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めぐみが病院にあらわれたのは、夕方になってからだった。
そして、優香の病室に入り、優香の横に立った。
「優香さん、昨日は、ごめんなさい・・・、そして、おめでとう・・・」
めぐみが頭を下げると優香は軽く左右に首を振って
「何言ってるの、めぐみ・・・私のほうこそ、・・」
そのしぐさを見ためぐみはようやく笑顔を取り戻し、
ベットの横の椅子に座った。
「それにしても、島内さんには驚かされましたよ。」
めぐみの笑顔を見た優香も笑顔を見せた。しかし、うつむいて
「うん。わたしもまだ半信半疑なの・・・」
不安な一面をのぞかせた。
「そんなこと言わないでよ」
逆に心配するめぐみに優香は顔をあげて
「でも、今の私を受け入れてくれたんだから」
「そうよ、幸せになってね。」
めぐみは花束を渡した。
「ところで、山下君となにかあったの・・・」
優香がめぐみの顔を覗き込んだ。
その言葉にめぐみの笑顔が、一瞬で消え
「いえ・・・」
言葉を濁した。めぐみの様子を見た優香は、
「ひょっとして・・・」
話を続けようとしたが、めぐみが話をさえぎった。
「大丈夫です。2、3日もすれば、おさまります。」
「本当?」
心配そうにめぐみの様子をみつめる優香、
なかなか次の言葉が出ないめぐみ。
「ええ・・あっ・・そろそろ、わたし、先生のところにいかないと・・・」
めぐみは立ち上がった。
「どうしたの?」
「手術の説明があるの、じゃぁ。また」
そう言い残してめぐみは病室を去った。