光と闇の楔 ~大異変の兆候~
さてさて、そろそろいい加減に現代宇宙論に対する?つらつらとした世界説明さん。
ある程度主たるところは説明しおわったので(物質のパーセンテージなど)。
そのあたりを説明してあるのとないのとでは、やはり?度あいが違う、とおもいますしね。
何でいきなり星が危機になってるの?とか意味不明になる可能性より、
あらかじめ説明しておいたら科学的(?)根拠からしてもある程度は納得できる形にをば。
そもそも、主人公だけの説明では詳しいところまでは説明できませんしねぇ。
説明しても、おそらく、主人公に説明うけるサイドの人々は?状態ですよ。この世界では。
何しろ、原子だの粒子だの、そういった概念が全てなくなってる世界ですからね…
それらの概念はすべて、精霊、という形にすり替わっているこの世界…
ようやくお仕事もあるいみひと段落?したので通常通りに頑張って打ち込み再開です
主。
ヌシ、アルジ、シュ、呼び名は様々。
されど、呼び方は異なれど相手を敬わっていることに代わりはない。
中継点たるその感覚をひろげつつ、自らの分身であり、次代の器であり、
そしてまた、感覚的には【後継者】であり、【娘】を探すべく。
男だの女だの、自分達にそういった性別はない、が感覚的に自分がどちらに属するのか。
それはなぜだか理解ができる。
もしかしたら、このような立場になる前、自分がそのように在ったのかもしれない。
この世界における【命】は【心】であり、【意思】である。
そして【意思】は【精神体】であり、そして【魂】そのもの。
魂における器がおおきければ大きいほど、その意思が司る世界はより大きく発展をとげてゆく。
されとて…その器を守りきるためには並みならない精神力が必要となる。
だからこそ、代替わり、などという制度を生み出した。
新たな歴史を紡ぐために、【世界】を確実に導いてゆくために。
いつのころからこの制度があるのかわからない。
ただ、そのように自らが在ることこそが、全ての真実。
だからこそ。
『私の力がつきるまえに……次代の後継者よ。我が意思に答えてその呼応を……』
意思たる力、精神力がつきてしまえばこの【世界】はまちがいなく呑みこまれる。
儀式さえすませれば、その意思の一部を広げ様々な中継点に出向くことも可能。
無意識における集合体となることも可能となる。
しかし、今の自分にそこまでの力はもはやない。
今あるのは、ただ、【虚無】になさんとする【無の心】に抗うだけの力しかのこっていない。
我が後継者たる、かの地より選ばれし人の子の器の広き魂よ。
今、あなたはどこにいるのですか?
光と闇の楔 ~大異変の兆候~
唐突、といえば唐突。
突如としてなぜか全ての命ある存在達の心に直接響いてきたようなその言葉。
『ひと時の幻。世界は光に包まれん』
それが何を意味するのかまったくもってわからない。
しかし、それは確かに、全ての存在にどうやらその【声】は聞こえたらしい。
どこかできいたことのあるような、それでいてとてもなつかしいその声。
しかし、なぜかその声を聞いたものたちは心のどこかで安堵したのも事実。
まるで何かを探していた子供がその何かをみつけたときに感じる安心感。
そのような感覚や感情を全てのものが抱いたりもした。
いえることはただ一つ。
その声は【世界】より【世界】の中でいきている自分達に向けられた何かのメッセージなのだ。
ということ。
それはほぼ直感。
誰に説明をうけたわけではない。
だけども、なぜだか【判る】。
聞こえてきたその声は自分達が存在しうる【世界】からのものだ、と。
かつてこの【声】を聞いた覚えがある。
しかし…それがいつのことだったのか、誰も思いだせない。
それは、遥かな昔。
今、この地にあふれている命はかつてこの大地に根付いていた生命達。
彼らの命が途絶えてしまったときに、意思が直接彼らの魂を救いあげた。
魂に刻まれた記憶は決して消えるものではない。
―― 新たな命を願うか このまま安らかな眠りを願うか 愛し子達よ 選ぶがいい
地表が一時、生命がすめなくなるほど壊滅的ダメージをうけたときに惑星が発した言葉。
当時、ほとんどの【命】が新たな命を願った。
だからこそ…今、数多の生命体達は、新しき理のもと、こうして今、ここにいる――
