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あれから3ヶ月・・・
めぐみにとって、この日が職場復帰の第1日目だった。
ジョギング中、大きな犬を連れた男性にめぐみがあいさつする
「おはようございます。」
「おはよう」
するとその男性から挨拶が帰ってきた。
そして、犬の方に近づき、頭をなでて
犬とじゃれ合うのがめぐみの日課となっていた。
「ジョン、元気だったか?」
「めぐみちゃん。元気そうだね。」
「あ、島内さん、ありがとうございました。」
そう言って島内の方を見て一礼をした。
めぐみは、島内と話をするようになったのは半年くらい前、
ジョギング中に、ジョンがいきなり飛び掛ってきたのがきっかけだった。
そして、いつもやさしく接してくれる島内は、めぐみにとって気になる存在だった。
「今日から新しい部署へ変わりましたから、島内さんの助言がよかったんですよ。」
「そうか。よかったな、めぐみちゃん」
相槌を打つ島内を見て何かいつもと違うと感じるめぐみ
「どうしたんですか、なにかあったんですか。島内さん・・・・」
この日に限って、いつもにこやかな島内の表情に少し暗さを感じためぐみは思わず聞いてしまった。
「いや、たいしたことないよ・・・・」
「そうですか?そうは見えないですよ。ひょっとして、・・・」
「う~む」
しばらく黙る島内
「この間、助言もいただいているし・・・何か・・」
めぐみがまじまじと見ていると島内は観念したらしく、重い口を開いた。
「実は、昨日、友人からの相談で、前に別れた彼女から会いたいと連絡があったらしく
どうしたらいいのか、迷っているそうなんだ、俺としても、どう答えたらいいか?」
「それで、その人は別れた人に会ったんですか。」
「まだ、さっきも言った通り、連絡があっただけだから」
めぐみは、少し考え
「ところで、その友人は、まだ、彼女のこと好きなんですか?」
その質問に戸惑う島内、しばらくして、
「別れたときは、好きだったんだよ・・・今は・・・いや、よくわからない。」
「困りましたね・・・解らないんだったら・・・」
再び悩み始めるめぐみ
「だったら?」
「一度、会ったほうがいいんじゃないですか?それで好きかどうか解ると思いますよ、
あ、時間だ・・・すみません島内さん、もういかないと ジョンまたな」
そういい残し、めぐみは走り去って行った。