4
仕事が終わった山下は、優香の所に向かった。
病室に着くとそこには優香と島内がいた。
「どう?」
病室に入って、辺りを見回す山下。
山下の方を見る二人、そして、
「誰か、さがしてるの」
優香が聞くと、その言葉に躊躇した山下だったが
「いや、べつに・・で、体調はどう?」
「大丈夫よ、今は、落ち着いているから。」
「そうか。」
「それより、光一さんから聞いたんだけど、めぐみと仲直りしたの。」
その言葉にピクリと反応する山下そして「ああ・・」と暗く答えた。
「どうなの?」
「まぁ・・」
ただ暗くうなずく山下。その様子を見た二人は、顔を合せ。
「めぐみのことなんだけど」
優香が言うと不思議そうに優香の方を見る山下。
「めぐみがどうしたんだ?」
「女よ。」
「えっ!!ウソだろう・・あいつはどう見ても男だろう」
驚いて言い返す山下に、島内が
「本当だって。めぐみちゃんは女だって。」
「またまた!!光兄ぃまで」
まだ不信そうな顔つきで優香と島内を睨む山下。
「そんな顔をするなよ。だいたい、こんなこと、うそをついてどうする。」
「なんで、知っているんだよ。」
「前に話したろ・・・ほぼ毎朝会うんだよ、散歩の時にそれに、お前の前でなんど女だと、優香も俺もめぐみも、言ってるのに、いっこうに男だとお前が勝手に思ってただけだろ」
山下は、今までのことを思い出した・・・・
そういえば、あいつ一度も男とは言わなかった。そう思うと無性にうれしさがこみ上げてきた。
「どうするの?」
優香の言葉に山下は、立ち上がり礼を言って病室をあとにした。
そして、めぐみに連絡した。
しかし、携帯は、繋がらなかった。
それは、この日、めぐみには、検査があったからだった。
何度もかける山下・・・
しかし、めぐみには結局繋がらなかった。