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光と闇の楔  作者:
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光と闇の楔~始まり~

本編開始です

             光と闇の楔 ~はじまり~



「The earth does to relieve nature with pure water

 light in the dark how many other and seeing to all lives ~♪」

道行く人が首をかしげる。

おそらくは旋律にのっていることから何かの歌、なのであろう。


王都テミス。

光の主神を神と仰いでいるテミス王国の首都。

この世界はいくつかの国に別れており、その国々が様々な神々を信仰している。

闇の神、竜の神、精霊の神、そして光の神。

精霊の神とは精霊王達のことを指し示す。

闇の神とは俗にいう『魔王』を指し示している、といわれている。

この世界には精霊、魔族、神族といった多々の種族が存在する。

そしてその中に『人』という種族も含まれる。

人という種族はその他の種族とことなり命の期限もみじかくまた力もよわい。

しかしゆえにこそ他者と力をあわせて道を切り開き、

今では大地に様々な国々を設立するまでに至っている。

他の種族がその本能に忠実という特性からいえば人、という種族はそれにあてはまらない。

しかし共通するのはすべての種族には『心』がある、ということ。

しかし…そのことを『人』という種族はおざなりにしているのも…また、事実。


「あ、あった♪」

見た目十代前半のかなりの美少女、だというのに

なぜかすれ違う人々はあまり気にも留めずに目的地にとたどり着く。

白き石が敷き詰められている道。

白は神々の色の象徴、としてこの国ではあがめられている。

それゆえに建設物などに使われている石も主に白。

石の形をそれぞれに整えそれらをくみ上げて基本、家々は建てられている。

石のみでは強度不足に不安があることからそのつなぎに特殊な土が使われる。

もっともそれらをこなすのは専門職ともいえる技術をもったものたち。

基本、それぞれの専門職につくものはそれぞれがとある組織にと登録している。

その組織を一般的にギルド、と呼び称す。

建設にかかわる職人たちが所属するギルドは建設ギルド。

商人などにかかわるギルドを商人ギルド、などなど。

そしてまたそれぞれのギルドを統括し育成するのがギルド協会本部。

統括している、とはいえそれぞれ各自が独立しているのがこの組織の特徴。

何かがあれば本部のほうから手助けを願うことができる、という形をとっている。

もっともそれぞれのギルド組織には位置づけ、というものがあり実力ごとにその等級が示される。

等級は各自のギルド組織に統一されており、

一番したの等級がG等級、別名、Gランク、と呼び証される。

また、最高級の等級所持者は○星、といった形でも呼び証される。

もっとも、普通に暮らす人々にはそれらはあまり関係ない、といえばそれまでなのだが。

扉の前には獣の頭のような形をした模様がかれている看板がかかっているその建物。

ギィ。

お目当ての建物をみつけその出入り口の扉をかるく押す。

建物にはいってすぐにいくつかの机と椅子があり、

幾人かがそれぞれ椅子に腰掛けて座っているのがみてとれる。

ちらり、と入り口から入ってきた人物を幾人かがかいまみるものの、

そのまますぐにその視線を元にと戻す。

出入り口からはいってきた人物はどうみても子供。

そのわりに体にあわない長剣が腰にさされているようであるが。

なんだ、ガキか、というような声もちらりと耳にはいってはくるがそれを意に介することもなく

そのまま建物のなかにと足を踏み入れる。

いくつかの椅子、そして机が置いてあるさらに奥。

カウンター式の机のその奥に幾人かがせわしなく動いている。

そちらに近づいてゆくと受付係りと思われる女性がにこやかに

「いらっしゃいませ。ギルドへようこそ。本日は何のご用件でしょうか?」

接客用の笑みを浮かべてやってきた『客』に対して問いかける。

「すいません。ギルドへの登録を申請したいんですけど・・・・・」

ここにやってきた目的はギルドへの登録。

ゆえにこそ単刀直入に用件をいう。

「お客様はギルドのご利用は初めてでしょうか?」

みたところ目の前の客の少女はどうみてもまだ十代のように垣間見える。

となれば大体の見当はつくがとりあえずこれも職務であり規約のひとつ。

それゆえに目の前の少女にと問いかける。

「あ、はい」

「それでは、まずはじめからご説明いたします。お時間はよろしいでしょうか?」

「はい。大丈夫です」

「では、こちらへどうぞ」

このままたったまま説明をしていればほかの客の迷惑にもなりかねない。

ゆえに初心者などに対してはそれようの部屋が用意され、

今後のこともあるがゆえに丁寧に説明がなされる規則となっている。

そのまま案内されるがままに別室へとギルドへと足を踏み入れた少女は移動してゆく――


「ようこそ。ギルドへの登録申請、ありがとうございます。

  まずギルドの仕組みをご案内させていただきます」

担当者となっている人物。

黒いローブに身を包んだ男性が時間をおかずに部屋にとやってきて、対面にとすわり説明を開始する。

ギルドへの登録、といってもすぐに登録されるわけではない。

ギルド登録は基本、信頼が第一。

何しろ身分を示す身分証明書の役割をも果たすのでそうほいほいと登録発行はしてはいない。

とはいえ最低ランクについてはあまり審査することもなく登録は可能。

