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家に帰っためぐみは、横になってテレビを見ている父親を見つけて
「お父さん・・・ちょっといい?」
「何だ・・・」
めぐみの方を振り返る父親
「おかあさんのこと何だけと。・・」
そう言ってめぐみは、父親のそばに座った
「何が知りたいんだ?」
少しいぶかしげな顔をする父親。
「私のお姉さんのこと・・・」
めぐみは父親をまじまじと見た。
父親は、ため息をついておもむろに口をひらいた
「お前の父親は、大橋という男だ。」
父親はめぐみの過去を語りだした。
「私と大橋は大学時代の親友だった。そして、二人は、同じ女性に恋をした。
そして、彼女を射止めたのは大橋だった。彼女がお前の母親だ。
しかし、大橋の両親は、二人の結婚には大反対だった。それは、すでに
大橋の両親が結婚相手を決めていたからだ。二人の仲を知っていた私は
お母さんの為に二人の駆け落ちを手引きした。」
「でも・・お父さんは、それでよかったの?」
「私は、今でもそのことは後悔していない。」
「なぜ?お父さんも好きだったんでしょう?」
「好きだったから、お母さんの望むことをしてあげたかったんだ。けど。」
「けど?」
「けど、4年後、大橋は、子供と共に両親に無理やり連れ戻らされた。
そして、私が行った時には、家に一人お母さんが残され悲しんでいた。」
「じゃぁ、おとうさんは」
「悲しみにくれるお母さんを見て、ただ、自分が出来ることを考えた。
その時、お前を身ごもっているのを知って、なおさら、結婚することを決意した。」
めぐみは、父親にだきついた。
「お父さん、ありがとう。・・・」
「ところで、お姉さんでも見つかったのか?」
「お母さんの若い頃の写真を持ってたみたい・・・これ」
めぐみは携帯にとった画像を見せた。
「若い頃のお母さんだ・・・ちょっとま待て」
父親は、それを見て席を立った。
そして、古いアルバムを手にして戻ってきた。
「この写真は、多分これだ。」
そこには3人が仲良く写っている写真があった。
「じゃぁ、ひょっとして、あの人がお姉さん?」
「で名前は、優香だったかな?」
「そう!優香さんって言うのその人も」
「かもしれんが、よく調べてみないとな・・・」
「わかった。それと、これにサインして・・」
「なんだ、ドナーか。いいよ・明日検査なら、早く寝なさい」