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しばらくして、二人の姿は、近くのベンチにあった。
「本当に、ごめんな」
「わたしこそ、もう少し、確認しとけばこんなことに」
「本当に、すまん」
山下は、めぐみの前に立ち上がり頭を深く下げた。
「そんなことしないでよ。・・・それより、そろそろ、かえりましょ。」
「あ~!!今何時?」
山下は、大声をあげた。
「どうしたの?」
「ジョンの散歩をたのまれてたんだ」
「わたしも、行く!」
二人は、島内の家に行き、ジョンをつれて散歩向かった。
あんまり、散歩をしたことがないのか・・・うまく連れて行けない山下
よろめきながらジョンをつれて歩く二人、やがて公園についた。
「ジョンおいで・・」
ジョンと無邪気に遊ぶめぐみ
山下は、じっとめぐみを見ていた。そして、胸の鼓動が高鳴っていた。
まずい・・・おれ、本気で・・・と戸惑っていると
「どうしたんですか、山下さん?」
ボーっとしてる山下に気付いためぐみが覗き込んできた。
その顔に驚く山下。
「うぁぁ!!」
「何驚いてるんですか?」
山下の行動を見て笑いながら、ジョンと戯れるめぐみ
遊びもひと段落して、ジョンを連れて並んで歩く二人・・・
「あ~あ・・・楽しかった」
山下は、ふと立ちり、
「めぐみ・・・」
「なに・・・」
めぐみは、両手を後ろにして立ち止まり、振り返った。
そのしぐさに、山下はどきっとして、めぐみを思わず抱きしめた。
「やま・・し・」
めぐみの声が途切れ、山下が声をかぶせた。
「お前が・・・」
その時だった。
”わん、わん”とジョンがほえだし、ロープがするりとめぐみの手から抜けた。
「あっ・・ジョン・・・待て」
二人は、ジョンを追っかけた。