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光と闇の楔  作者:
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光と闇の楔 ~攻防戦開幕の序曲?~

時期があいてすいません・・・

なんかバタバタしてたのどうにかおわったのにパソで打ち込みする気力にならず・・・

なんか毎回、ラスト近付いたらこういう衝動になるのはこれいかに(汗


ここはいったい何なのか。

すでにいくつか掌握したというのに、この恒星群はなかなかしぶとい。

強い力を感じる場所からまずは堕としていった。

闇につつまれたかの場所はいずれすべての光を失い、そのまま死へとむかってゆくであろう。

死をまつものよし、自ら物質そのものを放棄するのもよし。

どちらにしろ一度とりこんでしまった以上、それ以上の力をもってしなければ脱出することは不可能。

「我が欠片が直接にでむく価値はある…というわけか」

少しばかり周囲の情報を読み取れば、この恒星群はいまだに若い。

誕生してこのかたさほど経過していないにもかかわらず、全ての星に少なからず命が宿っている。

こういう場はかなり珍しい。

大概、恒星群においても二、三も命が誕生し進化していればその場所はかなりの力をもっている。

といっても過言でないのに。

しかしここは主たる惑星の全てにおいて大なり小なり命が存在しているらしい。

「力は力を呼び込むからな。…さて、次代の器がここにいればいいのだが……」

力のない場に力あるものがいればそれだけで目立つ。

器が誕生してこのかた探し続けているがいまだにみつけられない。

もしかしたらこのたびは異なる姿をしている可能性も否めない。

ようやく【マァト】の力が弱まり、自分がこうして表にでてこれているこの機会を逃す手はない。

いつも、【マァト】に取り込まれ、そのまま自らは眠りについた状態にとなってしまう。

わかってはいる。

仲間を求める、ということ自体がさみしい、という感情からきている、ということは。

そしてそれらを包み込むもの、それが【マァト】ということも。

光の中でまどろんでいる時は確かに安定しているが、それでもやはり始めから何もないほうが安心する。

それがなぜ、なのかはわからない。

おそらく、何もなければ失うこともない、というのが前提にあるのだ、というのは漠然とはわかっている。

しかしだからといって自分の目的を変える予定はさらさらない。

だからこそ、仲間をつのり、世界を深淵なる虚無へ導くためにと行動しているのだから……




              光と闇の楔 ~攻防戦開幕の序曲?~





「そういえば、三の姉様」

「何?六の姉様?」

攻撃は外部と内部から。

全員の力をもちいて【太陽】の力が及ぶ範囲、すなわち重力圏においてその境目の場にと結界を施した。

今現在、全ての惑星は六紡星の位置に存在し、内部における三つの惑星は三点の位置につき、

太陽を取り囲む形にて周囲を廻っている。

さらには小惑星達の協力も得て簡易的とはいえ結界を三の惑星付近にほどこしてある。

それでも、この区域に全員の【意思】が集まりどうにか対処している今現在。

「三の姉様って、自らの【仮初めの器】いくつまで持続できるの?

  あれってけっこう生命力つかうし、私はかろうじて三つが限度だけど……」

ふと今まで気になっていたことをこの機会とばかりにといかける。

確かに、六番目の惑星である【土星】とも呼ばれし彼女からしてみれば、

三番目の惑星である【地球】である彼女が、

常にその仮初めの器をいくつも同時に創りだしていたことを見知っている。

だからこその問いかけ。

「そんなの数えたことないから判らないわよ?あ~でも今のところ疲れたことはないわね~」

いわれてふと気づく。

昔から様々な形でいろんな場所に欠片ともいえる分身を創りだし出向いたりもしていた。

しかしそれで自らが疲れを感じたことは一度もない。

またそれによって惑星が疲弊したりしたこともまったくない。

「まあ、多分慣れじゃないかしら?」

そもそも、【雨】などといった代物をふと思いついた生みだしたのもまた【三の意思】自身。

それから海が出来上がり、そこに微生物といった生命体ならいけるかな?

