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光と闇の楔  作者:
66/74

光と闇の楔 ~強い心と強き意思~

副題と内容があまり再びあってない件・・・

今回は、前回も閑話みたいなものでしたが、

事件?のきっかけにいくまえのとある会話をば。

・・・いあ、会話と、いままでのおさらい的なものをいれてたら、

容量的に20Kいったもので…

なので次回からようやくラストエピソードへのとっかかりです




いつのころだったであろう。

ふと何と表現したらいいのかわからない感覚が到来したのは。

自ら以外には何もない。

そう、何も。

ただ、灰色に近い空間にただただたゆたっていた。

ふと、何のきなしに何かよくわからないが、とにかく何か自ら以外の何かを。

そう思うと、突如として周囲の景色がかわった。

自らの意思により、変化してゆく。

それに気づいて、いろいろと繰り返した。

しかしそれでも、自分に気づいてくれるものは誰もおらず…

小さな物質、と名付けたそれらからならばあらたに別のものをうみだせば。

本格的な意思をもたせた器を思い描き…そして、それらは誕生した。

それは今は昔。

しかし、多々と意思ある存在が生まれてゆく過程でわかったこと。

自分はただ…

子供ともいえるそれらは自分を敬ってくれている。

違う、違うのだ。

そうじゃない。

ただ……ただ、我は自らと対等なものがほしかっただけ……




         光と闇の楔 ~強い心と強き意思~





生きとしいけるものは、あるいみ強い。

様々な困難や混乱の中においても、きっちりと恒例通りに事を成し遂げようとする。

日常が人々の心の安定になりえる、ということもあり、

どのような混乱時に関しても今まで普及している仕組みをどうやら変える予定はないらしい。

混乱の中で執り行われた第六月・ウルルの資格試験。

このたびは受験者達の受験理由はかなり切羽詰まっている。

とはいえ町や村を一歩でれば野生のゾルディや魔獣に襲われる可能性があるここ最近の現状。

ゆえに、あらかじめ試験をうけたい受験生は別の場所においてわざわざ受験会場にまでいかずとも、

試験をうけられるようにこのたびは配慮された。

もっとも、それらが可能になったのも、

他の界よりの使者がそれらに協力してくれたからに他ならないのだが。

もっとも、平常心が保てない中での試験、というのにも意味はある。

世の中、突如として何がおこるかわからない。

特に人の命などに関わる資格や、人の生死にかかわる資格などをも取り扱っているこの試験。

逆境の中でもどれだけきちんと冷静さを保てるか、というのもあるいみ一つの試験、といえるであろう。

第二月・アイヤル以後、なぜか落ち着いた情勢ではないのは誰しもおもっていること。

全てはあの大会の後から世の中が少しずつ狂い始めた、とだれもが認識している。

おそらく、あの大会は一つのきっかけにすぎなかったのであろう。

何しろかの大会の会場にすら異形の存在が出現した。

あの空間は害意あるものが入れないはず、というのにもかかわらず、である。

あのときは、神の奇跡、としかいいようのない力が加わり、ことなきをえたが。

奇跡、というものは幾度も発生するものではない。

幾度も奇跡があれば人だけでなく、生きとしいける存在はいずれその奇跡にたよりきってしまう。

それは、彼らが物心ついたころから言い聞かせられている事柄。

確かに困難な状況下ではあるものの、試験は年に二度と決められている。

伸ばすにしても、この情勢ではいつ落ち着くかわからない。

ゆえに試験は強硬することにしたギルド協会。

それでも、それぞれ危機意識が高まっていたのか、

いつもより何の混乱もなく滑らかに試験進行は行われた。


そして……


「は~。月日のたつのは早いわね~」

おもわずしんみりとそんなことをつぶやいてしまうのは仕方がない。

