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数日後、めぐみは医者からドナー鑑定の結果を聞きに病院に来ていた。
「移植可能です。身内でもない限りこんなことはないんですよ。」と医者も驚いていた。
実際に、移植を行うまでには、2ヶ月の準備期間がかかることなどの説明を受けた。
「先生、ちなみにDNA鑑定で姉妹とかわかるんですか?」
「ええ、できますよ・・・どうかしました」
「いえ、こちらの話です。」
めぐみは、優香が助かることを知り喜んだ。しかし、優香は今更言えない。と手術を拒んだ
「何言ってるの、手術をすれば、助かるし・・・」
「あなたは、何も知らないからそんなこと言えるの。」
「えっ?」
優香の言葉に驚くめぐみ。
「移植後の生存率知ってるの?」
「生存率って?」
「移植を受けて、5年先まで生きた人って、50%しかいないのよ。」
そう言って、優香はうつむいた。その事実を知っためぐみ、次の言葉が出ない。
「けど、」
「そんな状態で、光一さんにこれ以上、迷惑はかけれないわ。」
「けど」
「けど?」
つぶやくめぐみの方を見る優香、そしてため息をついて
「手術をやめる」
「だめ!! だめよ!!」
大声で叫ぶめぐみ
「何が駄目なのよ。めぐみ」
「まだ、可能性あるんだから!」
「可能性?50%しかないのよ」
あきれた表情をみせて優香が言うと。
「まだ、50%もあるのよ。」
「わからない子ね!!」
「お母さんの時は、ただ、死を待つだけだったのよ。」
涙ながらに言っためぐみの言葉に今度は優香が息を呑んだ。そして、自分の行動を恥じた。
しばらく、黙り続ける二人、やがて、めぐみが重い口を開いた。
「何を恐れているの? 島内さん倒れた日も徹夜してくれたんでしょ?接待ゴルフの後でも、・・・で毎日来てくれるんでしょ?島内さんを信じてあげてよ。」
「めぐみ・・・でも」
「私の願いも聞いてよ。・・・」
涙ながらに願うめぐみの姿を見て優香は決心した。
「わかったわ、受けてみるわ。けど、お願いがあるんだけど、」
「いいわよ」
「告白する時、そばにいて」
「わかった。」