「「お…王は何を考えておられるんですかぁぁっっっっ!!」」
ぜいぜい。
思いっきり開口一番、叫んだかと思うと二人同時、息もたえだえ状態にと成り果てる。
叫びもしたくなる、というもの。
全ての命あるものに響いたあの声。
あれはまさに【世界】の声。
王がその意図を知らないはずがない。
しかし、自分達にはまったく事前連絡もされていない。
ただ、磁場を強くする。という報告がぽんっと心の中に浮かんだのみ。
磁場をいきなり強くする、ということは生態系に何らかの影響を及ぼしかねない。
それはどの界においてもいえること。
王と繋ぎをとれない以上、補佐官である彼女に文句…否、問い合わせる他はない。
ゆえに、今現在、どの位置にいるのか探索し、そしてそれぞれ降りてきた。
しかも、どうやら磁場を変更させるのは補佐官の役目であったのか、
彼女達がいたのは、北と南、それぞれの地軸点、ともいわれ、
自転軸、とも一部ではよんでいる重要な聖なる場。
ゆえにその姿を確認したとき…思わず叫んでしまった彼らを一体誰が責められようか。
補佐官たる彼女がその場にいる、ということは
おそらく王より何らかの命をうけて行動しているのであろう。
そう簡単に予測がつく。
つくからこそ思わず叫んでしまうのは仕方がない。
そもそも地軸、とも呼ばれている世界の回転軸、
そこに手をくわえる、というのがどういう結果をもたらすのか。
昔、少しそれらを移動しだたけでかなりの被害が各界において発生した。
それゆえに叫びもするというもの。
地軸をいじるにあたり、自らの器ともいえる体を二つにわけ、
ちょっとした遊び心をかねて、『補佐官』の姿をそれぞれに纏ってみた。
ティアマトとしての横には美希が同行し、そしてまたルシファーの姿のほうには地軸をいじる。
そうきいたヴリトラがこの場に同行していたりする。
叫ばれた声は、北と南、とある軸上においてほぼ同時。
「サタン(ゼウス)あまり叫んだらこのあたりの氷が解けかねないでしょ?」
ひとまずやってきたそんな彼らにひとまず同じく同時ににこやかに答え、
それでいて彼らの周囲のみの空間をちょっぴしいじるディア。
「「ぐっ!!?」」
それにより、その場、すなわちその地に満ちる氷に縫い付けられ、
さらにはそのままずぶずぶと氷の中にと埋め込まれている【何か】の姿がみえていたりする。
北の地点と南の地点、二つの地点においてサタンとゼウス、それぞれが氷の中にと埋もれてゆく。
本来ならば彼らの力をもってすれば両極に発生している氷などどうってことはない代物。
しかし、しかしである。
彼らの周囲に発生している【氷】は普通の【氷】ではない。
あきらかに見た目は周囲の氷と大差ないのに、特殊なそれは、
もののみごとに、彼らの肉体だけではなく、その魂すら完全に氷の楔によって拘束してゆく。
そのままその体といわず【魂】そのものすら氷で覆われ身動きできなくなった彼らをさくっと無視し、
「さってと。とりあえず、少しばかり地軸をいじって磁場を強化するとしますかね」
いいつつも、同時にそっと地軸の点となっている場に手を添える。
そんなディアの姿をみつつ、
「というか、どうしていきなり姿をその黒髪にかえたんですか?」
たしかに自分は黒髪であるが、目の前のディアが黒髪にする理由がよくわからない。
「本当はこの姿をとらずとも、変更は可能、なんですけどね。
とりあえず、何もないままに変更したらさすがに不思議がられますし。
ついでなので、この身を二つ具現化させて
【私たち】が変更しているように見せかけようとおもいまして。
ちなみに、こちらの姿は天界の王、主神の補佐官をしていますティアマト、といいますけどね」
目の前のこの【惑星の意思】がそれぞれ、天界と魔界の王と補佐官をしている、
というのは一応、美希は説明をうけている。
受けてはいるが実際にそれを目の当たりにしたわけではないので、
理解はしているつもりでも感情はいまだにおいついていない。
まあ惑星の誕生時期より今にいたる光景を、
ざっと簡単ではあるが視せられれば、嫌でも信じるしかなかったが……
その【記憶】は美希にとってもある意味考えさせられるものもあった。
幾多とおこった宗教戦争、人種の違いよる差別。
そして自らとは異なる姿をしたものたちへの差別。
