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家に帰っためぐみ、しばらくして、今日のことを思い出していた。
会社では、山下が自分をめぐみとして見てくれないその現実に、胸が苦しくなった。
そして、打ち明けようかどうしようか悩んでいた。
そこへ勇気が「アニキ大丈夫か?」と入ってきた。
「なんだ勇気か・・」
「何だとは・・・アニキ、しっかりしろよ。」
「何よ。」
勇気のほうを振り返るめぐみ、それを見て
「やっぱり・・・」
「やっぱり・・って?」
「好きな人がいるんだろう。」
勇気の唐突な質問にめぐみは、赤くなった。
「ば・・」
声が出ないめぐみ
「そうなんだ・・いるんだ」
めぐみの顔を指差した。
「なによ。」
「言っちゃいなよ。」
「何を」
「本当のこと」
その言葉にズキと胸が痛み、黙り込むめぐみ、その様子を見て勇気は
「まぁ、無理なら仕方ないけど、あとで後悔すんなよ。アニキ。」
そう言い残しめぐみの部屋を去って行った。
そして、めぐみは決意した本当のことを言うことを・・・