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うそだろう、本当に、飯塚は、あのめぐみ?
山下は、困惑し頭を抱えた。
しばらくして、「おはようございます。」とめぐみがあらわれた。
半信半疑のままの掃除をしているめぐみを目で追いかける山下、
思わず「飯塚さん・・・」と声をかけた。
その声に手を止め、山下の方を見るめぐみは、おもむろに山下に近づいた。
「はい・・なにか?」
山下が気がつくと目の前にめぐみが立っていた。
「あっ・・・・」
と言葉を失い、じっとめぐみを見つめた。
「どうしたんですか?」
めぐみの言葉に気付いた山下、
「飯塚さんって、本当にあのめぐみ・・・」
「はい・・・」
とじっと見詰め合う・・・
「本当に?」
「はい・・」
「今見ている限りじゃ、わからないけど・・・」
「じゃぁ、帰りに、めぐみとしてあらわれます。」
と話していると奥山が入ってきた
向かい合った話をしている二人の姿を見た奥山が、
二人を指差し近づいてきた。
「あ~、どうしたの?二人して仲良さそうに・・・」
奥山の登場に驚いた二人は、声を合わせ答えた。
「この間の件で、・・・」
「あやしいなぁ~」
奥山が言うと。
「さてと・・」
めぐみは、掃除道具を持って事務所から出て行った。