そして…未知なる力をもったものへの恐怖と畏怖。
それによって行われた大量虐殺。
小さなぬくもりは確かにあったはあったのであろう。
しかし、人類が発生してから後、同じような過ちばかりを人類は繰り返している。
だからこそ、この【理】を創ったのだ、と【意思】はいう。
空想の中ではなく現実として認識させることにより、数多に存在していた概念を取り払った。
認識できる形でそれらを配置していない場合、
三度が三度とも人類は同じような過ちに陥り、そして自ら破滅の道を進んでいった。
このたびの措置は四度目の措置。
美希の住んでいた世界において、仏の顔も三度まで、という諺があったが、
さすがにその【星の記憶】を視せられれば、この仕組みも納得せざるを得なかった。
あまりといえばあまりの暴挙ともいえる行動。
そもそもその暴挙をとめるどころか
この惑星にて誕生していた人類はさらに加速していっていたらしい。
しかもそれが三度も。
さすがにつづけば、惑星の意思とて規制をかけたくなってしまう気持ちはわからなくもない。
そもそも、小さな一つの種族のせいで星そのものが壊滅してしまっては意味がない。
確かに人、は愚かだとはおもう。
しかしそれでもどこかで立ち止まり考える力をもっているはずなのに、
どうやらそれらが欠如していたらしいこの世界の過去における人々。
今はディア、と名乗っている彼女が少しばかり心配症になってしまうのもまた仕方がない。
「でもよく気づかれてませんよね?
たしか話しでは髪と瞳の色をかえているだけ、といってましたよね?」
たしかそのようにきいている。
「ありえるはずがない。という思い込みもあるでしょうけど。
まあ、こちらが不都合、と感じたらその記憶もまた改竄していますし」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さらっと人の記憶を改竄しているなどいわないでほしいものではあるが、
しかし、おそらく目の前の少女の姿をしているこの存在は
自分がおもっているよりはるかに力があるのであろう。
そうでなければ惑星、という物体そのものを存続しうることはできない、となぜか思う。
そんな美希の思いを何となく察し苦笑しつつ、
「まあ、美希様もそのうちにわかりますよ。時としてそういうのが必要となる、というのが」
彼女が次代として覚醒し、また継承の儀を執り行えばそれらの概念も自然と理解するであろう。
そしてそれは自分とは異なり、時として切り捨てなければ他をたすけられない、という場にも遭遇する。
自分はなかなかそのようなおもいきりができなかったがゆえにいくつも悲劇を生んでしまっている。
なぜか自らの意思でそのようなことをしたくなかった。
どんな存在であれ大切な子供たちである数多の命。
たとえそれが自らの身を滅ぼそうとしていても、愛しい子供であることに間違いはなかった。
ただ、見守ることしかできない自らがはがゆかった。
しかし、見守ることが大切、だとなぜかおもっていた。
自らが行動を起こせば結果はどうあれ、多大な影響を与えてしまうのがわかっていた。
だからこそ、今は、仮初めとはいえ身代り的な立場をつくり、
惑星の意思が干渉しているのではなく、意思の意向をうけた【王】が干渉している。
そのように少しばかり異なる認識を各界全ての存在にもたせている。
「…犠牲の上になりたつ命、ですか…理解はしてるんですけど……」
そもそも、人、という種族そのものが数多の命を糧にして生きている種族である。
毎日のように食している食べ物もいくつもの命の犠牲の上になりたっている。
命は命をいかし、そしてその命が死すことによりあらたな命の糧となる。
それはこの宇宙全体において絶対的な理。
そもそも、銀河、という存在自体も寿命を終えた星による超新星爆発。
それによって生まれ出た数多な物質が次なる銀河の元となる物質を生みだしてゆく。
そんな会話をしている最中にも、やがて【意思】による磁場構成の組み換えが完了し、
『さて。と、虹防壁展開』
惑星における北と南のとあるまったく対局の位置において、
ティアマトとルシファー、その器を二つに具現化せさている【第三の意思】の声が同時に発せられる。
それと同時。
どっん!
