足腰で大秋のいるリビングにリズミカルに歩いていったのを確認し、楓がスパゲティの鍋に意識をやると、携帯電話が鳴っていた。
会話の方に意識をやっていたせいか、着信音に気付かなかったらしい。発信者の名前を見れば【お父さん】となっている。夫の八手秋信だ。リダイヤルで掛け直すか、それとも直接行くか。
迷っている間に、またも姑が台所に顔を出した。
「…楓さん、お昼ご飯、あたしが作ろうか?」
今、楓が作っているのは夕食…だが、間違いを指摘してはいけない、姑の基本中の基本だが、だからといってなんと云えばいいだろうと考えている間にドタドタと走ってくる気配。
「あ、あああああーッ!」
細身の足をハーフパンツから覗かせて、変身ベルトのオモチャを片手にやってきたのは次男。
手間が掛からないように保護者の都合で短く刈りそろえた坊主頭、そして祖母どころか母親の楓よりも既に大きい…身長百八十センチ、十七才の大秋は、何が不満なのか変身ベルトの効果音と一緒に泣きじゃくっている。
そんな彼の頬に、先ほどまで笑顔で昼食を作るといってた姑の平手が飛んだ。
「静かになさい、秋信ッ! そんなに煩くすると裏山の刑務所に入れてもらうわよ!」
今住んでいる家に裏山なんてない。そもそも自分が今叩いたのは息子の秋信ではなく、孫の大秋だということももちろん姑は気付いていないし、叩かれたぐらいで泣き止むくらいな大秋ではなく、自分がなぜ叩かれたのか分からないまま声変わりも終わったハスキーボイスで泣きじゃくる。
そんな中、再び鳴るのは楓の携帯電話。発信者はもちろん夫の秋信。隣の部屋からの呼び出しだが、用件は分かっている。トイレに行きたいと云うのだろう。
泣き叫ぶ姑と次男、声を出せない夫の替わりにメール通知を知らせる携帯電話。唯一静かなのは二階からトイレ以外では降りてこない長男の信介だけ。
吹き零れるスパゲティの鍋、香ばしいを通り過ぎて焦げ臭い肉じゃが、騒々しい家族たち。
「ああああぁあああああああああッッ!」
――それらを掻き消すように、楓も無意識に叫んでいた。
日曜日はだから嫌いだ。姑のデイサービスも息子の養護学校も休みで、それに合わせて取っている自分のパートも休暇、決して休まることのない自宅。
月曜日まで、夕食時さえ乗り越えれば、あとは…あとは、まだ家族たちの排泄が残っている。食器の後片付けや姑や息子の明日の準備だってある。
自分が何をしたというのだ。朝から晩まで働いて、家族に奉仕し、なぜここまで苦しまなければならないのだ。
長男が引きこりになるように育ててしまったこと? 息子を障がい者に産んだこと? 将来交通事故で脳に障害を残すような男と結婚したこと? その男の母親が認知症を発症したこと?
「八手…楓さんですね?」
そんな騒音を鎮めたのは、服を着ているのではなく着られているという表現がよく似合う、黒光りするスーツに身を包んだ薄っぺらそうな若者だった。
彼は携帯電話の電源を切り、台所の火を止めただけだったが、見慣れない人物に興味が移った大秋が泣き止んだ。大秋が泣き止めば姑も騒ぐ理由はない。
「…あなたは?」
「失礼。何度もチャイムを鳴らしたんですが…中から声がしたので、失礼とは知りつつ上がらせていただきました…失礼しました」
使い慣れていない敬語に続き、彼は出しなれていない名刺を差し出した。
「…ゼンドウ・ゼンイチさん、ですか?」
「ゼンイツ、です。お間違えないように…」
不信そうに疲れた目を向ける楓に、全一は懐から出したA4用紙に目を向ける。
「八手一家…旦那さんの秋信さんは交通事故の後遺症で半身麻痺…言語障がいもあり、動くのは右腕だけ…しかも調子が良い時だけ。
長男の信介さんは、理由は分かりませんが、中学校の頃から引きこもりで現在二十六歳。もうひとりの息子の大秋くん…彼ですね、彼は先天性の発達障がいで精神的に未熟。
そちらにいるお婆様は、アルツハイマー型認知症で要介護四で、施設入居を申請しているものの、コネもカネもなく待機状態…楓さん自身も私の見立てでは躁鬱の風がある」
「それが…なんなんですか…」
