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その頃、島内は、家にいて頭を抱えていた。
そして、2年前のことを思い出していた。
あの時、優香がいなくなった時の虚しさが甦ってきた。
しかも
今度は本当にいなくなると思うと何もかも手につかなくなっていた。
そう思っていると帰ってきた優香との日々が想い出された。
ふと気がつくと島内は引き出しをあけていた。
そこには箱がひとつ。
あの時、渡せなかった指輪が入った箱が
それを握り締め、じーと考える島内・・・・・
やがて、島内は、走り出した。
そう、病院へ
手には、2年前に渡せなかった指輪を持って
病室の前についた島内
彼が扉が開くと・・・
そこには、一人涙する優香・・・
「ゆうか・・・」
そっと声をかける。
その言葉に反応する優香
やがて、
「こういちさん・・戻ってきてくれたの・・」
涙を手でぬぐい
島内の方を振り返えった
「・・・・」
無言の島内
「どうしたの?」
やがて、島内は口を開いた。
「一緒になってくれ・・・」
えっ・・・優香は、言葉を失った。
島内は、優香の前に膝をついて、指輪を見せた。
口をおさえて、驚く優香、目からは、大粒の涙が、一粒、二粒ほほを流れる。
「はい・・・」
小さな声と共にうなずいた。
島内は、優香を抱きしめた。
そして、
指輪を優香の薬指にさした