とおもってこれまたその形を仮初めに生みだして欠片として生息してみたのもまた意思自身。

…さらにはそれらの内部に【ミトコンドリア】といった代物を取り込んだのもまた意思自身。

「……けっこう思いつきでやったのが後にいろいろと進化の手助けになってたりしたからね~」

胎内で栄養素を創れるようになった単細胞生物はやがて多細胞生物にと進化し、

そしてそれらは数多な生物へと進化していった。

その都度、暇という理由と同じ時間を共有したい、という思いから

その意識の一部をそれぞれの生命体として誕生させて様子をみていた三の意思。

誰に教わったわけではない。

それは【三の意思】自身が自らの意思において行動していたこと。

そんな彼女の真似をして他の意思達もまた同じように行動を開始していたりした事実もあったりした。

「そんなもの?」

「そんなものでしょ?きっと」

さらっといわれればそういうものなのかもしれない、と納得せざるを得ない。

が、かなりの力をつかう行為であるにもかかわらず、そういった力に慣れるものなのか。

という疑問は尽きない。

しかし時を同じくして誕生した大切な【家族】でもある【三の意思】が他から知識を得ていた記憶はまったくない。

もしかしたら、今の姿になる前の魂における記憶がそういう行動をとらせているのかもしれないが。

前世ともいえる魂の記憶を知る術など誰にも持ち合わせてはいない。

特に、自分達のような【星の意思】の前世に関してはいまだにもって謎に満ちている。

星が星のままとして意思をもっているのか、もしくはかつては別な【何か】であったものが、

星の意思として意思をもつ星として誕生することになるのか。

おそらくそれらを知っているのは宇宙を統治する立場にいる【マァト】くらいであろう。

主系列星である【恒星】ですらおそらく知りえない事柄。

「…今、三の姉様はいくつ実体化してるわけ?」

その奮う力に淀みはまったく感じられない。

しかし聞かずにはおられない。

何しろかの地には次代の器が滞在している。

ここにこうしてきているのは三の意思の意識の分身ともいえる存在だと理解はできる。

分身であるからこそ全ては一つであり、ゆえにどのような場にいても基本は一つ。

ゆえに全ての分身の意識は一つであり、どのような場合においても意識は共有。

「今現在は、天界と魔界。あと地上界。それと大姉様のところでしょ。

  あとひとまず念のために月と。冥界のほうはハデスに全力で結界はらせてるし。

  あとは気になるから六つの結界拠点にもひとまず意思の欠片はおいてるけど」

それだけの自らの意思の分身でありまた拠点を創りだしているにもかかわらず、

三の意思に疲れはまったく感じられない。

おそらく、意思となっている魂の器の大きさが異なるのであろう。

それくらいは理解できる。

できるがこうもあからさまに自分との落差を見せつけられれば何となく負けたくない、

という気持ちがわき上がってくるもの事実。

三の意思からしてみればそれは自分にとっては当然のことであり、

できることを全力で、という思いは今も昔も変わらない。

「…って、そうこういっているうちに、きたわよっ!」

ふとみれば、ゆらり、と結界の外部の空間、すなわち深淵なる空間が突如として歪むのが見て取れる。

そこより出現してくる異形の姿をした【何か】としかいいようのない存在たち。

しかし、それらを内部にいれるわけにはいかない。

彼らは【物質】を喰らう性質をもっている。

それがわかっているからなおさらに。


誰の目にも触れることのない主系列星の加護が届くか届かないか、という最果ての地。

