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「めぐみ?」
優香の声が遠くからした。
「めぐみ!!」
その声にめぐみは、我にかえった。
「優香さん」
そうか、お見舞いに来てたんだ。
「大丈夫?」
心配そうにめぐみを覗き込む優香
「ええ・・」
「本当にどうしたの?」
そんな時、めぐみの携帯がなった。
「とらないの?山下君からでしょう?」
「うん・・まぁ・・」
携帯をとらないめぐみ
しばらくして、携帯がなりやんだ。
「一体、どうしたの?また、喧嘩したの?」
「・・・・」
一人うつむき、黙り込むめぐみ
それを見て、心配する優香
「一体、何があったの?」
「・・・・」
「めぐみ!!」
優香は、そう大きな声を上げ、両肩をつかみ、めぐみを前後に振った。
おもむろに顔を上げめぐみが
「山下さんのこと・・・あきら・・め・・ょぅ・・」
だんだん声が小さくなっていった。
「めぐみ、何言ってるの!!山下君は、めぐみのこと好きなのよ。」
「けど・・」
「けど?」
「私のこと、見てないの・・・」
その言葉にあきれる優香
「大丈夫よ、山下君にはあなたが女ってこと言ってあるのよ!!何の問題があるの?」
「その問題じゃなくて・・・」
「じゃぁ・・どの問題?」
「会社で同じ課で働いている私に気付かないの。」
「え?」
優香には、何のことかわからなかった。
その様子を見ためぐみは、席を立った。
「そろそろ、帰らないと・・・」
「めぐみ・・・」
心配する優香を置いて、めぐみは病室をあとにした。