5
数日後、めぐみは、いつもの通り出勤した。
会社に着くと「いた!!」と叫び声がした。
めぐみが振り向くとそこには、総務の山本たちが近づいてきた。
あわてて逃げるめぐみ。
追いかける山本たち
「待ちなさい!」
めぐみは、思わず自分の事務所に逃げ込んだ。
そこには、徹夜明けでうとうとしていた山下がいた。
めぐみを見た山下は一気に目が覚めた。
山下が「めぐみ・・」と言うまもなく
めぐみはシーッといいながら、近づいてきた。
「悪いかくまって。」
そう言って、山下の机の下に隠れた。
「この部屋よ。・・・」
なにやら、数人の女子の声が事務所の外から山下に聞こえた。
そして、カチャと扉が開き
「すみません。」
声とともに山本を筆頭に3人の女子が入ってきた。
「この部屋に、男の人が入ってきませんでしたか?」
そう声をかけてきたのは山本だった。
めぐみを見る山下、めぐみは両手を合わせ、口に人差し指を当てた。
そして、あっちと指をさした。
それを見て、山下は、
「そのドアから出て行ったよ」
「ありがとうございます。」
彼女らは、別のドアから出て行った。
彼女らが去ってから、机の下からめぐみが出てきた。
「めぐみ・・・」
そう言って、めぐみを見つめる山下
「ありがとうございます。」
頭を下げるめぐみ
「どうして、めぐみがここにいるんだ?」
「ちょっとした訳で・・・」
そう言い残し、めぐみがそそくさと出て行った。