その地にて惑星の意思達による攻防戦が今、ここに開始されてゆく――



いまだに先日、空にかかった光のカーテンは収まっていない。

さすがに夜といわず昼もその光景が続いていれば、人、というものは慣れるもの。

しばらくの間、騒いでいた人々も今ではその光景にあるいみ慣れ始めている今日この頃。

それでも、大多数の土地において地震の回数が増えたりしてはいるが、

それらが起こる前にそれぞれの土地における守護精霊達より神託が下り、

人々は今のところ地震による大規模な被害は免れている。

この世界において、精霊達が意思をもっている、ということが自然現象における何よりの強みとなる。

精霊達の意思により、ある程度の自然現象は緩和することが可能。

しかし、精霊達の力でもどうにもならない事柄も当然のことながらあるわけで……

「…あ、あの?いいんですか?」

戸惑いつつも問いかける。

そもそも、彼女が傍にいてくれることは心強いが、しかし不安は募る。

隣にいるディアに気をつかいながらもといかける美希。

「何がですか?」

「何が…って……」

そんな美希の問いかけに、きょとん、と首をかしげて問い返すディア。

美希とすれば、ディアのこの落ち着きようが気になって仕方がない。

先日、この惑星における磁場を少し変更したことは、美希も同じく同行していたので知っている。

その後、魔界と天界…この世界におけるあるいみお伽噺や神話レベルの話しに慣れはした、したが。

ともあれ、そのあと、天界と魔界よりやってきた、という代表者が一時氷に閉じ込められたものの、

それぞれの界の安定が不安定になったとかで【補佐官】に意見をききにきたらしい。

ということも。

その閉じ込められた瞬間を目の当たりにしていたために知りたくはないが一応知ってはいる。

ディアいわく、何でもかんでもすぐに頼ってくる。

だから進歩がない、とぼやいていたが。

惑星における磁場を変更したのは何もこのたびが初めてではない。

かつて一度ほど同じように多少変化させたことがあった。

そのとき行ったことを参考に、それ以上力を注げばいいだけなのに、

それすに思い当たらない管理者ともいえる上層部の存在として創っている存在達。

そのままほうっておいたら確実に魔界と天界のバランスが崩れるのは明白であるがゆえ、

近いうちに戻る、と確かディアは言っていたような気がするのは気のせいか。

なのにいまだにこうしてここにいることが不思議でたまらない。

それゆえに美希としては気になってしかたがない。

自分の傍にいてくれることは心強いが、自分のために無理をしているのではないか。

という少しばかりそんな負い目すら思ってしまう。

そんな美希に対し、

始めは何を美希がいいたいのか察することができずにしばし首をかしげていたものの、

「ああ。もしかして【あちら側】のことですか?大丈夫ですよ。

  この体はあるいみ仮初めのものですし。いくつでも同時に存在させることは可能ですからね。

  とりあえず、天界と魔界にも【私】はすでにいっていますよ?

  まあ、重力圏外で侵入者と攻防戦を繰り広げている【私】のほうは常に気が抜けませんけど」

美希の言いたいことを察し、にこやかに答えているディア。


実際、こうしていても全ての【自分】よりそれぞれの状況が伝わってくる。

それはどの【場】における【自分】とておなじこと。

どの場所にいるのも自分自身にはかわりがない。


そんな美希とディアに対し、

「?また判らない言葉で話してる。というか、たしかニホンゴ…とかいったっけ?それ?