ここ最近はいろいろあった。

人によれば人生の大半の神経をつかった、というものもいるであろう。

毎日が急がしく感じればそれなりに日々も早く過ぎ去るような錯覚に陥ってしまう。

「なんか最近、いろいろとあってあっというま…という感じ、よね」

つくづく思う。

というかもう非日常的な光景も慣れた自分がかなり怖い。

そんなことを思いつつも、学校の中に備え付けられている学食においてそんなことをいっているケレス。

「だいぶ、美希様も慣れてきたっぽいですしね」

横にすわっている美希にとにこやかにそんなケレスの台詞をさらっと流し語りかけているディア。

「慣れる、というか、ここの暦ってなんでバビロニア歴なんですか?毎回おもうんですけど……」

まだマヤ履歴でないだけましとおもうべきか、はたまはたエジプト暦でないだけましとおもうべきなのか。

バビロニア歴を使用している、というのがわかったときには、なんでそんなマイナーな代物を、

と一瞬おもってしまったのもまた事実。

「その、バビロニア歴って何?」

よく耳にする言葉であるが、ケレスはまったくもって理解不能。

もっとも、ここ数カ月においてこの世界の言語について、

とりあえず日常会話的には話せるようになった美希はさすがとしかいいようがない。

「この世界でいうところの、大異変より前。

  古代文明滅亡時期に栄えていたとある文明で使われていた暦のことよ。

  もっとも、今この世界でそれらを理解しているのは伝道師達くらいでしょうけどね」

首をかしげ頭にハテナマークをとばしているケレスに代わって説明しているディア。

「そうなんだ。というか美希さんっていろいろと物知りよね。

  そのわりに当たり前のことをしらなかったりしてるし」

とりあえずあまりにしつこいこともあり、ケレスには美希が別の場所よりやってきたことは伝えてある。

もっとも、それが外の世界、とはケレスとて夢にもおもっていないのだが。

まあ、かろうじて今だに交流がない小さな島の出身者であろう、という認識程度。

幾度か異世界人、というのを聞いたことがあるのだが、そんなことがありえるはずがない。

という規定概念も手伝ってか、聞かなかった、もしくはさらっと聞き流している今の現状。

そもそも、ニホン、と呼ばれている島、という認識で捕えていることもあり、

また、実際に美希が住んでいのもあるいみ島国。

ゆえにその勘違いも仕方がない、といえば仕方がない…のではあるが……

しかし、もう少し歴史をきちんと勉強していれば、おそらく少しは疑問におもったであろう。

「というか。ディア。あなた、二回目の薬学免許試験においてさくっとA級を所得するってどうよ?」

そう。

ディアが学校に通い始めていまだにまだ一年もたっていない。

にもかかわらず、

二度目の試験でさくっとかなりの難問、ともいえるA級資格を所得してしまったディアは、

あるいみさすがといえばさすがであろう。

何しろA級は他の級と異なり、その問題がきっちり百点となるように問題が掲載されている。

そして、合格するためには全ての科目において完全満点を取らなけれはならない。

そもそも、A級資格は一つの科目が百点以上求められる。

つまり、一つの科目が全て百点に作られている試験問題において一つも間違いは許されない。

だからこそそんなディアにたいし呆れた言葉をかけざるをえないケレス。

ディアのあるいみ規格外、といってもいいようなその力は近くからみているがゆえに理解している。

しかし理解しているつもりでも、やはり現実としてあっさりと、

難問、といわれている試験をあっさりとクリアされてはあるいみ悔しい。

永年にわたりその資格に挑戦し諦めているものも多々といる中、

あっさりと資格を保有してしまったディア。

まあ、当然、といえば当然なのだが。

もっとも、世情が混乱していたがために、その異常さに触れるものはまずおらず、