刹那。
惑星そのものが重い何かにのしかかれたような衝撃をうける。
全ての界がその振動によって生じた波動に翻弄され、
これにより各界の混乱がいたるところでみられるようになるであろう。
磁場重力の変更。
それは、いいかえれば惑星そのものにかけている重力の変更、といっても過言でない。
それでも、普通ならば突如として重力場が変化すればすぐさま生命体に影響が及ぶ。
しかし、【意思】はあらかじめ全ての生命体に特殊な膜状の強化を施している。
すなわち、重力が変化しても耐えられるだけの措置をすでにしかけてある。
しかし、そのことに気付いているものは…ごく、わずかにしかすぎない……
?
突如として体が重くなったような感覚。
気のせい、とはおもったがどうやらそれは自分だけではないらしい。
周囲の人々をみれば全員が全員、なぜかその場にうずくまっているのが見て取れる。
空を飛んでいた鳥達もまた同様なのか、突如として一斉に地面に舞い降りてきているのが見て取れる。
「な、そ…空が!?」
ふと誰ともなく振り仰いだ空をみて思わず叫んだのはいったい全体誰なのか。
おそらく誰が叫んだかはわからないであろう。
何しろ同じく空を見上げたほとんどの存在が同じ思いを抱き叫べばなおさらに。
先ほどまで広がっていた青空には虹色の光の雲というか布のようなものがかかっている。
それらはゆらゆらと幻想的にゆらぎ、その光は太陽の光と重なって、不可思議な光景を生みだしている。
この光景は地上界だけでなく、全ての界における上空にておこっている現象。
先日、突如として【心】に響いてきたあの言葉の意味がこれを指し示していたのか。
となぜかそれらをみた存在達は心のどこかで説明をされることなく納得する。
その現象を、奇麗、と感じるのか恐怖、もしくは畏怖、と感じるのか。
人それぞれ。
自然界に近しいものはそれが異常なことではあるものの、
星そのものが行った対策だ、と感じることができる。
だがしかし、自然の心を知る術のないものは、いきなり現れた空の光のカーテンに戸惑いを隠しきれない。
いくら先日、全ての生きとしいける存在の心に直接【何ものか】がこの現象を伝えていたとしても、である。
いきなりの磁場の変更は当然のことながら自然界に影響をあたえる。
いくら様々な界に隔てている、とはいえ基本的【核】となっているのは他ならない、第三惑星そのもの。
『磁場が多くなったよ』
『外よりの力が増え始めたの?主様の対策?』
耳を澄ませば大気中において漂っている精霊達がそんな会話をしているのが聞き取れる。
しかしその【声】を聞けるものはごく限られている。
『大地の精は大丈夫?』
『重力はどうにか保たれてるけど、海のほうが心配』
いたるところにて精霊達の会話が繰り広げられているそんな中。
それらの声が聞こえない存在達は、しばらく空にうかぶ光のカーテンに動揺していたものの、
光が空を覆ったところで別段、すぐに何かあるわけでもない。
ゆえにそのままいつもの日常にともどってゆく。
人々は判っていない。
地表を覆う磁場が狂う、というのがどのような影響を及ぼすか…ということを……
外、すなわち宇宙空間と地表との壁ともいえる要。
そのためにこの界は創られた。
それは判っている。
判ってはいるが……
「ホルス!何がどうなっている!?」
光と闇を司る存在。
空に光の帯が出現すると同時、地表に降り注ぐ太陽よりの力が格段に増した。
降り注いでくる太陽よりの力もまた確実に増えている。
ホルスは太陽の意思と繋がりをもつ存在。
ゆえにかの神にきくより他にない。
「ゼウス様はどこいったぁぁ!?」
「それが、補佐官様にあいにいかれるといってまだもどってきてませんっ!」
神々の住まうこの神殿。
この現象がただならぬこと、と察し、神々が対応におわれ右往左往している様が見て取れる。
「さきほど太陽神より連絡がありました!何ものかが【干渉】を始めたもよう!
