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家に着いためぐみ、慌てて帰ったまではよかったが、
さっき山下の抱きしめられたことを思い出し
胸が熱くなっていた。
そして、
「お前が・・」と言う山下の言葉が心に引っかかった。
しばらく、ボーっとしているめぐみ、そんな時、勇気がからかいに入ってきた。
「アニキ、何ボーっとしてるの?」
ぼーと勇気を見て優香は
「何?勇気・・・」
「だから、アニキどうしたんだよ。」
そう言って勇気が肘でめぐみをつつくと
「何すんのよ。なんでもないわよ・・もうっ」
「あっ・・そう、じゃあ、アニキもう寝るわ。」
「そう、おやすみ・・」
「おやすみ」
勇気は、やっぱりおかしい、なんで怒らないんだ?と思いつつ、めぐみの部屋をあとにした。
一人になっためぐみ、少し落ち着いてここ数日のことを思い出していた。
優香の入院・・・、そして、告白、優香と島内の婚約、山下との喧嘩
あれ?なにか?忘れてる・・・
そして、あることを思い出し、頭が大爆発した。
そう・・いえば・・・わたし・・・キスしたんだ・・・・山下さんと
しかも・・・わたしから・・・どうしよう・・・
その頃、山下は、めぐみに抱きついたことに焦っていた。
あいつのことが・・・けど、あいつ・・・男だぞ・・・と頭を振るい、
いかんどうかしていると自分に言い聞かせ、無理やりめぐみのことを忘れようとした。
しかし、しばらくすると自然とめぐみのことが思い出される。
そう、いつも何かあったら、そこにめぐみがいた。楽しいとき、悲しい時、
そして、あのつらい時・・・めぐみとのキス・・・
あいつは・・・あいつは・・・と胸が熱くなるし・・・
どうしたらいいんだ・・・
それぞれの悩みは、夜の闇と共に深くなっていった。