ゆえにそのことで今のところ騒がれてはいない。

もっとも、とある組織はかなり盛り上がっているようではあるが。

そちらのほうはもはやディアからすればある意味諦めモードと化している。

いわく、言っても無駄。

あまりに行き過ぎるようならばそのときに多少何かしらの制裁というかお仕置きを加えてはいる。

「たしか、あの試験って年に二回、執り行われるんでしたよね?」

ふと確認するようにケレスの言葉に割って入る美希。

「ええ。第一月のニサン。第6月のウルル。

  基本この月に年二回のみの試験は執り行われることになってます。

  この学校の卒業資格がそれぞれの分野において最低でもC級所得をすること。ですし」

そんな美希に丁寧に説明しているディア。

免許の等級は当然のことながら、一番下位であるG級から、最上級であるS級まで存在している。

最高級ともいえるS級にもランクがあり一番最高峰はS級十位、と呼ばれている。

この資格所得者は各国々にも数名しかいまだに存在しておらず人々の憧れの的となっている。

いわばこの世界におけるあるいみ常識中の常識。

そんな二人をちらり、とみつつ、手元にあるコップを口にとはこびつつ、

「アルナとフラウは実家のある町に一時里帰りしてる状態だけど。

  この学校もだいぶ人がもどってきているのか、少なくなっているのかよくわからない状態よね」

とりあえず、美希に対する常識の定義云々はさらっと流し、

この場にいる生徒達をぐるっとみわたし思わずつぶやくケレス。

今から半年以上前ならばこの学食は座る場所がないほどに込み合っていた。

第8月・アラフシャムヌ。

かつての美希の住んでいた場所の暦でいうならば、今の暦は十月にはいったばかり。

ディアがこの学園に通い始めたのが、第十二月・アダル。

周囲からしてみればもっと長く在籍していたようにも感じられるのだが、

実質的にはいまだに八カ月にはいったばかり。

もっとも、ディアが入学してからこのかた、様々なことが立て続けにおこったことにより、

そういった概念が人々の脳裏から失念しているのもまた事実、なのだが。

大会より後、各町や村などで突如として魔獣やゾルディなどが発生する事件が多発している。

ゆえに、冒険ギルド所属の冒険者や、傭兵ギルドなどに所属している腕に覚えのあるものたち。

彼らはそれぞれ、主要ともいえる村や町に滞在しその場の攻防をまかされている。

すでにいくつかの小さな村などは壊滅的な被害をうけた、という報告もあがってきている。

これはこのテミス王国だけにとどまらず、他の国においても同じようなことが起こっているらしい。

「そういえば、ウルド王国、国王がいきなり病死したって発表があったけど……」

この世界にはいくつかの国があり、その中でもその国はあるいみ独裁主義。

自分達が信仰している神以外は神ではなく、全て格下であり、

全ては自分達に従って当然、という思考の持ち主。

国民もまたそんな国の気質を引き継いでいるのか、それらが当然、とばかりに捕えており、

戦争、といえば普通は生死を伴う非情なる行いだというのに、彼らにとってはそうではない。

彼らいわく、それは聖戦、であり、神に認められた自分達が起こす戦いは全てにおいて正義、

というとてつもない困った認識をもっている。

ふと噂話しでそういったことを小耳にはさみ、不安そうにつぶやく美希。

魔獣やゾルディなどといった異形なる存在。

それだけでもこの世界は平和でないような気がひしひしとするのに、

そこにさらに戦争のきっかけにもなりかねない不穏な国。

実際問題としてこのたびの混乱に紛れ、いくつかの国などにかの国は侵攻をしかけていたらしい。

魔獣などによる襲撃のあと、かの国の兵士がおしよせ、

なすすべもなく支配された、という話しも多々とある。

生き残った人々いわく、魔獣達の群れは何かに操られているかのごとくに統制がとれており、

ヴルド王国の兵士にはまったくもって傷一つつけることがなかった、という。

