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マイフレンド  作者: Seabolt
告白
31/68

1

数日後、めぐみは医者からドナー鑑定の結果を聞きに病院に来ていた。


「移植可能です。身内でもない限りこんなことはないんですよ。」と医者も驚いていた。


実際に、移植を行うまでには、2ヶ月の準備期間がかかることなどの説明を受けた。


「先生、ちなみにDNA鑑定で姉妹とかわかるんですか?」


「ええ、できますよ・・・どうかしました」


「いえ、こちらの話です。」


めぐみは、優香が助かることを知り喜んだ。しかし、優香は今更言えない。と手術を拒んだ


「何言ってるの、手術をすれば、助かるし・・・」


「あなたは、何も知らないからそんなこと言えるの。」


「えっ?」


優香の言葉に驚くめぐみ。


「移植後の生存率知ってるの?」


「生存率って?」


「移植を受けて、5年先まで生きた人って、50%しかいないのよ。」


そう言って、優香はうつむいた。その事実を知っためぐみ、次の言葉が出ない。


「けど、」


「そんな状態で、光一さんにこれ以上、迷惑はかけれないわ。」


「けど」


「けど?」


つぶやくめぐみの方を見る優香、そしてため息をついて


「手術をやめる」


「だめ!!  だめよ!!」


大声で叫ぶめぐみ


「何が駄目なのよ。めぐみ」


「まだ、可能性あるんだから!」


「可能性?50%しかないのよ」


あきれた表情をみせて優香が言うと。


「まだ、50%もあるのよ。」


「わからない子ね!!」


「お母さんの時は、ただ、死を待つだけだったのよ。」


涙ながらに言っためぐみの言葉に今度は優香が息を呑んだ。そして、自分の行動を恥じた。


しばらく、黙り続ける二人、やがて、めぐみが重い口を開いた。


「何を恐れているの? 島内さん倒れた日も徹夜してくれたんでしょ?接待ゴルフの後でも、・・・で毎日来てくれるんでしょ?島内さんを信じてあげてよ。」


「めぐみ・・・でも」


「私の願いも聞いてよ。・・・」


涙ながらに願うめぐみの姿を見て優香は決心した。


「わかったわ、受けてみるわ。けど、お願いがあるんだけど、」


「いいわよ」


「告白する時、そばにいて」


「わかった。」

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