  でも伝道師様達が扱う言語を使えるなんて美希ってすごいわよね~」

横にて意味不明な会話を始めた二人に対しそんなことをいっているケレス。

時折、二人はケレスには意味不明な言葉で話しこむことがある。

ケレスも簡単にその言語を習ってはみたが、その言い回しなどが難しく、いまだに習得までには至っていない。

そもそも、一つの言い回しだけでもいくつも意味がある言語、ということ自体がケレスからすれば理解不能。

人はなかなか慣れ親しんだ言葉以外のものを学ぶとき、どうしても先に先入観。

というものが先立ち、なかなかそれより先に進めない傾向がある。

例をあげれば、たとえば自分は苦手、とおもうとなかなかそれらを習得することなどできはしない。

逆に興味をひかれて絶対に覚える気があるならば時間は関係なくさくっと覚えることも可能。

話しこんでいる美希とディアに対して話しかけているケレスとは対照的に、

「ふふふ。任せてください!何があってもお守りしますからっ!」

一方で何やら異様に気が高揚しているっぽいアテナ。


三者三様。

とはまさにこういうことをいうのかもしれない。

実際、この場にいるのは四人、なのだが。

それぞれの反応からしてみても、その諺が何かしっくりくるわよね。

そんなことをふと思う美希。


今、彼女達がいる場所は王都より少し離れた場所にあるとある平原。

先日、空に光のカーテンがかかってしばらく後に突如として魔獣が大量発生したと報告がはいった。

偵察隊を王都より仕向けてみれば魔獣、と認識されていたのはどうやら堕烙者であったらしく、

かつて魔獣であったそれらはすでに完全に【死の念】にと取り込まれてしまっていた。

死を恐怖するあまりに発生した念により誕生する【ゾルディ】は文字通り、

死に対する恐怖心より発生する存在であり、その姿も様々。

さらにいえば死から連想される形に姿を変化させることもあり、

はっきりいって直視したくない存在の一つにとあげられる。

「というか、なんでゾンビ?これ創りだしたのが誰か予測ができるゆえに呆れるしかないんだけど……」

平原の先にある村より要望がきて、ギルドに登録しているディアが出向くこととなり、

美希もまた自分に何かできることがあれば、というので同行することに相成った。

それを聞きつけたケレスもまた同行する、と言い始め。

さらにその話しを小耳にはさんだアテナが自分が護衛にあたる!といいだし…そして今に至る。

アテナいわく、教師が生徒を守るために同行するのに説得はいらないというか怪しまれない。

とはいってはいるが。

アテナからしてみれば、補佐官であるディアの役に立ちたい、というのがある。

髪の色と瞳の色は変えてはいるが、自分達が尊敬する補佐官ティアマトにかわりはない。

もっとも、いまだに補佐官と【王】が同一である、というそちらの事実については、

ディアにより強制的に意識すらできないように、また認識すらできなくなっていたりする。

それでも特別講師としてやってきているアテナがディアに構ってくるのはかなり目立つ。

まあ、名目上は大会の優勝者が狙われる可能性があるのでその保護をかねて。

ということになってはいるが。

「あ~…アテナ。気を張りすぎて空回りしないようにね~。どこかいつも抜けてるし。あなたは」

彼女は一つのことに夢中になると他のことがみえなくなる性質があるらしくそれでよく失敗を犯す。

まあこのあたりの性格はおそらく母であるヘラに似たのであろう、と容易に予測はつくが。

「まかせてください!ゾンビごときにこの私が負けるとでも!?」

すでに今から出向く場所に沸いてでてきている魔獣の慣れの果て。

堕烙者の大まかな特徴はギルドを通じてディア達にも伝えられている。

死に切れない存在に対して有効なのは聖なる力。

死の力に反する力は【生】なる力。

死が終焉の闇であるならば、【生】は希望の光。

光の属性によって死を蹴散らす、ということもできなくはないが、今回は少しばかり異なっている。

アテナの所属は確かに戦乙女、という部類ではあるが、彼女はまた愛の女神でもある。

光により死から救いだし、その愛により捉えられているであろう【魂】を冥界へと導く。

そのためにこのたびは一応、アテナが戦うことに関してディアは許可をだしている。

もっとも、そんなアテナとディアのやり取りは当然のことながら一緒にいるケレスには判らない。

そもそも天界共通語は在る程度は習っているもののかなり難しく、いまだに完全理解までにはおいつかない。

「……植物系のゾンビが苦手だったの誰だったっけ?」

ぽそっ。

びくうっ!

ぽそり、とつぶやくディアの言葉に傍から見ていてもわかるほどにその場にて固まるアテナ。

「?ディアさん?アテナさんはいったいどうなさったんですか?」

そんなアテナをみて首をかしげている美希。

ちなみに、子猫みゅ~は危険なので部屋にて留守番させようとしたのではあるが、

みゅ~が嫌がったがゆえに、

結局のところ美希の腰にとつけている小さなポシェットの中に大人しく収まっている。

みゅ~ちゃんとて見知らぬ土地で一人ぽっちで留守番、というのは不安なのでは?