通常な現状ならば、かの国が何らかの力を得た、もしくは魔獣を操る術をみにつけたか。

その可能性に気付いたのであろうが、そのとき、各国は自国における被害の対応に追われていた。

ゆえにそこまで気がまわらなかったのも事実。

もっとも、ある時期を境に、魔獣達は突如として誰かれ構わず攻撃を仕掛けはじめ、

魔獣等における被害が壊滅的に増えていった。

一時、ゾルディが減ったようにもおもえたが、すぐさまそれらは勘違いなのか逆に数は増えていった。

人々が不安を抱くかぎり、ゾルディなどといった念の集合体ともいえる生物は発生してしまう。

しかし、人は自分の恐怖からそれらが発生した、とは信じたくはない。

恐怖等といった感情を生み出した当人がそれらを全て受け入れる心の強ささえあれば、

それらは別の形をとることなく、それぞれの心の中においてのりこえられていたことであろう。

「ああ、あそこは。病死、というか。さくっと国王がすり替わってたからねぇ。

  正確にいうならば、欠片を埋め込まれた国王がそのまま傀儡と化していたわけだし。

  ロキが欠片全てを回収したのち、魂すら呑みこまれていたただの抜け殻となった国王をみて、

  さすがに突然死した、としかみえなかったんだとおもいますよ?」

しかもかの地はかなりの重鎮達が同じように欠片を埋め込まれ、組織の傀儡と化していた。

それら全てが突如として第三者の目からみれば突然死したのうに垣間見え、

さらに抜け殻となった器はそれらを目撃した人々の恐怖の念の器となり、堕落者と成り果てた。

その結果、それらが城の中より騒ぎ始め、被害が内部より広がっていった。

そもそも、守護精霊であるルゥトの忠告を無視し、自分達は選ばれた民なのだから平気だ、

といってそれらにむかっていき余計に被害がおおきくなった、という現実がある。

さすがにそこまでいくと、いくら何でもルゥトとてさすがにあきれ、

自分達がイタイメをみなければおそらく自覚しないだろう、というのでそれらに関してはほうっておいた。

ルゥトが設置した安全な避難所以外においては何ともいいようのない光景が広がりをみせていった。

もっとも、その被害が国外にまで広がらないようにルゥトにより結界が施され、

それらの被害はウルド王国内のみにとどまってはいるのだが。

数か月経過しその被害もようやく沈静化をみせはじめている。

さすがに、目の前でいくども堕落者やゾルディが多々と発生してゆく様をみれば、

ルゥトが説明した、強い思いが形となってそれらが発生する、という現実。

それらをうけいれざるをえなかった、というべきか。

もっとも、それらを完全に信じるにいたるまで、体の内部からゾルディを生みだしたように見えた輩は、

堕落者、と判断され問答無用で周囲の人々より捕えられ、その命を落としていった。

そこまで詳しく説明する必要性もないがゆえに、

さらっと主たることだけ何でもないようにいっているディア。

「どこからそんな情報を…って、ああ。精霊族だっていうユリアちゃんから?」

ユリアナは、ユリア、という名を名乗り、ヴリトラと同じようにこの学園に通い始めている。

一応、精霊族の一員であることは学校側にもつたえてありはするが、

よもや精霊神だということまでは知られていない。

もっとも、知られればかなり大事になるのは間違いないであろう。

精霊族といってもその種族には様々な形がある。

姿がみえない形をしているものから、固定の姿をもっているもの、とそれぞれ。

もっとも、人型を成せる者はそれなりの実力があるもの、として知られてはいる。

例をあげるならば、年月を経過し周囲の霊気などを取り込んだ無機物生命体が、

その身にとりこんだ力のみで自ら実体化するように。

真珠の精や木の精、など種族は様々。

空気中に漂っている存在だけが精霊、ではない。

精霊は自然界のどのような存在にも宿っている。

さらっと重要すぎるあるいみ国家機密ではないのか?

