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マイフレンド  作者: Seabolt
それぞれの想い・・
30/68

6

病院に荷物を届け、家に帰ろうとした時、


めぐみの携帯がなった。携帯を覗き込むと山下からだった。


「もしもし」


「俺だけど・・」


「どうしたの・・・」


「頼む来てくれ・・・・」


「わかった。」


山下の家に着いためぐみ、玄関で呼び鈴を鳴らすが反応がない


ドアノブに手をかけると、鍵が開いていた。


気になっためぐみが中を覗くと、部屋は真っ暗な状態だった。


そして、「山下さん、入りますよ」と言って玄関から入って行った。


廊下を進み暗い部屋にたどり着く、そこで「山下さん?」と声をかけると「ああ・・・」と奥から声がした。


明るくすると、そこには、虚ろな表情をした山下が横たわっていた。。


「大丈夫ですか・・・」


めぐみの声に目を向ける山下だがすぐに視線を落とした。


「大丈夫だ・・」


「そうは見えないですよ。」


心配そうに山下の方を見つめるめぐみ


「大丈夫だ。」


山下は繰り返し言った。


「ところで、今日は、どうして来なかったのですか?」


そう言ってめぐみは、山下と向かい合って座った。


「いや・・べつに・・」


山下の気のない返事。


「どうしたんですか。」


「どうしたらいんだろう?」


山下がつぶやいた。


「なに、言ってんですが、・・・好きな人なんでしょ?それより、大丈夫ですか?」


「大丈夫だよ・・・」


山下は、同じ言葉を力なくはいた。


「そうは見えないけど・・・」


めぐみは立ち上がって山下に近づいた。


そして、山下の顔を見つめた。


山下は、ただじっと・・・涙をこらえていた。


その顔をじっと見つめるめぐみ、そして、山下の横に座って


「大丈夫・・・」


めぐみは山下の頬に両手をあて、じっと山下の顔を見つめた。


そしてもう一度「大丈夫」とささやき、そっとキスをした。


山下も最初は驚いたがやがて・・・目を閉じた・・・お互いの唇がはなれ。


見詰め合う二人、しばらくして、山下はめぐみとキスをしたことに驚いた。


「何驚いてんですか?」


「何って・・」


「ところで、面会に行かないんですか?」


「どんな顔をして、会えばいいんだ・・・」


山下の顔が再び暗くなった。


「それで、今日は来なかったんですか」


「ああ・・・」


気のない返事が返ってきた


その言葉を聞いて、めぐみは


「私の死んだお母さんが入院した時、毎日、会いに言ったよ・・・いつも通りに」


山下の方を見つめた。そして、こうつぶやいた。


「お母さんが死んだ日まで・・・」


その言葉を聞いて、ただ、めぐみを見つめる山下


「めぐみ・・・お前は、強いよな」


めぐみの頭をなでた・・・


「強くないよ。」


「えっ、」


「私、そんなに強くないよ。・・・」


その言葉に驚く山下・・めぐみの顔を見ると目に涙を浮かべていた。


「ごめん・・・」


「お母さんは、死んじゃったけど・・・後悔してない・・・」


めぐみは、ボロボロと涙をこぼしだした。


山下は抱きしめ


「めぐみ・・・ごめんな」


しばらくして泣き止んだめぐみ・・・ソファに二人並んで座っていた。


「めぐみ・・・」


「なに・・・」


「明日でも行ってみるよ。・・・」


山下はめぐみの肩によりかかった。


「山下さん?」


横向く


「めぐみ・・・ありがとう・・・」


すとんと頭が肩から前に落ちてきた。


両手で頭をささえて


「山下さん?」


山下は、眠っていた・・めぐみは、膝枕でしばらく寝かせた。


朝、山下が目をさましたら、メモがあった。


”ガンバだよ・・・”


「何がガンバだ・・女みたいに・・・」




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