光と闇の楔~プロローグ~
こんにちわ。とりあえずプロローグです
のんびりまったりと打ち込み&更新していきたいとおもいます
・・ルビはなぜか失敗するのでルビなしで・・・
どくん。
何が、というわけではない。
だけども確かに、『世界』が揺れた。
『世界』が揺れるなどあり得ない。
だけども確かに『感じた』のも事実。
「王!王!主よ!今の揺れは…っ!」
とにかくも『王』に確認をしなければ。
ゆえにこそカツカツと足音を鳴らしながらも真っ白い宮殿の中を駆ける数名の人影。
彼らのきている服はツギハギのない一枚の布のようにもみえなくもない。
腰のあたりで様々な色の紐のようなもので結ばれており
各自上半身にていろいろと着崩しているのが
見て取れる。
彼らの『王』であり『主』が鎮座しているのは宮殿の最深部。
否、この『世界』の中心部でもある。
滅多とあえるものではなく、ごくわずかな者たちのみが謁見を許されている。
どこまでもはてしなく続くかのような天井を突き抜けるような巨大な扉。
その扉には様々な文様が刻まれており細かな細工が施されている。
一人がその扉に手を当て何かをつぶやくと同時。
ほのかに扉がひかり、ぽっかりと一部分のみに道を開く。
「「王!!」」
真っ白い空間。
その奥に薄いペールのようなものがありその先に彼らの『王』が常に鎮座している王座がある。
彼らとて『王』に直接目通りできることなどめったにない。
いつもこの謁見室を通して『お言葉』を受けている。
唯一といえば『王』の側近が例外中の例外で『王』の玉座に近づくことを許されている。
いつもならここで自分達がはいったときに何らかの反応がある。
しかし
・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日にかぎってその反応がまったくない。
と。
ゆら。
玉座のあるベールの中で人影が動くのが垣間見え
あわててその場に膝まづくものの、そこから出てくる人影を目にし思わず目を見開く彼ら達。
「長!」
そこからでてきたのは彼らの長であり、そしてまた『王』の側近たるもの。
「おまえたち……」
こころなしか何か顔色がわるいような気がするのは気のせいか。
ふわり。
風もないのにふわり、と背後のベールが揺れる。
その奥にある王座。
そこに常にすわっているはずの…人影は…みえない……
光と闇の楔 ~プロローグ~
「う~ん。平和」
吸い込む空気がここちよい。
「さて。と。うるさいやつらにみつからないうちにとっとといきますか」
きらり、と太陽の光に反射してその髪が一瞬銀色にと光る。
よくよくみれば銀色のような灰色のようなそれでいて白髪のようなそんな髪の色。
長い髪を後ろで一つにたばね、さらにたばねた髪を紐で結び背後に垂らしている女性が一人。
肌の色は曇りのない透き通ったまでの肌色。
服装もシンプルなれどおそらく上質な布で作られているのであろう。
しわ一つなくそれでいて上下の服が質素ながらも女性の容姿にしっくり溶け込んでいる。
整った顔立ちと深い青い瞳は見た人を一瞬虜にするほどの容姿の持ち主。
なれどその服装ゆえかぱっと見た目にはその容姿がさほど目立っていないように傍目には垣間見える。
「まずは、ギルドにいかないと…ね」
ここで生活してゆくためにはまずはギルドにどうしても登録しておく必要性がある。
そのために『首都』にやってきたのだから。
大きくのびをしながらも、
その腰に似合わない長剣をさしている女性はそのまま街のほうへとむかってゆく――