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マイフレンド  作者: Seabolt
マイフレンド
18/68

1

翌朝、いつもの通り男装をして会社に出た。


そして、会社に着くと着替えを済ませて事務所に出た。


「今日は1番か」


やがて・・・


「おはよう」


野本があらわれた。


「おはようございます。」


次に、奥山があらわれた。


「おはようございます。」


そう言って、めぐみが二人の様子を見ていると


野本は、奥山を誘って、何かを話しているようだった。


「奥山さん?お誘いですか?」


めぐみは、戻ってきた奥山に話しかけたが、


奥山は、いい顔をせず、黙って・・・


ゴン!!


「痛い!!」


めぐみの頭を叩いて、何事もなかったように自分の席に座った。




昼休みになって、めぐみの目の前にやってきた奥山


「めぐみ、ちょっといい?」


めぐみを昼食に誘ってきた。


近くのカフェに行き、ランチを囲む二人・・・


「あの~・・」


めぐみから話し始めようとしたら、


「ここのランチ、おいしいでしょう。」


奥山はめぐみの話をさえぎった。


そして、ため息をつく、奥山


「どうしたんですか?」


めぐみの言葉に、チラッとめぐみを見て視線を落とす奥山


再びため息をついた。


「どうして・・・山下さんじゃなくて、野本くんなの?」


奥山の独り言に、取り残されためぐみ・・・


「あの~・・」


その声を聞いて、めぐみがいるのを思い出した奥山


「もう・・だめなのかしら?」


そうつぶやいた・・・


「奥山さん、どうしたんですか?」


めぐみの顔を見た奥山・・・


「めぐみどう思う?」


こんな言葉をめぐみに投げかけた。


「何を?」


「山下さんよ」


「山下さん?」


「そうよ・・いくらわたしが誘っても・・・」


その言葉を聞いて、山下が奥山をうっとおしいと思っていたことを思い出した。


「奥山さん・・本気なの?」


「そうよ・・」


そう言ってため息をつく奥山・・


「もう・・無理なのかしら・・・」


「山下さんって彼女いるんでしょ?」


「いないわよ!!・・たぶん」


めぐみの言葉に自信をなくす奥山・・・


「ところで野本さんはどうなの?」


「ぜんぜん、だめよ・・・」


めぐみにして見たら驚きの一言だった。


野本自体も社内の女の子の中では、結構人気があるほうだったからだった。


「どうして?」


「仕事では、そんなことないんだけど・・・」


「けど・・」


「実際に、話すとなんとなく頼りなくっ・・・」


そう言って又ため息をついた。


「頼りないって・・・」


「なぜ、そんなことを聞くって、めぐみ・・ひょとして・・」


「あっ・・・いや・・野本さん、今日も奥山さんを誘っていたでしょ。だから・・・」


「そうなの?」


すこし疑り深い目でめぐみを見る奥山・・・


「ところで、山下さん・・・・」


そうめぐみが言おうとしたが、奥山の悲しそうな様子を見ると


言葉が出なかった。


しばらくして・・・


「えっ・・・なに?」


ようやく反応があった奥山・・・



家に帰っためぐみ・・・


どうしたらいいんだろう。


このままだと単に奥山さんを傷つけるだけだし・・・


「何してんの?」


そこへ勇気が入ってきた。


「あ・・いや・・・」


「珍しく悩んでんの?」


「どういう意味よ・・・」


「また・・あのエロハゲ親父?」


「関係ないでしょ・・・あんたには・・」


「ひょっとして・・・恋の悩み・」


勇気の一言にしばらく言葉を失うめぐみ


めぐみの様子を見て、勇気は


「本当?」


めぐみを指差して言うと


「ちがうわよ・・」


「ひょっとして・・図星?」


「うるさい!!」


そう言って、クッションを投げつけるめぐみ


「おおっと!!」


クッションをよける勇気、ふとめぐみを見る


「アニキ・・・どうしたんだ・・」


いつもなら怒るめぐみだったが、ため息をついた。


それを見て、勇気は、めぐみのそばに来た。


「どうしたんだよ。」


「う~ん?勇気・・・」


めぐみは、山下が自分を使って奥山にあきらめさせようとしていることを勇気に伝えた。


そのことを聞いた勇気の一言目にめぐみは、怒った


「へぇ・・・物好きもいるのだ」


「なによ!!」


「っていうか・・本当にいくかな~?姉貴みて!!」


「ちょっとぉ~!!いいすぎじゃない?」


「まぁ・・今の姉貴じゃ・・・わからないだろう」


「で?」


「とりあえず・・姉貴・・まま・・やったほうがいいんじゃない_?」


「それって?」


「まぁ・・やってみたら?」


「どういう意味?」


「今の姉貴じゃ・・大丈夫・・・」


「そう・・?」


「俺・・一番方法だと思うけど・・・」


「なぜ?」