我らが位置する物質世界とは対局している【空洞】よりの干渉の模様です!」
ざわっ。
彼らとて自分達の世界が、あるいみ無ともいえる空間に浮かぶ世界だ、と認識している。
そしてそれら何もない空間のことを総称して【空洞】と呼ぶ。
伝道師達はその空間のことを宇宙空間、もしくは暗黒物質空間、ダークマター、などと表現しているが。
しかし呼び方はどうあれ、全ては一つの事実を指し示している。
いくら自分達がどうあがこうと、そちらの安定が崩れれば世界は確実に存続を許されない。
世界、というよりも惑星そのもの、この星系そのものが消えてしまいかねない。
「なぜに突然に!?」
彼らにとっては突然、としかいいようがない。
だがしかし。
「あ~。やっぱりこっちも混乱してるみたいだね~」
聞き覚えのある声がしてその場にいた神々全員が思わず振り仰ぐ。
ふとみればその場に先ほどまではいなかったはずの人物が一人。
特徴的なのはひたすらに白で埋め尽くされている、といっても過言でないその姿。
肌の色も果てしなく白に近く、その髪の色もまた白。
服も真っ白いローブのようなものを着込んでおり、そんな中、その青き瞳がとても目立っている。
『フォルミ様!?』
その姿に心当たりがあるがゆえにその場にいる神々全員が同時に声を発する。
そこにいるのは、彼らもよく知っている伝道師の一人。
かつて素粒子物理学を完全に解読し、そして実用化にこじつけた科学者は、
今現在、伝道師の一人、として存続している。
「とりあえずこの処置は【王】の指示のもとでもあることを伝えようとおもってね。
これをやらないと、外よりの超振動の波動で惑星の存続すら怪しくなっているからね」
【超空洞】よりの干渉。
それは全ての物質における反物質。
それよりも厄介極まりない、物質を壊しかなねない超振動を起こしてきている、という事実。
まだ反物質という代物だけならば対象方法はある。
それに付随する対局する物質をぶつければ相対し対消滅を起こす。
しかし、振動派を使われてきてはなかなか対処のしようがない。
すぐさまそれらに対局する振動派を起こせるか、といえば答えは否。
出来うることは限られる。
すなわち、それらの振動派を中和することくらいしか対処法はない。
光のカーテン、すなわち磁場が狂ったときにできるオーロラは、
この第三惑星上だけにとどまらず、太陽系全体においてみうけられている。
もし、今現在、惑星の外より太陽系全体を見渡せば、
この周囲が光のカーテンに覆われているのが判るであろう。
太陽より発生させている磁力もまた変化させ、このたびの襲撃に備えている。
ゆえに太陽風とそれに伴う磁場の変化により、宇宙空間にもオーロラが出現していたりする。
「いや、あの。それはいったいどういう……」
伝道師であるフォルミより説明をうけてもまったくその説明の内容すら把握しきれない。
そもそも、科学的な説明をして彼ら神々がわかるはずもない。
科学的な知識は彼ら神々は詳しくない。
下手に科学的な知識があれば逆に間違った方向に使う可能性がある。
そう判断したさ第三の意思の考えによって彼らは簡単なことしか教えられていない。
戸惑いの声を発する光の神、ホルスの台詞に対し少し困った表情をうかべ、
「ま。とりあえず。神々における皆にはそれぞれの分野の力を全力で発揮して、
それぞれの分野における司るべき【もの】を全力で保護してくれる?