ともいえる事柄をいっているディアの言葉に驚きつつも、

ふとおもいあたり、ゆえに自己完結して納得しているケレスの姿。

今、この場にて食事を共にとっているのは、ディア、ケレス、そして美希。

その横にはヴリトラとユリアナ、そしてなぜかメフィストフェレスまで同席していたりする。

とてつもない会話をしている、というのにも関わらず、この場にいる他の生徒達は、

それぞれ自分達の現状などにおいて話しをしているがために、

ディア達の会話の内容にはまったくもって気づいてはいない。

もっとも、ディア達のすぐ近くには、親衛隊の広報部の記者が常に張りついている現状であるがゆえ、

そんな彼女達の会話に聞き耳をたててはいるが。

その内容をきき、逆に記者である生徒達が背筋に冷や汗を流しつつ固まっていたりする。

もっとも別に聞かれても問題ないどころか逆に今の状況を伝えるのに便利、

ということもあり、こんな場所でさらっと説明しているディア。

何しろ今現在、ほとんどの国などにおいて情報隠ぺいなどが行われている。

それは人々を余計に混乱させないため、ではあるが。

何がおこっているのか実際に知らないと逆に不安になることもある。

事実を知ることでより正しき行動を行う結果ともなりえる。

どうも国の上層部におけるものたちはそのことにすらきづいていない。

しかし、情報の大切さ、というものの重要性はギルド協会側はより理解している。

協会側にとって情報は何よりも命ともいえるもの。

ゆえにこそ、

「そういえば、今度はどこに派遣なんだっけ?お姉様?」

ある程度の正確な知識を持ちえるギルド協会員に関しては、

ギルド協会側より今現在、様々な場所に派遣されていたりする。

ディアに関しては、実力もさることながら、知識もしっかりしており、

ギルド協会側からしてみれば、なぜかディアに任せれば、

そこにすまうものたちが、より【ゾルディ発生の真実】にゆきつく、ということもあり、

数多とそれらが発生している地域への出張依頼がここ数カ月の間に繰り返されている。

もっとも、出張、といってもディアは一瞬でその場に移動することができるがゆえに、

普通の協会員達がかなりの日数をかけるところをほんの数刻もかからない。

「今度はロキア大陸、ね。それはそうと、ヴリちゃんのほうは落ち着いたみたいね」

ロキア大陸。

テミス王国がある大陸とは正反対の位置にあり、そしてまた、斜め側に位置している大陸。

文字通り、海を挟んだ反対側の大陸であり、普通ならば空路にしろ海路にしろかるく数カ月は必要。

「…なら私はいかないほうがいいか……」

あの大陸の民の竜族に対する信仰心は半端ない。

下手についていって方ぐるしいまでの歓迎をされてはたまったものではない。

彼らは竜族特有がもちえる【気】の色を区別することができ、

ゆえにどんなに気配を隠していても、

普通の一般的な竜族などはさすがに気の色まで変化することは不可能。

何よりもヴリトラがかの地にいきたくない理由はそれ以外の理由があるのだが……

「?めずらしいですね。ヴーリさんがディアさんについていかない、なんて」

常にいつもディアについて行きたがっている彼女の台詞とはおもえない。

ゆえに首をかしげてといかける美希。

そんな美希に対し、

「それはですね。あの地は昔……」

「あああ!メフィスト!それはいわなくていいのっ!と、とにかく。

  なら私はそうだなぁ。ウルド王国のほうの現状を確認にでもいくかな?」

ほどよい念があの地には満ちている。

すこしばかりつまみ食いするにはもってこいの場ではあるであろう。

そんなことをおもいつつもそんなことをつぶやくヴリトラに対し、

「そういえば。かの地は昔、面倒だから、というのが本来の理理由だったとおもいますが。

  偶然にも助ける結果となってしまった地でしたわね」

ふと一万年前のことを思い出し、しみじみと当時のことを思い出していっているユリアナ。

今から一年前の出来事。

一万年、という年月を得て、どうやらかの地ではその伝説はさらに脚色が入り、

ヴリトラからしてみれば、あるいみ鳥肌者ともいえる伝説へと変化していっていたりする。

「たださ~。つまみ喰いしただけで、

  何であんな伝説にかわってなきゃいけないのか、と私としてはおもうのよね~」


かの地に伝わる伝説。

大地に異形のものがはびこり、いきとしいける者たちすべてが絶望にかられたとき、

天より飛来した聖なる神が地上にいきるものたちを憐れんで異形のものたちを消滅させ。

かの神はその地にすまうものたちに強き力をさずけ、そのまま天へともどっていった。

かの神の神々しい姿をわすれることなかれ。

かの神の慈愛の心を忘れることなかれ。

かの神は竜の姿をして我らをすくいたもわん。

