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朝の日課を終えためぐみ、この日は島内と会えないでいた。
昨日のことが頭から離れないめぐみにとっては、逆に
会わなかった方がよかったとさえ思えた。
そして、いつも通り出勤しためぐみ、相変わらず一番だった。
ある程度、掃除を終えためぐみ、ため息をついたら。
「なに朝から、ため息ついているのよ。」
めぐみが振り返るとそこには奥寺が立っていた。
「奥寺さん・・・おはようございます。」
「なによ・・・元気ないわね。昨日休んどいて。」
奥山がめぐみの横に来た。
「昨日何かあったの?」
「えっ・・・あ・・いや・・」
「あ~」
めぐみの様子を見て、にやりとする奥寺
「何もないです。何も・・」
トーンダウンして、否定をするめぐみ、それを見た奥山は残念そうに
「あら・・そう?そういえば、めぐみ、昨日来なくってよかったわ。」
「なぜ?」
「昨日の山下さん、珍しく感情的で・・・もう、怖かったんだから・・ところで、何であなた休んだの?病院っていってたけど・・・」
「うん、ちょっとね・・・」
二人は仕事に戻った。
仕事の最中めぐみは、気付かないうちに山下を見ていた。
それに気付いた、奥山は、昼休みにめぐみを呼んだ。
「大丈夫?」
「えっ?」
「めぐみ・・本当に大丈夫?」
「なにが・・」
「もうっ・・・しらばっくれて。見てたでしょう・・山下さんのこと」
「え・・」
驚きを隠せないめぐみ・・・
「なにが・・えっ・・よ・・」
「そんなに・・」
「そうよ、気をつけなさいよ。まだ、山下さん気付いていないみたいだから。」
「はい・・・」
そう返事をしためぐみだが、胸が苦しくなっていた。
一方、山下は、めぐみの視線に気付いていた。
しかし、彼にとっては、めぐみではなく
同僚の飯塚からの視線でしかなかった。