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マイフレンド  作者: Seabolt
すれ違い
37/68

2

「こんな早くに面会なんて、どうしたの。まだ7時よ」


突然、病室に入ってきた山下を見て優香が驚いた。


山下が出勤前に面会にきていたのだ。


「いや、昨日、遅かったんで、それと今日、来れそうにないから」


「それだけ?」


「それだけだよ。」


「それと、昨日は、本当にごめんなさい・・心配掛けて。」


優香はあらためて謝ってきた。


「そうだよ、本当に驚いたよ。・・・それに光兄ぃには、もっと驚かされたけど。そういえば、光兄ぃは?」


そう言って山下は、辺りを見まわした。


「ジョンとお散歩よ。多分、ひょっとしたらめぐみと会ってるかも。」


「えっ・・・」


「そういえば、めぐみにも謝って・・お願いできる?」


「自分から言えば」


「めぐみ、いつ来るかわからないから」


「俺も同じだよ。いつ会えるかははっきりしないから。」


「何言ってるのよ。めぐみをいつも誘ってるくせに。」


「えっ?」


「知ってるわよ~めぐみと欲のみに行くんですってね。」


「それは・・」


「ひょっとして、めぐみのこと好きなの?」


「あのなぁ~」


慌てる山下を見た優香、もう・・顔に出てるんだからと楽しそうに。


「ひょっとして?図星?」


「さっきから、めぐみ・・めぐみ・・・ってところでいつからそんなに仲良くなったんだ・・・あんまり言うと、光兄ぃに嫉妬されるぞ。。。」と山下は話題をそらそうとした。


山下の言葉にあきれる優香・・・本当に・・・かわいいんだから


「あら、いけないの。めぐみってよんだら。・・・・ひょっとして、妬いてるの?」


山下は、冷静さを失った。


「おれが!? 妬いているって。」


「かわいいわよねぇ。めぐみ・・・」


優香は山下をあおった。


「な・・何を・・・俺は・・ただ、めぐみと会っていたら。光兄ぃがやきもちを妬くって。」


「わたしも最初は、騙されたもの。めぐみちゃんに・・・」


「めぐみちゃん?・・・あいつは、男だろ・・・」


山下はため息をついた。


「どうしたの? 好きなんでしょ?」


山下はうつむいて。また、ため息をついた。


「なにか、あったの?」


「いや・・・」


「ふ~ん」


「そろそろ、会社に行く時間だから・・・じゃぁ、また。」





会社で仕事をしていた山下、ふとめぐみのことを思い出し、ため息をついた。


「山下さん。」


奥山が声をかけた。


「なんだ?」


そう言っておもむろに顔をあげる山下、いつもの歯切れのよさがない。


「今日、めぐみ」


奥山が言いかけると山下はびくっとなった。


「なに、驚いてるんです?」


「いや、なんでもない・・・」


無理に驚いた表情を隠す山下。


「めぐみ、今日休むそうです。」


「そうか・・・」


山下の様子が気になった奥山は心配して


「なにか、あったんですか?暗い顔をして」


そう話しかけたが、山下は、適当にうそをついた。


「本当になんでもない。・・・友人が入院しただけだ・・・」


「そうですか。」


奥山は、山下の前から去った。


そして


しばらく歩いて


「めぐみも二日酔いでも、出てくるのに・・めぐみになにかあったのかしら」


思いつつ自分の席に向かった。



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