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マイフレンド  作者: Seabolt
失恋
15/68

4

「飯塚さん、ちょっといい?」


山下が呼んだのは、めぐみが帰ろうとしたときだった。


「はい、」


めぐみは彼の横に行った。


めぐみの方を見た山下は


「ところで、仕事は慣れた?」


そう聞いてきた。


「はい、だいぶと。・・・」


「じゃ、がんばって・・・俺もなぐられんようにせんとな」


山下の言葉に驚くめぐみ・・・


しばらくして


「山下さん・・・なぐられたいんですか?」


逆にその言葉に驚く山下


「おいおい。また、部署かわりたいのか?」


「じょーだんですよ。やっと、なれてきたのに、」


めぐみは、自分の席にもどってきた。


そうすると、奥山が近づいてきて


「やさしいわねぇ~」


めぐみの耳元でチクリと言った。


「そうかな~?どっちかといえば、気をつかっているようで・・・」


めぐみの言うことより、山下さんと馴れ馴れしいめぐみがうらやましい奥山


「いいわねぇ~」


思わずつぶやいた・・・


しかし、めぐみはため息をついて


「というか、前の部署の件もあるから・・」





今日はついてなかったなぁと思いつつ歩くめぐみ・・・


十字路に差し掛かった時、


ワン!!


急に犬がほえてきた。


驚いためぐみが見た


よく見るとそこにはジョンがいた。


島内が散歩をしていたのだ。


「島内さん・・」


「二日酔いはさめましたか?」


「はい・・」


恥ずかしそうにうつむき、めぐみは答えた。


「ところで、島内さんどうしたんです?」


「ああ・・今日は、少し早く終わったんでね。」


「そうですか・・」


「少しお茶でもしませんか。」


「えっ?私ですか?」


驚くめぐみ


「そうです・・」


「でも・・ジョンは?」


めぐみは犬を指差した。


「大丈夫。お時間はありますか?」


微笑む島内


「ええ・・まぁ・・」


めぐみは島内について行った。


そして


とあるドックカフェに二人は入った。


「こんなところがあるんですね。」


「まぁ・・」


「ところで、どうして私を?」


「この間、悩みを聞いてもらったお礼に・・・」


「お礼だなんて・・」


少し照れるめぐみ、コーヒーカップに口をつけた


「で・・どうなったんです?友人の話は?」


「それが・・・」


島内の言葉が止まった。


「それが?」


めぐみは、もう一度聞き返した。


ようやく重い口を開いた。


「会ったらしいんだけど、追い返したみたいなんだ。」


追い返したという言葉に、飲みかけていたコーヒーの手を止めた。


「で・・」


「で・・とは?」


「その人はどうと?」


「返したことが正しいか、悩んでいるみたいなんだ。」


島内の言葉を聞いて、めぐみは持っていたカップをおいた。


そして、しばらく考えて


「うーん・・・悩んでいるんですか?」


「そう・・みたいなんだ。」


めぐみは、少し頭を掻いた。そして


「ところで・・・その人は、元恋人がまだ好きなんですか?」


「好き・・・?あっ・・いや、わかないんだ。」


「え~!!わからないんですか。」


「そう・・」


「じゃぁ・・会いたいとか思わないの?」


「会いたい?・・・それもわからない・・・らしいんだ。」


「それは、本当に困りましたね。」


めぐみは、腕を組んで、また、しばらく考えこんだ・・


その様子を見て島内は、


「めぐみちゃん・・・もう・・いいですよ・・」


そう言いかけた時、


「でも・・・追い返したことには悩んでいるんでしょう?」


「え・・・」


「だから・・・その人は、追い返したことには悩んでいるんでしょう?」


「ああ・・」


そういいかけた島内は、慌てて


「あ・・・いや・・・多分・・その人は、そう思っている・・」


「じゃあ・・まだ、好きなのかも・・・」


めぐみは、組んでいた腕をはずし、少し身を乗り出し島内のほうを見た。


「えっ?」


めぐみの言葉に驚く島内・・・


「なぜ?・・・・すき・・・て?」


「もし、嫌いなら、自分がしたことに迷ったりしないでしょ。」


「・・・」


言葉が出ない島内に、めぐみは


「だから、もう一度、会ったほうがいいかも・・・」


そういって、再びコーヒーを飲みだした。


やがて、島内は


「そうか・・ありがとう。友人にいってみるよ」








ちょうどその頃、山下は優香と会っていた。


「光兄ぃも白状だよな・・・」


「そんなことを言わないでよ。」


二人は向き合って食事をしていた。


「で・・俺は代役?」


「そんなつもりは・・」


「いいよ。別に・・」


「もう駄目なのかしら」


ため息をつく優香


「でも、顔もあわせてくれなかったわけじゃないんだろ。」


「ええ・・まぁ・・」


「優香さぁ、もう少しがんばってみたら?」


「わかったわ」


二人はそれぞれの家路に付いた。



家に戻った島内は、優香との楽しかったあの頃を思い出していた。


しかし、別れの場面がよみがえる。


どうしたらいいのか悩んでいた。


そんな時、


「まだ・・好きなのかも・・・」という声がした。


そして、


気がつくと島内は、優香の家に向かっていた。


優香の家のインターホンの音が鳴る。


ホーン越しに、島内を見つけた優香。


ドアを開けた優香は、何も言わずに島内に抱きついた。


そして、見つめ合いキスをした。


その日、二人は、一緒にすごした。


お互い理由を聞くことも無く・・・・


そして、今まで離れた時間を取り戻そうと・・・・


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