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日課のジョギングで久しぶりに島内を会っためぐみ。
「めぐみちゃん、元気ないようだね・・・」
これが島内の一言目だった。
「まぁ、」とジョンとたわむれる。
「なにか?」
「まぁ、わたし、会社辞めようかな?」
その言葉に驚く島内
「どうしたんだい? なにかあったの?」
ジョンの頭をなでながら、頷いためぐみ
「上司が、寝ぼけて抱きついてきたんだす。」
あきれた表情で島内は
「また、セクハラかい?」
めぐみは頭を左右に振って
「まぁ、でも、わたしは、それを訴えるつもりも無いです。」
「どうして・・」
「わたし、異動してもらったでしょう。・・・また、というわけに行かなくて」
めぐみの言葉に納得がいかない島内、真剣な顔をして
「部内で、内緒にしてだな・・・。」
その顔を見て、めぐみは島内の言葉をさえぎった。
「でも・・・もう、いいんです。」
「えっ?」
めぐみの言葉に驚く島内、めぐみは、立ち上がりぐっと背伸びをして、
「すっきりしましたから・・・そういえば、優香さんは、どうなんです。」
「ありがとう。順調だあとは移植を待つだけだ・・・頼むね、めぐみちゃん」
「はい。」