不思議そうに声をかけるめぐみ・・・


「ゲイと思ったほうがましじゃん。」


「誰が!?」


そう怒るめぐみを尻目に、勇気は部屋を出て行った。






山下からメールが入ったのは数日後の金曜日のことだった。


内容は、お誘いの電話をしてくれだった。


ふと、山下の席を見ると奥山が話しかけていた。


めぐみは、こっそりと、事務所をぬけた。


外から事務所内をこそっりと見るめぐみ


そして、携帯をかけた。


「もしもし、・・山下ですけど」


「もしもし、飯塚ですけど、今日あいてますか?」


「ええ、いいですけど・」


「19:00に駅前で・・・」


「ええ、いいですよ」



めぐみが事務所に戻ると、山下はうれしそうな顔をしていた。


「今日もだめなんですか。」


奥山の声がした。


「そうだよ・・、今日は約束があるんだ。」


山下はうれしそうに言い返した。


「飯塚って人ですか?」


「そうだよ・・」


奥山もさすがにあきれた。自分よりあの男のほうがいいなんて、


戻ってきためぐみに視線が集まる。


「飯塚さん、いつから山下とつきあってんの?」


野本がめぐみに聞いた。


「なっ・・・なによ・・・?」


「あやしいなぁ?」


野本がめぐみに問いかける。


「同じ飯塚でも、男よ」


そのうしろから奥山が言った


「なんだ・・・」


野本は悔しそうだった。





廊下で、野本を見つけためぐみ


野本をリフレッシュルームに連れて行った。、


「野本さん、あなた、奥山さんが好きでしょう。」


「な、なにを言うんだ・・・」


野本は突然の話に驚愕の顔を見せた。


「ふ~ん、わたしから言ってあげましょうか」


「余計なお世話だよ・・・・」


野本はやや怒り気味に顔を背けた。


めぐみは、顔の正面に立ち


「めがね取ってみて、」


「な!なんだよ」


「いいから~・・」


「たくっ・・・なんだよ」


仕方なく眼鏡をはずす野本。


「背筋伸ばして・・・」


野本の顔立ちを見て


「ふ~ん。じゃぁ、今日でも思い切って告白すれば?」


「何を急に・・・無理だよ」


驚き戸惑う野本・・


「何が、無理なのよ、好きなんでしょ?」


めぐみの言葉を聞いてため息をつき


「あいつ、山下さんが好きなんだよ・・」


そうこぼした。


その言葉に、めぐみは、少しむっとした。


「何が、あいつは・・・なの、本当は好きなんでしょ?だからちょくちょく、食事誘うんでしょ?」


「・・・・」


とうとう野本はうつむいてしまった。


「協力しましょうか?」


「えっ・・・なぜ」


「好きなんでしょ?・・・ただ、それをほっておけないから・・・」


そう言って野本にメモを渡した


「これはなに?」


「このメモに20:00海浜公園の時計前で待つに書いて」


「なんで・・・」


「本当は、今日お誘いしてたんでしょ?」


「しかし、さっきも見ての通り、山下さんを誘っていただろ。」


「でも、無理だったでしょう、今がチャンスなんだけど・・・」


「本当か・・」


少し喜ぶ野本


「奥山さんの机においといてあげるから・・・本当は、野本さんの口からいえばいいんだけど。」


「この間、断られているから・・・いえないよ」


「だからメモを置くの・・・それと、格好が今のままだと少し問題があるからフランって美容院

いってみて!、これ」


そして、フランの場所と連絡先の書いてあるメモを渡した。


「えっ、このままでいいだろ。」


「だめ」


かなりきついだめ出しするめぐみ


「たまには、イメチェンも大事だから・・・じゃぁ、健闘を祈ります」


奥山が、机の上に戻ると、メモがあった。20:00海浜公園の時計前で待つと、


「めぐみ、このメモだれ?」


「さぁ、わたし、帰ってきたら、置いてあったわよ。」


「この字は、多分、野本さんね・・・」


「もしもし、・・山下ですけど」


「もしもし、飯塚ですけど、今日あいてますか?」


「ええ、いいですけど・」


「19:00に駅前で・・・」


「ええ、いいですよ」と切れた。


事務所に戻ると、山下はうれしそうな顔をしていた。


「今日もだめなんですか。」と奥山の声がした。


「そうだよ・・、今日は約束があるんだ。」山下はうれしそうに言い返した。


「飯塚って人ですか?」


「そうだよ・・」


奥山もさすがにあきれた。自分よりあの男のほうがいいなんて、


戻ってきためぐみに視線が集まる。


「飯塚さん、いつから山下とつきあってんの?」と野本がめぐみに聞いた。


「なっ・・・なによ・・・?」


「あやしいなぁ?」と野本がめぐみに問いかける。


しかし、野本の後ろから「同じ飯塚でも、男よ」と奥山が一言


「なんだ・・・」と野本は悔しそうだった。



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