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会社からの帰るめぐみ・・・
今日はついていなかったなぁ・・・と思いつつ近所のコンビニに入った。
そこで島内を見つけた。
そして、
思わず声をかけた。
「島内さん」
買い物を終わらせた二人は、一緒に歩いていた
めぐみは今日の出来事をつい話してしまった。
その話を聞いて島内は思わず吹き出した。
「もうっ・・・」
めぐみがそう言ったが
しばらく笑いをこらえている島内
そして、
「ごめん、ごめん、あまりに面白かったもんで・・・」
「わたし、おもしろくないんですけど・・・」
めぐみは、腕を組んで少しむくれた
「ごめん、ごめん・・・」
そう言って、しばらく、めぐみをジーッと見る島内
「どうしたんですか?」
その様子に戸惑うめぐみ・・・
「今の君を見て、
男と・・・
う~む・・・
確かに、男っぽいけど・・・」
島内がそうつぶやいた。
「ひどーい」と言いつつもめぐみは笑顔になっていた。
ある交差点で足を止めるめぐみ・・・
そのことに気づき、振り返る島内
めぐみは、自分が行くほうを指差し、
「島内さん、今日はありがとうございました。愚痴を聞いて
いただいて、わたし、こっちのほうなんで・・・」
ペコリと頭を下げた。
「そうか・・じゃぁ」
「はい・・」
二人は、別々の道へ分かれて行った。
めぐみの足取りは、軽やかだった。
家に着くまでは・・・
玄関の電気というか、家の全部の電気が消えていた。
ドアノブに手をかけると
鍵も閉まっている。
「もう・・」
めぐみは、仕方なく鍵を開け家に入る。
「ただいま~」
電気をつけつつ、家の中を歩く
「誰もいないの~?」
居間もキッチンにも誰もいない。
ふと弟の部屋を空けると
真っ暗な中・・・
泣き声がする・・・
弟は部屋で泣いていたのだ・・・
めぐみは、天を仰いだ。また、いつものことか・・・
弟の部屋の電気をつけ、泣いている弟の姿を見て、
ため息をついた。
そして
両手を腰にあて
「勇気ぃ~いるなら電気ぐらいつけなさいよ。」
めぐみの言葉を無視する勇気。
「ったく・・・また、ふられたの・・・」
「ほっといてくれ!!」
「ところで、お父さんは?」
「お母さんを探しに行ったみたい。」
「また、いつものところ?」
「多分」
その頃、めぐみの父は、ある街角でボーと立っていた。
弟に近づくめぐみ、にんまりと笑って
「本当に、ところで今度は、どんな人だったの?お姉さんが聞いてあげる」
「そういって、傷口をひろげるんだろう・・・自分は、彼氏もいないくせに」
「なによ・・・」
そう言って、勇気の首を後ろからしめた。
「うっ・・やめろ・・いたい・・」