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マイフレンド  作者: Seabolt
揺れる二人
17/68

1

びしょ濡れのふたり


「ちょっとまってろ。」


山下は、玄関にめぐみにを待たせた。


しばらくして、上半身裸になった山下があらわれた。


「うわ~」と驚いためぐみに


「何を驚いてんだよ、これも着てろ」とタオルと服を渡した。


それを見るめぐみ、山下の方を見て


「洗面所借りてもいいですか?」


「いいよ」


めぐみは、洗面所で着替えていた。


上着を着替え、ズボンを脱いだとき、


ガチャと山下がはいってきた、


「キャッ」


声をあげためぐみ


「なにが、きゃっだよ。男のくせに・・・」


山下は、上は白い大き目のYシャツ下は、何もはいていないめぐみの姿を見て、


少しどきっとした。


「ちょうど、今から、飲みたいから・・・付き合え。」


そういい残して洗面所を出て行った。


しばらく、めぐみは動悸がおさまらなかった、


というより、


何でこんなに、セクハラを受けるの?と思っていた。


そして、深呼吸して、洗面所を出た。


めぐみが山下の前に座ると


「ほら」


山下が缶ビールを差し出した。


「今日は、元気ないですね~」


めぐみが聞くと、


「う~む」


「この間の彼女とはどうだったんですか?」


しらばく、めぐみをにらむ山下。


「なっ・・・なによ。」


めぐみは、立ち上がり山下の方へ動いた。


それを見て、はぁ~とため息をし、山下はつぶやいた。


「ずっと・・・俺の片思いだったんだよ。」


「片思い・・・か」


めぐみは、山下の横に座り、山下と優香のことを思い出した。


缶ビールをグビと一口飲み・・


「はぁ~」とため息をついた。


無言でめぐみの方を見る山下、


そして、


「お前こそ、何だよ。ため息なんかついて。」




「あっ・・いや・・・なんでもない・・こっちのこと」


めぐみはあわてて


「で・・どうするの?」


聞き返した。


「どうするって・・」


「告白するの。」


「それは・・・」


「じゃぁ、あきらめるの」


「誰が」


山下は少しにらんだが、すぐにかなしそうな顔をして、


「そうだな~」


その言葉を聞いて、


あの二人、お似合いだもんな


それに、私の入る隙間もなさそうだしと思い再びため息をついた


「何、ため息をついてるんだ。」


「あ・・いや・・」


めぐみが戸惑っている時、携帯がなった。


「ちょっと・・」


携帯をとるめぐみ


「はい、?・・・雨がやんだら、かえるから・・」


と話を終えた。


「だれ、彼女?」


興味本位に聞く山下。


「誰でも、いいじゃないですか。ところで本当にあきらめるんですか?」


めぐみが切り返した。


「そうだなぁ~、あきらめるか。」


「だったら、あの娘なんかどうです?」


「あの娘?」


「この間、喫茶店に来ていた。・・」


「あ、奥山、・・・奥山は、無理だ。」


山下が言った後、しばらく考え込んだ。


ふとあることを思い出し、


そして


めぐみをじっと見た。


めぐみは山下の行動に躊躇して、


「なんですか。私の方を見て」


「飯塚、お前、実は女ということにして、俺の彼女をやってくれないか」


「はぁ?」


その言葉を聞いて驚くめぐみ


「奥山は、部下だし、むげに断れない。」


「なら、なおさら、こんな方法は、無理じゃないですか。それに、わたしは、女です。」


山下は、もう一度、めぐみをジーと見た。


「な・・なによ・・」


しばらくして、めぐみの頭をバチッと叩いた。


「いた~い。なにすんのよ。」


めぐみは、叩かれたところを両手で押さえた。


「何を言ってるんだ、どう見ても男だろ。」


山下は頭を抱えためぐみを見て言った


「いたた・・」


言いつつ、めぐみはため息をついて、


「好きになってくれる女性の方がいいんじゃないんですか。」


「いやなんだよ、あいつだけは、手伝ってくれんのか?」


「それが人に頼む態度ですか?」


めぐみは断ろうとした。


すると、山下は、両手をあわせて


「頼む、この通りだ。」


「本当に、彼女が嫌いなんですね。」


「ああ」


「どうしてなんです?」


「そこまでいわないとだめか?」


「まぁいいですけど・・・、いたずらに傷つけても効果ないよ・・」


「じゃあ、どうしたら。・・・」


山下は考えていた。


「じゃぁ~」


めぐみはあくびをした。


ふと、山下がめぐみに目をやるとうとうとして、今にも眠りそうだった。


おとこのくせに、かわいい寝顔をしてやがる・・・


気が付くと、じっと、めぐみを見つめていた。


しばらくして、いかんいかんと思いめぐみから離した。


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