竜はかの神がつかわせし、我らへたいする使途である。

ゆえに竜族がいるかぎり、

我らの繁栄は何ものにも邪魔されることなく未来永劫つづいてゆくであろう。


簡単にまとめればそのような伝説がかの地にはのこっており、

ゆえに可の地にすまうものたちは、竜族全体を神の使い、としてあがめたてまつっている。

ちなみに、事実はまったく異なる。

あまりにたまりまくる執務内容が退屈であったヴリトラが気分転換をかねて、

ちょうど全ての界の中において【ほどよい念】がたまっている地に降り立ったに他ならない。

いわば疲れたときに甘いものが食べたくなる人の真理と同じようなもの。

一万年前の人々は今のようにさほど文明の発展は遂げてはおらず、

ほぼ全てものが自給自足をしていた、という次代。

その当時、人々はまだ自然の声をきける力はもっていた。

人の姿を模して降りても逆に人々から不思議がられるのはわかりきっており、

それより、様々な種族のものと仲良くしていた当時の情勢から、

ちょっとした小さな竜の姿にかえてヴリトラにとっての間食…

……すなわち、その場に満ちる念を喰らった。

その行為をみていた人々がなぜか都合のようように解釈し、そして今にいたっている。

その間食のせいで大地の半分が海に沈んだなどといった事実は奇麗さっぱり削除されていたりする。

普通に喰らうのは面白くない、というので相手…すなわち、当時産まれていたゾルディ達を相手どり、

いわゆる【鬼ごっこ】もどきをしながら楽しんでいたヴリトラ。

その行為の結果…大陸の大半ともいえる大部分が海に同化してしまったのだが……

当然、その後、きっちりと【意思】によりお仕置きをうけ、

しばしのあいだ、その地において力全てを封じられ復興携わるようにさせられたりもした。

それも今や昔。

今ではその地にいいように解釈された竜に対する伝承と神話がのこっているのみ。

何しろかの地にすまうものたちは、竜族がいうことならば盲信的につきしたがう。

たとえば冗談をいったりすればそれをすぐさま本気にしたりする、という厄介極まりなかったりする。

…結果、あまりに面倒なので竜族は可の地にはあまり近づかないようにしていたりするのだが。

「私はアテナちゃんのお手伝いに出向く予定になっていますけど。

  そういえば、ケレスさんは確か、お母様より実家の呼び出しかかっていましたっけ?」

「うっ。メフィストちゃん。それはいわないで……

  お母様が、実家で管理している地に発生しているゾルディ

  全てを駆逐しろっていう手紙をよこしてきたのよ……」

管理している地、全てなど、絶対無理にきまっているが、しかしあの母のこと。

できない、といえばお仕置きがまっており、逆に時間がかかれば時間がかかりすぎ。

といってさらなるお仕置きがまっており、聞かなかったことにする…となれば、

死を覚悟するほどのお仕置きがまっている。

…どれをとっても必ずしもお仕置きは免れない。

たまたまかの地に用事があるというラケシス教師とともに出かけることとなっているケレス。

その間、ラケシスより効率のよい方法を一応習う予定ではある。

「秋の大型連休…か~」

この時期、学校は十日間の休みを擁している。

その理由は、この時期、各種の事業などにおいていろいろと業務が重なる。

それゆえの配慮。

ゆえに休暇を有効利用してギルドからの依頼をこなしたり、もしくは実家にもどったりなどもしている。

今、この学食に生徒が少ない、という理由の一つにそういったこともある。

学校の全面休校は明日より。

ゆえにすでに学校を出ている生徒もすくなくない。

そんな彼らの会話をききつつも、ずずっと手にしているお茶をのみつつしみじみとつぶやく美希。

日本茶がおちつく、という話しをきき、ディアが美希のためだけに用意している品。

ゆえに常にいつも美希の鞄の中には日本茶のティーパックが常に常備されている。


いつもの光景、といえばいつもの日常。

しばしたわいのない会話が、

ここギルド協会学校の学食の一角において見受けられてゆくのであった……

しかし、脳内完結の中でもあるいみ短い部類(三十分程度)のお話しが、

ここまで続く…となると、今別にメモに打ち込みしてる話しはどうなる?とかなりの不安が…

いや、数部にわかれてて、一部が一時間くらい回想かかるんですが(汗

まあ、あちらはのんびりまったりと打ち込みするとして。

…いい加減にWGだけでも打ち込み完了しないとなぁ…


※当日の更新遅れてもうしわけありませんでした

さて・・今から次の話の打ち込み開始予定です…

眠気にまけなければ、ど・・どうにか・・・

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