というのはアテナ達の言い分。

しかし何となくこの【みゅ~】が普通の子猫ではないことを察しているディア。

しかし確信が持てない以上、それを説明する必要性はないであろう。

ゆえにそのことについてはいまだに誰にも話していない。

「アテナね。昔、蜘蛛においかけられたことがあって、

  そのときにロキが実験してた食虫植物に喰われたことがあるのよ」

ちなみにその実験とは腐食と生体における安定度を測るもの。

娘の体を治すための実験に植物といわず様々なものにおいて実験を繰り返していたロキ。

もっとも、お守りを渡している以上、それ以上体が蝕まれることは絶対にありえなかったのだが。

「……クモ?それに食虫植物…って…」

何となく予測したくはないが予測がついてしまう。

「その全身をほとんど腐敗させながらぬるぬるとした蔓でアテナの足をつかんでね……」

「…すいません。それ以上は言わないでください。というか想像させないで!」

とあるゲームにでてきた肉食植物のことをふと思い出す。

あのようなモノが実際に目の前にきたら…絶対に卒倒する。

まあ卒倒していたら確実に餌食になってしまうのでひたすらに逃げるしか方法はないであろうが。

「まあ、今回これを行ったのはどうも残党の一味らしいけどね……」

今は【門】であるソトホースの力も多少緩んでいる。

彼の力は基本、この地における磁場と共鳴している、といって過言でない。

磁場が強くなったことにより逆に彼の力が突如として一気に膨れ上がり、

結果として力を完全に制御できるまで多少力を落として【門】を管理している今現在。

一時、門の監視が緩んだ隙をつき、いつか界を抜けようとしていた輩達はその隙に界を脱出した。

「…ディアって。どこからそういう詳しい情報を得てるわけ?

  …まあ、何かディアがアテナさん達のことを敬称つけて呼んでたら

  相手が固まったりするので仕方ないかもしれないけど……」

ディアがアテナやアスタロトのことを【先生】呼ばわりしたときに、

あからさまに二人して固まったことは記憶に新しい。

周囲にどうにか二人とも気づかれないようにしていたらしいが、顔が引きつっていたのをケレスは見逃してはいない。

何でもディアいわく、伝道師にもツテがあるのでそのあたりの関係でしょ。

と軽くケレスの問いには答えていたが。

おそらく絶対にそれだけではない。

断じて。

言霊使い、という存在そのものがあるいみ伝説上ともいわれていたことからそのあたりの関係なのかな?

ともおもうがそうでないような気もひしひしとしている。

しかし不思議とディアが【人】ではない、という可能性に思い当たらないのはケレスがケレスであるゆえん。

特に彼女は思いこみが人一倍激しい性格でもあり、

ゆえに一度ディアを普通の【人】として認識してしまっている以上、

よもや【他界】の関係者かもしれない、という可能性は奇麗さっぱり失念されている。

その一番始めの思いこみなどがなければ、【大会】中における理不尽な現象も、

その後起こった現象も全ては【一つの可能性】に結び付いたであろう。

もっとも、よもや【惑星の意思】そのもの、までは予測不可能、ではあろうが。

「情報は常にどこからでもはいってくるものよ?

