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翌日、めぐみは日課のジョギングに出た。
するといつもの場所で、ジョンを連れた島内が待っていた。
「おはよう・・」
「おはようございます。あ、おめでとうございます。ジョンも元気だったか?」
ジョンの頭をさわり遊ぶめぐみ。
すると
「ちょっと・・いい?」
島内がめぐみを誘い、二人で近くの椅子に座った。
「いろいろ、ありがとう・・・ドナーまで」
そう言って島内は頭を下げた。
「いえ、そんな・・・偶然ですよ。ドナーは、」
謙遜するめぐみ
「いや・・何から何まで・・何といったら・・本当に・・ありがとう」
そう言って島内は、もう一度頭をさげた。
「いいんですよ・・・島内さん・・・」
戸惑うめぐみ・・・
やがて、顔をあげた島内は、彼女の顔を見て驚いた
それは、めぐみの目がはれていたからだった。
「それにしても、今日はひどい顔だな。目がはれあがってるぞ」
「えっ~そんなにひどいですか。」
めぐみは恥ずかしそうに両手で顔を覆った。
「なにか、あったの?」
島内はめぐみの顔を指差した。
「いえ」
うつむくめぐみ
「ひょっとして・・・・?」
「いえ、なんでもないです。」
「顔に書いてあるぞ・・・喧嘩したって」
「え?」
「やはり・・ごめん。昨日のことは、」
「いえ、いいですよ。・・・」
「好きなんだろ?」
ふいに島内がなった言葉に戸惑い顔を真っ赤にするめぐみ
「ちがいます・・・」
口では言ったがめぐみの目から涙がこぼれ落ちてきた。
しばらく、めぐみが落ち着くまで、島内は横にいた。
「島内さん、ありがとうございました。」
「その顔だと、今日は、会社を休んだほうがいいな。」
「はい。」
「自分の気持ちに素直になったほうがいいよ。じゃぁ」
島内は去っていった。