抑揚もなく、楓の言葉には感情が乗っていない。どこかに置き忘れてきたように。
「私はちょっとした研究をしておりまして、その研究に付き合っていただきたいのです。八手ご一家に」
どんな研究? と楓が聞き返すのを待っていたのだろうが、楓は何事もなかったように肉じゃがとスパゲティに戻ろうとしている。
「…仕方ありません、それでは…お見せしましょう」
無遠慮に全一は利き腕の左腕にタマネギを刻んだ包丁を拾い、自分の右腕に突き刺した。
当然のように血が飛び散り、息子と姑が再び泣き叫ぶが、全一も楓も気にしない。
「私の研究は塵機。こんな傷ならばァ~ッ」
包丁を抜いた後には、血の一滴も流れておらず、スラックスにも穴は開いておらず、ただただ包丁に血が付いているだけ…奇跡というより、出来の悪いテーブルマジックのような雰囲気だ。大秋くん爆笑中。
「ハイッ、元通り」
大秋くん、姑さんからいびつな拍手が送られ、全一も得意げに笑ってみせる。
だが、当の楓はそれがどうしたといったように炎を見つめ、料理を再開している。
「この治療用塵機は、使用者の脳を読み取り、周囲の元素を分解し、望むように修復します…従来の治療では不可能だった脳に関する治療も可能です」
「…え?」
肉じゃがをかき混ぜる手を止め、楓は振り返った。
「もちろん人体実験です。危険も否定できませんが、どうしても必要な実験なんです…どうでしょう? 八手さん?」
「危険って…えっと…」
楓は想像できなかった。今より悪くなる状況が。
全面的な介助が必要な家族を三人抱え、何もしない家族もひとり抱え、健康的にも金銭的にも時間的にも精神的にも、全てが限界である今。
無邪気に笑う大秋や義母の顔を見ていると、幼かった頃のもうひとりの息子の顔や元気だった旦那の顔を忘れられず、心中すらできそうにない自分い幸せになる方法なんてあるのか。
死んだって良い。挑戦して終わるんだったら納得できる。家族の誰だろうと、自分だろうと。
「…お願い、できますか?」
ただ、静かにガスの火と全一の笑顔だけが揺れていた。
二十年後 3月2日(日曜日) AM4:58
ヘリコプターを乗り捨て、四人の家族たちに続いて楓も病院へと降り立った。もちろん壁に穴を開けて。
「ヤツデレッド、八手楓ッ、妻ッ!」
「ヤツデブルー、八手信介ッ、長男ッ!」
「ヤツデグリーン、八手大秋ッ、次男ッ!」
「ヤツデピンク、八手ぺに、祖母ッ!」
「ヤツデグリーン、八手秋信、旦那ッ! 五人揃ってぇっ」
五人とも実に元気一杯、自信満々、レッドを中央に置き、左右のふたりずつが鏡写しでポーズをとり、次々と自分の名乗った色と同じヘルメットをかぶり、最後に五人でハモって。
『八手戦隊、カシオペアッ!』
全員が背筋を伸ばし、バシッとポーズを決めているが、そんなことは関係ないとばかりに
《八手一家…か》
「…あれ、キミ、記憶喪失とかだったんじゃないの?」
そう云ったのは緑色の八手大秋。快弁な口調で、明確に意思を聞き取れる言葉である。
発達障がいにも色々あるが、少なくとも二十年前の大秋にはできなかったレベルの発言である。
《お前たち、ジブンを知っているのか?》
「こっちの質問に先に応えてくれないかのぉ、若いの、どうなんじゃ?」
次に答えたのはピンクのおばあちゃん。アルツハイマーは会話することもできるが、ハッキリ云って発病から二十年経ってここまでしっかり歩けるというのはありえないと断言して良い。
というか、それは他の家族も同じこと。ふたりの息子はまだ若者という年齢で父母も中年を維持。老人というには若すぎる。
《…記憶はない。だから次はジブンの質問に答えてくれ》
“彼”が包帯に指を付き立て、目元の部分を剥ぎ取る。
そこには真っ赤な眼があった。充血しているわけではない、それどころか血すら通っていないふたつの瞳。
「なにが?」
《お前たちに対する…この全身に纏わりつく様な感情は…なんだ?》
紅玉のレンズ、平べったいルビー、そうとしか云えない眼が鏡のように五人のカラフルな一家を映していた。
女医は何かを云おうとするが、それが誰も救えないことを思い、留まった。
「それはアレだよ、俺たちが…怖いんだろぉ?」