  というかその気になれば誰しもその程度のことは知ることは可能なんだけど。

  たとえば、この辺りに漂っている大気中にいる精霊達だけど。

  彼らには【門】はあってなきがごとし。だから、常に【窓】を通じて行き来してるし。

  なので【他界】の情報などは彼らにきけば在る程度はわかるものよ?」

実際、基本的に精霊達は【惑星内】に存在しているわけであり、ゆえに【界の区別】はなきに等しい。

そもそも彼らには【器】という体が存在していない。

ゆえに自在に行き来することは可能。

もっとも、それぞれの界における精霊達がそれぞれの界に自在に出入りができている。

というのを知っているものもまたごくわずかの存在しかいないのもまた事実。

「あ、あの?それより、ディアさん。残党の一味…って、一体?」

何か話題がさらっとずらされたような気がする。

さきほどディアがいった一言はかなり重要なような気がするのに。

なぜか精霊の話題にいつのまにか話しはすり替わってしまっているように感じるのは美希の気のせいか。

「え?ああ。そういえば説明していませんでしたっけ?どうもこのたびの大量発生。

  【ハスター・ホテップ】と【テケリ・ショゴス】側の残党達が裏にいるみたいなんです。

  まあ、組織のトップともいえる代表者はすでにショゴスとハスターに取り込まれてしまってますけど」

かの存在は各時代に存続しうる頭首達当人を取り込むか、もしくはその感情を取り込むか。

それにより力をつけていた。

このたびは当人そのものを一度取り込んだようではあるが。

しばらく時が経過すれば【意思】により封じられた二つの存在の内部より、

それぞれの元頭首達はそれまで抱いていた【強き心】を無くした状態で再び世界に再臨する。

「って、残党!?それって大ごとなのでは!?」

さらり、というディアの言葉をきいて思わず叫ぶアテナ。

先ほどのディアの言葉により過去のトラウマを思い出し、しばらく落ち込んでいたアテナだが、

残党、ときいてふと意識が浮上する。

ディアこと補佐官ティアマトのいっていることなのだからおそらく間違いはないであろう。

しかし、しかしである。

こういう場でさらっと重大ともいえることをいってもいいものなのか。

自分達にとっては重大とおもえることでも、もしかしたら補佐官からしてみれば重大でも何でもないのかもしれない。

様々な思いが心をよぎるが、今はとにかく正確な情報が必要といえる。

何よりも今この場には、補佐官だけでなく、異世界よりの来訪者もいるのである。

異世界よりの来訪人がどれほどの力をもっているのかはわからない。

しかし、補佐官の対応をみるかぎり、下手に刺激しないほうがいいのであろう。

というのは何となくではあるが容易に予測はつく。

「彼ら自体にはさほど問題はないわよ。ただね~。

  どうも【超空洞ヴォイド】の欠片、というか端末が影響してるみたいで。

  簡単にいえばソレが彼らに力を貸しているみたいなのよね。

  彼らの心の【闇】を媒体にしてどうもこの【内部】に入り込んできたみたいだし……」

他者の【闇】にも入り込めることができるのは【超空洞ヴォイド】の特性、といえば特性になるであろう。

何しろ【超空洞ヴォイド】は知られていないだけでどこにでもあり、またどこにもない存在。

逆をいえば、どこにもないがゆえにどこにでもある、それが【超空洞ヴォイド】という存在。

美希が共についてきている状態で、もしも【超空洞ヴォイド】に美希が【何】なのか気づかれれば。

おそらく激戦は免れないであろう。

それは覚悟の上。

【自らが取り込むこと】ができればそれにこしたことはない。

しかし、事はこの【世界】の根柢にもかかわること。

自分が行うよりは、おそらく美希がそのことに気付かなければならない。

なぜだかそう漠然と思う。


全てを守ること、それはすなわちどのような存在であっても全てを抱擁すること、に他ならない。

全てを包み込む、無類なる【慈愛の心】。

それらが【マァト】には求められる。

そのことに気付いたとき、美希は本当の意味で、【次代の器】としての継承の儀を終えたこととなり、

その時、どんな場所にいても自然と全てを受け継ぐこととなる。 


しかし、彼らは気づいているのであろうか。

超空洞ヴォイド】が求める理由の根柢にある心。

心があるからこそ他者を求め、そして終焉を願うわけであり。

しかしその根柢にあるのは、自らの心の安定。

しかし…しかしとおもう。

心があれば、そこにあるだけでどれだけ苦痛になるのか…おそらく彼らは気づいてはいないのだろう。

どうしてそう思うのかそれはディアにもわからない。

しかし、心があればそれだけ感じる世界もまた多種多様、というのだけは紛れもない事実。

その多様なる姿によりどれだけ心が救われるかも…おそらく、【超空洞ヴォイド】は気づいては…いない。                 

最近、並行打ち込みしてた「魂」さん(メモ帳のみ)の番外編が頭からはなれず。

・・・・・・まあ、とりあえずこれとWGを完結させるのが先、ですけどね。

ともあれ、どうにか気力奮い立たせつつ頑張ります・・・

いつもなら20kくらいだと一時間ちょいでもあれば打ち込み可能なんですけどね・・

気力さえのってれば(汗

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