1
「今なんて・・言いました?」
山下の言葉を聞きなおすめぐみ・・・
「だから、たまに、こうやって会わないか?」
「なぜ?」
不思議そうに山下を見つめるめぐみ、それを見て、山下はため息をついて
「奥山がうっとしいんだ」
そうこぼした。
「どうして?かわいらしい娘じゃないですか」
「そりゃ、会社の同僚なんだ・・・」
「社内恋愛なんて普通じゃないんですか?」
「そうじゃなくて、」
「だったら、なぜ?」
「部署が同じなんだよ。」
「それが?」
そのめぐみの一言に、むっとした山下、
「あのなぁ~!!お前の好きな娘が同じ部署にいたらどう思う?」
「どうって!!!わかりません。」
「みんなの前で、恥ずかしくないか?」
めぐみは、ふとその光景を思い浮かべた。
確かにみんなに見られているのは恥ずかしいと思った。
「でも、なんでわたしなんですか?」
「ちょうど、奥山も君の事を知っているから、都合がよい。」
「それだったら、この前の彼女がよかったんじゃないんですか?」
「優香は、無理だ。」
山下はむっとした。
「優香さんって言うんですか。あの人」
めぐみが言うと
「優香は、・・・えい、うるさい・・・」と少しむきになった。
「では、これで・・・」というと、
「今日は、飲みに行こう・・・」
山下は、イライラを吹き飛ばしたいと思いめぐみを誘った。
「えっ・・・」
「いらっしゃい・・・おっ?雄ちゃん・・・新しい彼女?」
その言葉にピクリと止まる山下・・・
「大将!!そりゃないよ・・・」
そう言って、めぐみを指差す山下。
その行動を見て、
「どういう意味?」
そう突っかかるめぐみに対して
めぐみを見つめる山下、
その視線にドキッとするめぐみ
しかし、次の瞬間
「何だよ!!」
そう言ってめぐみの頭を小突いた。
「痛いってば~!!」
そんな言葉を無視して、山下は
「大将!!席は?」
「いつもの場所が開いてるよ」
「ありがとう・・行くぞ!!」
そう言ってめぐみを先導する山下・・・
ただ、ついていこうとするめぐみがふと大将を見ると
大将はにこりと微笑み、小さくガッツポーズを見せ
そして、口パクで”がんばれ!!”とめぐみに言った。
何をがんばれというの?
と思いながらめぐみは山下と同じ部屋に入って行った。
「カンパーイ」
二人はそう言って、飲み始めた。
しばらくして、
「あの~」
「なんだ?」
「さっきの件ですけど・・・どうするんですか?」
「なにを?」
「だから・・・さっきの女性の件・・」
「そうだな・・」
そうつぶやいて、山下は、お酒を口にした。
ふと、めぐみのグラスを見ると空になっていた。
「まぁ、飲め!!」
そう言ってめぐみのグラスに有無を言わさずお酒を注いだ。
そして
「ん~? なんでっけ?」
山下も結構飲んでいた。
「何だっけじゃなく・・・」
「だから?」
「だから・・・こうしてたびたび会うんですか?」
「今日は俺のおごりだから・・・気にするな!!」
「そうじゃなくて・・・」
「とりあえず・・・カンパーイ!!」
山下はかなり上機嫌で。乾杯をしてきた。
そして、自分のお酒を一気飲みし、再び注いだ。
こうして、この夜は更けた。