【襲撃による干渉】はどうにか主様方がどうにかされるらしいから」
すでに太陽系全体における意思達による共同作戦が取られる算段はついている。
一か所に重点的に守りをおけばそこに何かがある、と相手に悟られかねない。
ゆえにあくまでこの地を守る存在達が防御している形をとりつつ、
干渉してきている【超空洞】と決着をつけるしかない。
それが太陽系全十惑星における意思達がだした結論。
「こちらはこちらで超振動の解析しないといけないからね~」
とりあえず解析する場の拠点は月と決まっている。
黒き月と白き月。
それらを対局に配置し、簡易的な惑星の重力を安定させたのち、
そこより惑星にかかっている【超振動】の解析を行う手筈。
一つ間違えば死を許されない身であるフォルミとてその身の安全は保障されていない。
それでも精神体のみになってもやらなければまちがいなく、この太陽系は消滅してしまう。
先日の偵察隊など目ではない。
完全に相手もあせっているのかこのような行動をしてくるなど思ってもいなかった。
【外】よりの襲撃はいろいろ対策を練ってはいたが、よもや【内】より攻撃をしかけてくるなど。
しばし、天界において神々と伝道師フォルミのやり取りが見受けられてゆく――
「審問長様!どうなさいますか!?」
いや、どうなさいますか、といわれても。
どうしようもない、というかどうしろ、というのであろうか。
はっきりいって自分達で考えろ!と思うのは間違ってはいない。
絶対に。
「そもそも、この現象はおそらく、王や補佐官の意思によるものには間違いはないのだから。
これによって生じる混乱を収めるのがそれぞれの部署の役目であり。
また役目放棄などにおける提訴もまた何がおこるか判らない以上。
しばらくあまり重要とはおもえない提訴は受け付けないようにするしかないだろう」
サタンも出かけたっきりいまだにもどってきていない。
偵察していた【眼】によれば、補佐官の手によりおもいっきり絶対凍土の中に埋め込まれていた。
まあ、彼の実力からしてしばらくすればそこから抜け出してくるではあろうが。
そもそも、【補佐官】の機嫌があまりよくないことは【眼】の報告をうけていたゆえに知っている。
そんな中であのような時に出向いていったサタン達は愚か、としかいいようがない。
その機嫌が悪かった原因も、先ほどついに判明した。
「…というか、なんで世界の根柢にもかかわっている、という【超空洞】
それがここにしかけてくるんだ?」
それは彼…アスタロトにもわからない。
しかし、言えることはただ一つ。
おそらく、補佐官やリュカ、さらには伝道師達がいっていた【次代】。
おそらく、この惑星に迷い込んできた、というあの少女にかかわりがあるのであろう。
何しろ王が直接動いているような事態がおこっているのである。
自分達のような一悪魔にすぎない存在に詳しいことがわかるはずがない。
できることは、ただ一つ。
何かあったときにすぐさまに対応できるようにしておくこと。
ただ、それだけ、なのだから――
「【超空洞】とはすなわち、虚無であり、また混沌の仲間。
暗黒物質を主としそこに形あるものは存在しない空間の総称。
しかしそれらがあるからこそ、星々は変化することなく存続することができる」
淡く全体が光をおびている球体を眼下に見据えつつ、
死の空間というよりは静寂の空間、といったほうがいいであろう。
月の神殿において兄達に説明している一人の少女。
「とりあえず、私は大地を纏ったほうがいいんでしょうか?」
安定させるためにあえて自らの身において【惑星】そのものを絡めとる必要性。
