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めぐみと連絡がとれないことに焦る山下、
めぐみが女であることを知って、自分の気持ちを早く伝えたい
そう思うことがなおさら、山下の焦りにつながった。
そして、仕事中も思わず、携帯を取り連絡をしていた。
「めぐみ大丈夫?」
声をかけてきたのは、奥山だった。
「はい。」
「昨日から変よ。」
「まぁ・・」
「元気出しなさいよ。」
奥山は、めぐみの両肩に手をかけ、耳元で囁いた。
ふと、山下の方と見るめぐみ、同じ方向を奥山が見ると
山下が携帯をかけていた。
奥山はその光景を見て、
「又、かけてるわよ。仕事中に」
横でめぐみの携帯が振動をはじめた。
「めぐみ、なってるわよ」
反応しないめぐみ・・・
山下があきらめて、携帯を切った。そして、めぐみの携帯も振動を止めた。
「又、つながらなかったみたいね。」
奥山がめぐみの方を見ると、うつむいて黙り込んでいた。
「まぁ・・元気出してね。」