「お客様はまず何のためにギルドへの登録を申請なさいましたか?」

それによって説明する内容がまたかわってくる。

「えっと。学校協会に通いたいのですけど、なにぶん、身内も誰もいなくて・・・・・」

うそではない。

身内、といえるものはいない。

家族に近いモノたちはいれども、彼等にたよるきなど毛頭ない。

そもそも、そんなことをすれば本末転倒。

まちがいなく問題になるのは明白。

そんな少女の返答に動じることなく、

「わかりました。それでは一番簡単なギルドへの登録をまずはじめにお願いいたします。

  とはいえ、こちらの登録は試験を要します」

試験の内容はごく簡単。

いくつかの依頼がある中から自分ができそうな依頼をみつくろい、それをこなす、というもの。

人はそれぞれ得意分野、というものがある。

特にこの世界においては人それぞれ、種族それぞれに分野は分かれている。

「あ、はい」

とりあえず説明はおとなしくきいておくに限る。

それがたとえ知っていることであったとしても規則は規則。

いいつつも目の前にすうまいの紙をざっと広げてくる紙、

といっても獣の皮を薄く延ばして乾かした簡易的なものと、

草を特殊な方法で溶かして乾かして作成したもの。

紙の種類も多々とある。

繊維質が多いい草木などが紙の生成には重宝され、中にはかなりの高額取引がなされているものもある。

今目の前に並べられた紙は一般の人々も簡単に手にはいり、

また作成できる品々の部類にはいる紙ではあるが。

「はい。名前は…ディアさん、ですね。年齢は・・・十三。確かに。仮登録は完了です」

目の前のギルド登録申請にきた少女。

この世界において、十三、という年齢は成人したとみなされる歳となる。

ゆえに、保護下のもとに生活していた子供たちはそれ以後は大人としての自覚と自立を促されることとなる。

とはいえ所詮はまだ子供。

庇護がなければ生活は立ち行かない。

親や保護者といった存在がいる子供たちならばいいが孤児などといった存在に対してはまた話は別。

それぞれが国、個人で経営している孤児院と一般に呼び証される施設は余裕がない。

ゆえにこそ十三という歳となれば施設からでていかざるを得ない。

保護を失った子供ができることなど限られている。

知識がある子供はギルドへ赴き自分の今後を決めることもできるものの、

知識のない子供は悪意あるものの餌食となる。

それらを防ぐために国などが未来を担う子供の保護を優先的に執り行っているのがこの世界の実情。

「それでは、この中から自分がやってみよう。という依頼を選んでください」

はじめから依頼をこなせる、なとどとはおもってなどいない。

これは当人にきちんと責任があるか否か、を見極めるもの。

自分で先を決めることができなければこの後、ギルド員としてもやっていけない。

その場合はどこかの別の要請施設に託す、という方法をとる形となっている。

「じゃあ、これを」

ひとつほど目につく依頼を迷わず選ぶ。

「薬草採取、ですか。ディアさんは薬草に興味がおありですか?」

「あ。はい。独学ですけど。自分でいろいろとつくってみてるので」

なるほど。

親のいない子供にできることは限られている。

が、薬草などは普通にどこにでも生えているものから特殊な場所に生えているものまでさまざま。

しかしその組み合わせ次第によっては毒にもまた精巧な薬ともなる。

それに何より、『術』も使えずお金もない子供にとってまず無難な選択、といえば選択。

人は生きている限りどうしても怪我や病気、というものに対して無縁ではいられない。

自分でどうにしよう、とおもいたてばおのずとどうしても一番初めにまず薬草に目がいくのは道理。

中にはそんな素人の独学で世の中にでた効果な薬もあるのだから一概に独学、といえどもあなどれない。

下手に知識があるものより、

何もしらない自力で知識を得たもののほうがよい結果をもたらすこともある。

そんな今までの経験上、少女の言葉に思わずうなづく担当者。

「しかし。この薬草採取にたいしては注意事項がいくつかあります。それでもよろしいですか?」

「はい」

どうやら意見はかわらなそうである。

まあ、薬草が生えている場所は『生息地』とは離れており問題はないといえばないのだが。

それでもそこに生息しているとおもわしきものの相手があいて。

「それでは、注意事項の説明を開始いたします・・・・・・」

少女・・・ディアが選んだ依頼内容について、

しばし担当者から説明がなされてゆく様子がその場において見受けられてゆく――


「しかし、それにしても・・・・・・」

歳のわりに落ち着いている子供は今までも幾多とみている。

無理をして大人ぶっている子供、そしてまた大人の中でそだったがゆえに甘えることなく育った子供。

しかし今回申請にやってきた子供は今までのどの部類にも入らなかったようにおもう。

淡々とした受け答えは逆をいえば大人よりも落ち着いていた。

何よりも独特の雰囲気。

よくよくみれば目鼻もしっかりとととのっておりかなりの美少女だ、というのに。

当人がもつ雰囲気なのかはたまた服装がどこにでもあるような服であったがゆえか。

はたまた、限りなく銀色に近いようにみえた白に近い灰色の髪のせいなのか。

そこにいて当たり前、というような雰囲気をもっていたのも事実。

一人で採取にいく、といって出かけていったが気にはなれども

なぜだか大丈夫、という不思議なまでの確信もある。

「まあ、ああいう子もいる、ということでしょうねぇ~」

十人十色。

人それぞれ。

とはいえいつまでも先ほどの子供にかまってなどはいられない。

彼らをまつものはまだまだ幾多といるのだから。


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