今まで感じたことのない、何かの振動。
確かにこの地、否このあたり一帯にむけられているのは感じ取れる。
せっかく家族で過ごせるようになったというのにこの現象はいったいぜんたいどいういうわけか。
その器ともいえる体そのものを全て解放し姿を現わせば確かにそれは可能であろう。
しかしその姿では家族とともに暮らすことはできないがゆえに、常にいつも自らの姿は調整している。
今はとにかく父と母達の役に立ちたくて、人の姿を形どっているこの現状。
「太陽系全体における結界はひとまず施してはいるけど…アン。君は大丈夫?」
まだ目覚めて間がない。
ゆえにその体が心配でたまらない。
それを言うならば彼もまた目覚めて間がないという分野においては同類、なのだが。
「私は大丈夫です。とりあえず天界と魔界。
それらの力を照らし出し、他の界にむける力を増やしておかないと」
月は全ての力を照らし出し、また反射させる【力】をもつ。
だからこその【月の抱擁】。
全ての界にそそがれている力は【月】によって反射された力により安定が保たれている。
すべての界は月の揺りかごに乗っかっている、といっても過言でない。
「わざと結界の一部を開けておいてそこから襲撃者を捕らえるというのはどう?お父さん?」
「うん。それもいいかもね。だけど、フェンリル?その先頭にたって戦うとかいわないよね?」
うっ。
父であるロキに見透かされ思わず言葉につまってしまう。
しかし、彼のもてる力をつかえば、その結界の隙間に自らの口をあてておけば、
侵入者は自然と彼が喰らうことになり、絶対にこの【内部】までは入り込めない。
それが出来るが故の提案。
しかし、親とすれば子をそんな危険な目にあわせたくないのもまた事実。
「そうよ。フェンちゃん?あなたの気持ちはうれしいけど。
だけど今まであなた達にはかなり苦労をかけたんだから。
こういうときぐらいは私たちをたよってね?
ヨルちゃんも。あまり心配しなくても大丈夫よ」
これ以上、子供たちに負担をかけさせたくはない。
それでなくても永き年月、子供たちは自分達をまもり、それぞれが孤独に耐えていた。
だからこそ、今度は親である自分達が子供たちの分まで動く番。
「アンの言うとおり。大丈夫。伊達に僕の二つ名があるわけじゃないんだからね?」
連立の楔。
この太陽系全体における全ての干渉における出来事に対して防壁をもたらす。
伊達に全ての力ある惑星より力を分け与えられて誕生していない。
地上界、天界、そして魔界などにおいて混乱を極める中、ここ、月の惑星においても、
しばしそのような会話を繰り広げてゆく家族の姿がしばし見受けられてゆく――
空に光のカーテンがかかる中。
全ての界にとわず、この太陽系全ての惑星内において同じような混乱が見受けられていたりするのだが。
当然のことながら、第三惑星における存在達がその事実を知るよしもない……
ユニーク総合PVがもうすぐ五千にいきそうです。5/3現在。
みていてくださっている方々、ありがとうございますv
しかし、時期をおいてうちこみしてたら、なかなか打ち込みスピードがすすまない…
やはりこういう打ち込みは一気にいったほうが打ち込みものってさくさくいきますね(しみじみ…
最近は、なぜか魂さんのほうの番外編が頭から離れなかったり…
まあ、それはそれとして。
ようやく太陽系規模の異変に突入!…な…ながかった…
ここまでくるまですでに60話超えってどうだろう(汗
脳内ストーリーはさほどこれかからないんですけどねぇ・・・謎…
(脳内ストーリー。文章&映像の形で脳内にて映画のように作製しております)