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椅子に座る山下、ふと、めぐみがなぜここに来たのか気になった。
しかし、睡魔が山下を襲い机にうつむせに眠ってしまった。
その頃、めぐみは、着替えをすませ事務所に向かった。
廊下の向うから、さっきの女子たちが戻ってきていた。
「おかしいわねぇ、どこ行ったのかしら。」
めぐみは、すれ違いざまにあいさつをすると
「おはようございます。」
「おはようございます。あっ・・あなた、見なかった朝一の美少年!」
山本が振り返りめぐみに聞いてきた。
「は?いえ、見てませんけど」
「そうよね、反対方向だものねぇ~」
めぐみは、ほっとした。けど、もうあの格好では、会社に来れないな。
そう思いながら事務所に入ると山下は、寝ていた。
寝ているのか・・・まだ、早いし、まぁいいか。と思っていると
気付かないうちに山下の寝顔を見入っていた。ふと、われにかえり
いつもの掃除をし、ひと段落したころ、そろそろ、起こさねば・・・
後ろから声をかけた。
「やましたさん、起きてください。」
「う~ん」
反応がいまいちか、よしもう一度と耳元でささやいた
「やましたさん。おきてください」
山下は、おもむろに起き上がり、寝ぼけ眼でめぐみを見た。
完全にさっき見ためぐみと勘違いした。
そして、
いきなりめぐみを抱きしめ
「めぐみ!」
「や、やましたさん・・・・?」




