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「めぐみ、今日あなたたち変ね。」
そう昼食中に話しかけてきてのは、奥山だった。
「えっ、なぜ?」
奥山の言葉に何とかごまかそうと考えるめぐみに奥山は
「ふたり・・・なんか、いつもとちがうというか、ギクシャクしているというか」
「そう?」
「そうよ・・変よ・・」
「変って?私まだ山下さん見てた?」
「そうじゃなくて・・・山下さんがあなたを見てるし、二人ともなんか・・・」
「ああ・・・でも、この間の件もあるし・・・・・ねぇ?」
「そうね・・でも、なんか隠していない?」
その言葉にめぐみはドキッとした、そして、何とかごまかそうと
「ところで、野本さんとはどうなの?」と切り返した。
すると今度は奥山の顔が暗くなった。
「最近・・・女のところにいってるみたい・・・」
とため息交じりの声を出した。
「えっ?」
「私の誕生日が近いのに・・・何も聞いてこないの?」
「聞いてこないって、・・・それで、」
「つけてみたの・・・」
「つけた・・・、」
「野本さん、ある美容室みたいなところに入っいったのよ
そしたら、茶髪の女の人と仲良く話して・・・驚いたの・・
それから・・・買い物に出たの・・・ふたりで・・・」
と奥山がものすごく怒りはじめた。
「ちょっと、それって、その美容室、フランって店・・・」
「そうよ、それがどうしたの?」
「茶髪で、長くて、わたしより、少し背の高い・・・」
「よく知ってるわね・・・」
「それ、わたしの弟・・・・」
「えっ・・・じゃぁ、野本もゲイ?山下さんといい・・私は・・・」
「奥山さん・・・・大丈夫だって。普段、弟は、見た目はおかまみたいだけど・・・
たまに、彼女へのプレゼントとか・・・コーディネートしてるの・・」
「ちょっと、待って、ひょっとして、急にかっこよくなったのは・・・あんたのせい?」奥山は、めぐみをにらんだ。
「でも、奥山さん・・・野本さんがすきなんでしょ?」
「そうだけど。・・」
「かっこよくなってほしかったんでしょ?」
「・・・・・」とうつむいて、すこし赤くなった。
それをみてめぐみはからかった。
「あ、赤くなった・・」
「もうっ・・・」と怒る奥山・・・
「ごめん、ごめん・・でも、待ってみたら誕生日・・・」
「うん・・・」
奥山はうなずいた。