《…違う》
「遠慮するなって。怖いんだったら消えてやるよ。なあ、みんな?」
そうだな、と云わんばかりにグリーンの大秋の言葉通りだ。靄が掛かったテレビというか、モザイク画像のように背景に一体化していく。
白い靄が見える。
《…ヒトミッ、あれはなんだッ!》
再び“彼”は女医の名前を呼び、女医は白衣の裾を握りしめながら記憶を呼び覚ます。彼女の専門、塵機による現象だ。
「臨界自由状態…塵機接続を解いて、空間に拡散する…塵機応用のひとつで、塵機保持者の基本」
――ああ、そうだ、オーバーフリーだ。クロスファイアの隊員としての教習でやっている。
小学生の頃に習ったどうでもいい化学実験の結果を思い出したような感覚が“彼”に訪れる。そして続いて包帯を解いた顔面に激痛が走る。
完全に死角から、唐突な攻撃。胴体もなく空中に浮かぶ青いライダースーツの腕は完璧に振りぬいており、その下には赤い仮面のお母様、その首だけが浮いている。
「散布した塵機を任意の場所で再構築、これ、塵機保持者の基本」
《…そうだったな、思い出した》
「じゃ、思い出したところで死んでおくれ、若いの」
地面にもんどり打った“彼”が次に見たのは、氷柱のように天井に釣り下がる十の手首と十の足首。そしてそれを操るように五つのヘルメットを被った生首も宙に浮かぶ。
手品で手足が離れたり、胴体が切れたりすることはあるが、なるほど。手品師というのは塵機保持者だったのか。
『必殺、ヤツデストームッ!』
楽しくトランプでもやる家族連れか、お前たちは…“彼”がそう思おうとなんだろうと、とにかく振ってくる二十の首。
その拳足は一撃で病院を強震、二撃で病院を烈震、三撃目で激震…あとは既に揺れられない。揺れが伝播する前に超振動となり床を粒子に砕いていく。
ちょうど彼らの居た階の床を消滅させたとき、ベッドや机と一緒に“彼”の姿も消滅していた。
吹き抜けのようになった空間の中、五つの生首からは下の階まで落下するまでに急ピッチに胴体が生え、やはりヒーローのようにポーズも決める。
「オイオイ…ちょっと待てよ…殺しちまったんじゃないか? 母さん?」
彼らが落下した先は、病院のホール。
まだ朝が早いが、それでも医者や清掃員などの従業員、入院患者が詰めており、先ほどの八手一家の攻撃の振動で身を伏せていた人が大勢居る。彼らは八手一家の登場に先ほどの揺れ以上の恐怖を感じていたことだろう。
「“彼”ならばこれぐらい避けられると思って使っちゃったけど…まあ、良いんじゃない?」
「良くねえよ! 俺、頭が減ってるんだぜ? せっかく食えると思ったのに…これじゃあよッ!」
頭が減る。その表現を待つわけがない。病院のホールはナチュラルで凡庸なパニックに陥っていた。全員が出口を目指すようなヤツ。
体中を塵機に分解できる彼ら、塵機保持者のことをコロニーと呼ぶが、この由来はその特性に有った。
例えば、海中のサンゴなどは無数の微生物が結集して一体を形成するが、これに近い。
微小な塵機ひとつひとつが全ての人生記憶とDNA・RNAなどを記録し、量子リンクによって全ての固体が情報を共有。全は一、一は全を比喩表現ではなく、地で行く存在になる…それだけだと思われていた。
「臨界自由状態したからね、まあ…一緒に食べましょう? 大秋」
母親の言葉を待ってましたと、大秋は両腕をナノマシンにほぐし、、ゴチソウの周りで再構築する。そこには入り口の自動ドアに虫のように張り付いた病院関係者たち。
塵機は周囲の物体を分子レベルまで分解、そして自分と同じ塵機を複製する。そのため、一秒前までは全く別の存在だったものが、自分と全く同一の存在にする。元になる物体が何であろうと複製された塵機はオリジナルと全く同一になる…はずだった。
だが何かが違った。何が違うのかは分からないが、とにかく何かが違った。
「お前の記憶は…どんな味だぁ?」
病院中に悲鳴と靄が充満している。全員で臨界自由状態になった八手一家の塵機でちょうど湯気と霧の間ぐらいの白さ。
塵機保持者は、塵機の循環によって性格や知能、身体能力のパラメータを変動させ、成りたい不老不死の自分自身となる。
