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マイフレンド  作者: Seabolt
ケガの勲章
22/68

2

翌日、会社に出た二人は、みんなに心配されてはじまった。


奥山が「めぐみ、大丈夫?ところで、何で山下さんと・・・」


「昨日は、米山部長の件で帰るのが一緒だったの。」


「ふ~ん」と奥山は少し半信半疑だった。


「それに、会社を出たの私が先だし、後ろに山下さんがいるのを知らなかったんだから。」


「それだけ・・・」


「だって、私が襲われそうになったのをみて、山下さんが助けてれたんだから。」


「そうよね・・・でもよかったは、ケガが軽そうで。」


すると山下が「飯塚さん。」と声をかけ近づいてきた。


奥山は「じゃぁ。」とそそくさと立ち去った。


「あ、飯塚さん、大丈夫、昨日は・・・」


めぐみは、立ち上がって「たいしたこと無いです。本当に昨日はありがとうございました。」


山下は、昨日から考えていた確か俺は、めぐみを助けようとしていたな?


後ろ姿とはいえ、飯塚とまちがえたんだ?


そもそも、飯塚を助けたのは、部下といえるが、めぐみをなんで助けようとしたんだ?


そう考えると、時々、飯塚をちらちら見てしまう。


その視線に気付いて、めぐみも思わず見返す。


昼休みになって、「めぐみ~」と奥山が話しかけてきた。


「災難ねぇ~」


「いや~・・」


めぐみは少し頭をかいて、話をそらそうとした。


「無理よ。・・」


こそっと、奥山が話し始めた。


「あの人、あなたと同じ同姓同名の彼がいるから。・・・」


「えっ・・・」


「この間見たもの、二人仲良く歩くの・・・・しかも・・キスしてたのよ」


奥山の言葉にしばらく固まるめぐみ・・・


奥山に見られたことより、キスをしたことを思い出してしまった。


「めぐみ!!どうしたのよ。黙り込んで?」


固まっているめぐみの様子を伺う奥山、めぐみをゆすって見て。


本当?どうしたのよ。そんなにショックだったのかしら?


「めぐみ!!!」


奥山の声ではっとわれに返るめぐみ


「どうしたのよ・・」


「あ・・いや・・・」


「そんなにショックだった?」


「あ・・・でも、何か、お返しでもしないと・・・」


「むりむり、何か買っていったほうがいいわよ。」


めぐみは、だめもとで誘ってみるかと思った。


「もし、よかったら、今晩、食事でも・・」


「気持ちだけを受けとくよ、ありがとう・・・」


めぐみは、さらっと山下にかわされた。


しばらくして、後ろからめぐみの耳にボソッと


「やっぱ、だめでしょう?・・・」


「まぁいいよ、お礼だけでもできたんだから・・・」


そう自分に言い聞かせ帰り支度をした。


いつもの男っぽい服装に戻っためぐみ


めぐみ自身、しばらくは、この格好じゃないと・・怖い・・・と思っていた。


その時、携帯がなった。


携帯をとると山下からだった。


「めぐみ、今、あいてるか?・・・」、


「いいですよ。いま、近くですから・・・」


「じゃあ・・いつもの居酒屋で」




居酒屋についた二人、個室で


「かんぱーい」と飲み始めた。


山下は、昨日からのことを話し始めた。


「じゃぁ、その娘のことをおいて来たの?」


「奥山のこともあるし・・・」


「奥山さんって・・あの公園に来ていた。」


「そう・・あいつも断っているし・・ただ・・」


「ただ?」


「今日は、なんとなく飲みたくなってな・・・・そしたら、お前の顔がうかんだんだ。」


「じゃぁ、なんで私なんですか?」


めぐみは少しうれしそうに話ながら、おもむろに立ち上がり席を山下の横に移した。


「もう、近づくな・・・」


ふと山下がめぐみの顔を見たとき、顔にかすかに青くなったあざを見つけた。


「お前、その顔どうしたんだ?・・・」


「山下さんに助けられた時の傷だよ・・」


「それは、俺の話だ・・・」


「だから、わたしがその飯塚めぐみだ。」


めぐみは、思い切って言ってみた。


その言葉を聞いて、チラッとめぐみを見てため息をつく山下。


「もう、たっく、お前はこの間、女だといってみたり、今度は、俺の部下か・・・わかった。わかった。」


「でも、もし、私が女だったら、どうする?」


もう一度めぐみは言ってみた。


その言葉に、山下の動きが止まり、しばらく、めぐみの方を見た。


「な・・なによ」


次の瞬間、


バチーン!!


めぐみの頭からいい音が響いた。


山下が平手でめぐみの頭を叩いたからだった。


「いたーい!!!何すんですか?」


「どう見ても、めぐみは、男だろう。」


そう言い切って山下は、まったく信じようとしない・・・


その言葉を聞いためぐみは、「ふう・・・」とため息をついて天を仰いだ。


その光景を見た山下はめぐみのあたまをくしゃくしゃと触った。


その手を払いのけようとするめぐみ


しかし、視線はじーっと山下の方を見つめていた。


その視線に気付いたやました


「なんだよ。」


その言葉を聞いためぐみ、にんまりと笑顔をつくり、山下の体を触り始めた。


「ところで名誉の負傷はどこですか・・」


「痛い・・・やめろ・・」



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