カルマから羊を解放し、原罪さえも御釈迦にできる全人類を聖人とする計画だったが、その破綻に最初に気付いたのは家族で実験体となった八手一家。
生きた人間を分子にほぐし、塵機として一体化したときに発生する、奇妙な充足感。殺人症候群。
――誰を食おうかなッ!――
――待て待て。最初は婆ちゃんと父さんだろ?――
――構わん、大秋、好きに選べ――
――わぁーッ、どれにしよう――
殺人症候群に、人類は思い出したように戦慄した。
食事や睡眠や生殖からも自由となった塵機保持者たちを、人間と証明する方法を誰も持っていないことを。
殺人への葛藤も、罪悪感も、嫌悪も、全ての感情を消し去り、ただ人間をほぐして食べるという代替のできない快感だけを求める怪物が生まれていた。
一般人が咽び泣く声や、八手一家の塵機コーティングによって強化された窓ガラスを破壊しようとパイプ椅子でたたき続ける音が響く病室。彼らは次の瞬間には自分が塵機に分解されて消える恐怖に晒されていた。
一秒々々が長く感じる。一分が一時間にも感じられる。そして二分が過ぎたとき、八手一家の四人が気がついた。
――…? どうした? 大秋、食べていいんだぞ?――
品定めをするにしても長すぎる。次男の大秋が塵機同士の無線通話がない。八手一家は誰からともなく臨界自由状態を解く…というか、固まる。塵機同士を寄せ集めて一個に戻った。
「…大秋ッ! どうした! 食事中にふざけるのはやめなさい、一度、集合しなさい!」
四人とは距離を置き、脱出すべく玄関ホールに集まった人々の近くに“彼”は出現した。
ヤツデグリーンの大秋ではない。ヘルメットにしては小さすぎるその頭、しかし素顔にしても異常すぎるその頭。
肉も皮も髪もなく、代わりとばかりに光沢と透明感のある黒い頭蓋骨。その眼窩には目玉はなく均一に伸ばしたルビーのような板が蓋をしている。
もちろん“彼”だ。記憶と共に顔すら失った男。
「…お前…大秋をどうしたッ? いや、それ以前に…死んだはずだッ! 私たち家族のヤツデストームでッ」
二番目の答えは分り切っている。“彼”は今、無数の塵機から人の形に戻った。 攻撃を受けるより前に自ら臨界自由状態になり、打撃を避けるだけでいい。
《…お前らの家族は…ジブンの中にいる。ジブンが取り込んだ》
端的に云った“彼”の言葉を理解したヤツデレッドこと母親の楓がぐらついて倒れそうになるが、すんでのところで自分でバランスを立て直し、大きく息を吐いた。
「ふーん、そう、大秋が消えたの。でも、あなたは大秋を取り込んだときに大きく消耗したはず…それであたしたち四人に勝てるかしら?」
《…お前たちは、息子や孫や弟が消滅させた…ジブンを恨まないんですか》
「恨む? 先に殺そうとしたのは我々なのに?」
「既に悲しいという感情や、大秋に対する愛情は消去している…そんなノスタルジィはないよ」
ひとり減ったヤツデ一家は最初からそうだったように四人で平然と拳を構え、ポーズまで揃っている。
悲しみも後悔も、何もない。 ただ当初の予定通りに“彼”を始末するだけ。
《それも惑星番長の命令か? それだけが最大の満足を得るように調整された塵機だと…分かっているんだろう?》
「ああ。分かっているさ。惑星番長たちに従うことが最大の満足、最大の安心。それに疑問だと思うような下らない感情はとっくに消去したよ…ところで、お前のこと、なんて呼べばいい? 名無しじゃ面倒なんだが」
今死んだ弟のことより、目の前の敵の名前か。
塵機保持者は、苦しむことはない。それが幸せだと思っているから。
《…そうか、お前たちは…家族を奪われても泣けず、自分が消えても涙を送られないことを…幸せだと云うのか…ッ》
「辛くないからね、不幸じゃない。だから幸せさっ」
《ならばッ! ジブンのことは…小野寺。 小野寺翔太郎とでも呼べ》
小野田弦太郎でもなく、寺井翔一でもない“彼”は、親から付けられるべき名前を自分でつけるしかなかった。
最終回が9月3日までに上がるかが微妙。
今日中に仕上げられないと、もう本来は起承転結の転に当る部分を結にすることになりそう。